【読書】『はじめての』YOASOBIと有名女性作家コラボ。 | ほんとこばなし

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わたしと本とこどもたちのはなし

だいぶ前(昨年11月)に読んだ本ですが

はじめての

by 島本理生 辻村深月 宮部みゆき 森絵都

アーティストYOASOBIとのコラボ小説です。

 


 

というわけで、楽曲側も出ていて、CD付の小説も出ています。YouTubeに曲も上がっています。


  

 

 

 

作家陣がものすごく豪華です。

そして


YOASOBIの世界観には負けませんけど?


という強い意志を感じる笑い泣き

YOASOBIの作品への自分たちの作品の位置づけがそれぞれ違ってそれも面白いです。


島本理生ー私だけの所有者


YOASOBI作品とのバランスがとても良い。

曲と小説が合わさって世界観が完成される感じ。

アンドロイドが主人公の作品でSF色が強いので、苦手な人は苦手かな。

バランスは良いけど、島本理生のイメージと違うというかもう少し島本理生感が欲しかったなぁ。

島本理生とSFの相性が私としてはイマイチなのかも。





辻村深月ーユーレイ


これはすごく辻村深月らしい。
夜の感じとか、少女の年齢の危うい孤独感。
人を人を救うのは、人しかいないところとか。
YOASOBIの作品とは一定の距離感がある感じ。
実は私、曲の方は、あんまり好きじゃない。


宮部みゆきー色違いのトランプ


宮部みゆきの圧倒的力を感じる。

宮部みゆきは『模倣犯』とかのミステリも有名だけどファンタジーやSFに近いものも書いているよね。

本編を見てから曲を聞いてもおもしろいし、

曲を聴いてから本編を読んでも「そういうことか!!」ってなる。

相乗効果になることがわかって書いているし、曲に負ける気もない。




森絵都ーヒカリノタネ


こちらは曲がとてもかわいいです。

うちの長女もこの曲好き。

森絵都さんの世界観とは方向性が異なるとも思うけど。

ハッピーエンドでとてもかわいらしい話です。

でもちゃんと読者に咀嚼させて考えさせるところが森絵都っぽい。



各作家のYOASOBI(曲)との距離感がとてもおもしろい作品集でした。

補い合うか、同調するか、視点を変えるか、足し算するか。

あと、作家陣が有名どころなので大きな当たり外れはなく、すべてそれなりの読み応えあり。

今度YOASOBIの『夜に駆ける』の小説版も読みたいのですが、そちらは正直言って少し不安驚き

おもしろいかなー。


 

 


あと、YOASOBI×著名男性作家の組み合わせもぜひ読んでみたい。

女性作家よりも選出が難しそうだけど、誰がいいかなー。森見登美彦先生あたりが宮部みゆきポジションで書いてくれると楽しい。