たちかま
たちかまの事は知っていて食べた事もあるつもりだったが、その美味しさに改めて感動した。しかも珍しく創作意欲まで湧き出たので、驚異のたちかまパワーである。皇潤より効く。
後日、チカと二人で、「たちかまはどうやって作るのか」と考えている時に、調度イタリア帰りのヤスが酔って当店に来たので聞いてみると、「たちかま？」と、そのものすら分かっていない様子であり、話しにならなかった。
そんな不甲斐ない旦那を見て、チカが一生懸命「ほら、一平さんで食べたじゃない」とか、「一緒に見たテレビで作り方やってたよね」等とまくし立てるので、ヤスはいよいよ分かったふりをしていた。困った時はこれである。
ネットで調べ、結局たちかまは、タチと塩で出来ていると判明した。
作り方が分かった所で上手く作れるかは疑問である。はたしてあの触感が出るのか。
これは作るのが楽しみである。
私達の旅行
チカがイタリアから帰ってきた。
ミラノを拠点に遊んできたらしい。
お土産話はチカに直接聞いて頂いた方が楽しいと思われる。
ヴィンサントも飲ませてくれるであろう。
チカがイタリアに行くのが決まる前に、私の方がイタリアに行くのが決まっていたのだが予定が二転三転し、今回は何故か京都へ行く事になった。
という訳で、２月５日（金）～２月８日（月）までお休みを頂きます。
チカはまた連休で遊べると喜んでいる。
健康です
月極駐車場を借りているので支払いに行くと、大家のおばさんにいきなり、「健康だね、健康でしょ」と言われた。
私の「こんにちは」の挨拶に対する返答がそれだったので、「え・・」と思ったが、「はい、健康だけが取り得です」と答えた。
考えてみると、おばさんはスピリチュアルな感じで言ってきたので、「私には健康の神様が付いてんのが見えたんじゃないか？」と思い、ちょっと嬉しくなってきた。
店に戻り、「どれどれ」と、鏡で自分を見てみると、単に太って顔に張りがあるだけである事に気付いた。
そうなると、健康ではなく不健康である。
もしや遠まわしに「ダイエットしろ」と言われたのだろうか。
水戸との出来事
先日、「ル・プルコア・パ」の新年会が当店で開かれた。
私は勝手に開始時刻は６時半だと思い込んでいると、６時前に一人現れた。
「これはいかん、６時からか！」と、急ピッチで準備をしていると、目を真っ赤にして涙目になっている水戸くんが入って来た。
「何泣いてんのさ」と言うと、こんな真冬にサーフィンに行っていたという。
そういえばこの間、真冬でもサーフィンの出来るウエットスーツみたいな物が出来たと、新聞に載っていたのを思い出し、「あれか？あれ着たのか？」と聞くと、そんな最先端の物ではなく、いつもの自分のスーツでこの厳寒の北海道でサーフィンをしたというではないか。
「そんなバカいるんだ・・」と、私は仰天し、「水戸があの世に行く日もそう遠くないかも」と、一人思った。
そして案の定、厳寒の北海道でサーフィンをしたバカは、手先の感覚が麻痺しており、グラスが上手く持てなくてひっくり返して割ってしまった。
「足先の感覚も無いんですよ・・」と言うので、「知るかボケ自業自得じゃ」と、次は無い事を諭しておいた。
しかも新年会はお開きになり、皆帰路に着いたにも関わらず、何故かベロベロの水戸くんは一旦帰ったのに舞い戻って来てまた飲み始め、今度は手に持っている自分の携帯を何回も床に落とし始めた。
「ちょっとなに落としたの？」
「またかい」
「ポケットに入れなさいよ」
「帰れバカ」
と、４回目に落とした時点で私は帰れ宣言をしてやり、水戸くんは退場となった。
後日、水戸くんが舞い戻って来た挙句、携帯を何回も落として面倒くさかった事を、久保田シェフにメールをして告げ口をしてやった。
すると水戸くんはプリンを持って謝罪に来た。
ちょうどその日はチカもノリさんも居なく、一人でてんやわんやだった私は水戸くんを見た瞬間に、「ちょっと手伝って！」と、エプロンを渡し、洗い物からサービスまで隈なくやって貰った挙句、「あー助かった、じゃあ帰っていいよ」と、あっけなく帰らせた。
今度はこっちが形勢不利になってしまったので、プルコアに御礼に行かなければ。
何だか急に水戸くんが身近に感じられる今日この頃である。
財布の中
２０代の頃は財布に金が入っていなくても何の不安もなく過ごしていた。
「何かあったらどうするの」と言われたりしたが、「今日は１００円しか持ってない」と言って、金を持っていない自慢をしては笑っていた。
３０歳になった頃からようやく、用事がなくても財布に金を入れる事にしたくらいである。
急に誘われて、「今日は金持ってない」という理由で、お断りしなければならない情けない出来事がしばしばあったからである。
今はもう４０も近いので財布にはいつも金を入れてある。
大人の嗜みがやっと出来てきたのだ。
先日、友人と食事に行った先の厨房の若い男の子が可愛かったので、「あたしの事いやらしい目で見てる」と言ってやると、「そんな事は一つもありません」と言うので悔しくなり、「おばさん金ならあるから今晩どうだい」と、でかい声で言うと一目散に厨房へ逃げて行ってしまった。
「金ならあるって、気に入った男見たらいっつも言うよね」と、本当は金の無い私の戦法を友人に非難されたが、聞こえないふりをしておいた。
そして、「金ならある」と吠えたくせに、その日の財布には金が全く入っておらず、割り勘の金額をやっと払えるくらいの状態であった。
「金あるって騒いでたの誰さ」と、友人に叱咤されたが、あまり気にしない事にして「ツバキホール」に移動する事にした。
ついにツバキホールでは一銭も払うお金が無く、そのくせシェフのタバタさんを捕まえて「おう飲みいくぞ！」と有無を言わさず連れ出そうとすると、友人に「金ないんだからやめなさい」と言われ我に返った。
財布のお金は確認してから出歩かなければならぬ。