だいぶ前の読書記録。
推しの情勢が不安定で、3月に書くはずだったのに忘れてた。
YOASOBIとの共同作品。
『大正浪漫』
帯に書かれている通り、時空を越えて恋をするお話。
帯には『出会っていたら、はじまらなかった恋かもしれない』とあるけれど、表紙の二人はなんとなく出会えても恋が出来ていたんじゃないかな、と思う。
その裏で進行するもうひとつの恋は、出会っていたらはじまらずに終わらせることができた恋かもしれないけど。
YOASOBIとの共同作品(という形で合ってる??YOASOBIに関してはファンではあるけど、オタクではないので……)を読むのはこれで3冊目。
個人的にはこの『大正浪漫』が1番読みやすく、話にも共感しやすかったかな。
「小説」を短編で完成させるのは実はとても難しいんじゃないかな?と思っていて、その意味で以前読んだ2冊(『夜に駆ける』←特にこちら『はじめての』)はある程度音楽に依存あるいは共存するところが大きく感じていて(共同作品であることを踏まえると、こちらの方が完成度が高いとも言える)分量がある分『大正浪漫』は小説として独立していて、音楽とは少し距離のある作品かもなと思いました。
何回か聴いたけど、曲があんまり印象に残らないのは、私の中で小説の方の世界観が強くなってしまっているからなのかも。
楽曲の力が強めで小説の世界観にかなり影響を与えていそうな『夜に駆ける』、
楽曲とのパワーバランスや距離をAyaseさんと作家それぞれが図りながら作った感じのある『はじめての』、
小説が先にあって楽曲がテーマソング的に機能している『大正浪漫』。
最近のYOASOBIの楽曲は原作があるものが多く(特に漫画→アニメ化)『大正浪漫』にもそれを感じます。
私は『はじめての』の作家とアーティストとのバチバチしたコラボレーションが好きかも。
作品としては『大正浪漫』かまとまっているけど、YOASOBIとコラボだと、曲との関係性もやはり少しは楽しみたいよね。そこがYOASOBIの唯一無二の部分でもあるわけだし。
タイムリープや時をかける……的な設定は、近年の某アニメ映画(←好きです)でも使われているし、SFなどなどでも使い古された設定なのですが「報われないけど幸福」という心のあり様には、簡単にじーんときてしまう人なので、その点でもちょうどいい塩梅のお話でした。
【以前の読書記録】