拾って帰る
常日頃一人で頻繁にラーメンを食べてる私としては、夜中にまで食べては気が引けるので、うどんを食べて帰る事にした。
外は寒く、「こんな寒いのにうちみたい辺鄙なとこまで来てくれるお客様に感謝だね」と、珍しくチカに真面目な話をしてみたりした。
たまにそういう面も見せなければ、毎日軽蔑されそうなくらい酷い話しかしてないのでよろしくないのだ。
うどんだけでは飽き足らず、串かつやらだし巻きやらと散々食べ、帰る途中に何気にいつも行くラーメン屋を覗くと、以前ピアッツァで一緒に働いたブタコマツを発見した。しかも一人カウンターで酔って寝ながらラーメンを食べているではないか。
見過ごす訳にはいかず、私は店内に入りコマツの頭をおもいっきり叩き、「帰るなら送るから早く食えバカ」と言うと、急に私が現れてびっくりしたコマツは「…はいすいません」と、あまり分かってない様子で答えていた。
送りながらも「お前はテーブルの上に鞄置くなんてアホか」とか、「車の中で吐くなよバカ」とか、小言を並べると、コマツは昔の様に聞いたふりだけしていた。
「誰が見てるかわかりませんね」とチカが言うので、「ほんとさあのブタめ」と呆れ返る私に、「ノムラさんがあれやってたら、皆見て見ぬふりですね」と、はじける笑顔で言われてしまった。
教祖
先日カウンターに座られたお客様の話で大笑いしてしまった。
男性1名と女性5名という珍しい編成でいらっしゃったお客様であったのだが、あいにくテーブルが埋まっていたため、空くまでカウンターに座って頂いた。
そこで聞こえてきた話なのだが、どうやらその男性は女性陣の恋愛相談を数々受けているようであり、「恋愛の教祖と呼んで下さい」と、女性陣に向かって言い出し、私は吹き出してしまった。
こう言っては何だが、その男性は決して恋愛経験豊富には見えるタイプではなく、本人さえも「童貞ですけど恋愛の教祖です」等と言うのがまた笑いを誘う。
しかも教祖の教えは、二言目には「転がりこめ」である。
「信用ならぬ教祖だ」と思っていると今度は、女性の一人が、とある男性に出したメールに対し「あれは二行に一回は告白してる、告白し過ぎでダメ」と、意外と的を得た事も言ったりする。
そして、「転がりこめ」が教祖の信条であるにもかかわらず、自分が転がりこまれると「僕はそうなったら逃げますけど」と言う。
「なんじゃそれは」と思っていると、「そんな事あんのかよ」と、女性の一人が言っていてまた私は吹き出してしまった。
最終的に教祖は散々罵られ、おごらされ、最後には「一日教祖」と呼ばれていた。
教祖、またお待ちしています。
12月の営業
先月、どうしても行ってみたいお店があったので、不規則に平日休んでみると「こないだ来たらやってなかった」と、案の定苦情を頂きました。ごもっともでございます。
年末年始は、12月30日~1月3日までお休み頂きます。
他は通常通り、日曜日定休ですが、12月27日の日曜日は忙しくなるつもりで張り切って営業します。
ついでに、定休日や告知が当店HPのTOPページに掲載されていますので、気が向いたら御覧下さい。
今年もあと僅か。ぱーっとノムラーノに来て遊びましょう。
コラボディナー
フレンチの「プルコアパ」にて、パン屋「アンシャンテ」とのコラボディナーがあると聞きつけ、「行きたい!」と鼻息を荒くし、チカと行く事にした。
二人で行っても寂しいので、野菜でお世話になっているイケメン農夫をお誘いすると、「是非ご一緒させて下さい」と素敵に言われ、二人で天にも昇る気持ちでその日を迎えた。
その日チカに会うと、とんでもなく短いミニスカートに、露出の多いセーターという、男の視線釘付けのいでたちであり、それでなくても完全に負けている私は「オマエこのやろう・・」と怒ったが、チカは勝ち誇った顔であった。
さすがの私も「苦しい・・」と洩らす程の素晴らしいお料理と量であった。大満足である。
メインである、「伊達産ホワイトヴィールのブランケット・ド・ヴォー」が物凄く美味しかったのだが、何の事だかさっぱり分からぬまま食べており、後に「ところであれは何の肉だったのか」という話になり、私は福島の伊達地鶏だと勝手に思い込み、「そーだそーだ」と言いきっていた。
後日不審に思ったチカが、「あれは仔牛の事だそうですよ」と調べてきてくれた。
「げ!マジ?!」と、私は牛を鶏と言い放った自分に驚いた。
そしてせめて今度からは「~かも」をつけて言い切らない様にしようと誓った。



