瞬く間に
忙しない日々の所為にして
悲しみを打ち消した



宣告通りに現れた未来を
その前に少しずつ宥めて
ついには誤魔化した





流れに沿うには
感情は優し過ぎる

置いて行けない思いを引き留めてしまうから





静かに
さも当然に
やって来て
浚われた
大切な私の一部を

悲しみから救ってくれる代替品などはない



開いた穴は塞がらない

開けた儘では寒すぎる

開いた寒さを麻痺させるように
冷たさを増す風に吹かれ
私は
痛みを殺した



君のいない
冬を生きるために

それでも
誰かに倒れ込まないように
欲しがる手にはあげないんだ

求める手は繋いでこう


あたしの手はさよならを知っている



優しい温もりの冷たさも
冷え切った後の残り火も


細い線の指先に
静かに流れる鼓動のように

あなたへ続く道ができてる
どこへ行こうと



そう信じて
握ったら
離していくことも怖くなくなっていった



やわらかな明日が差して
震える夜が月を連れて
深く潜って
薄れた



今ここにあるこの手に
怯えることの弱さを囁いて

強く繋いだ
彼女は悲しんでいた
大人が夢を見なくなる朝を

彼女は悲しんでいた
それを悲しむ大人の悲しみに


やがて
悲しみからも解き放たれて
希望からも遠ざかる

それでも
まだ夜に夢を見る



彼女は悲しんでいた
子供が夢を恐れだす夜に

彼女は悲しんでいた
恐れから逃げ出す夢の足跡


やがて
恐れから解き放たれるため
希望さえも夢になる

そうして
また朝に目を覚ます