ここ数日は少しおさまっている暑さではありますが…
7月でこの暑さだと8月には溶けて消えるかも
発表会に出る生徒さんたちは、レッスン回数があと5.6回というところでしょうか
ざっくりとしたプランではありますが、
6月までに譜読みを完了し、7.8月で音楽的な部分と暗譜を進めるように準備をしています
今年はおおむね順調にみんな譜読みを終えたかな、という感じで少し安心
先週のレッスンでは、
音量やテンポ感などの表記されていることはもちろん、
フレーズの取り方、間の取り方、弓の配分や使い方など楽譜の行間を読むこと
ストーリーをつけるなら、会話をするなら、など音楽を色付けていくイメージの部分
などなどに言及出来る生徒さんがチラホラ出てきました
曲を始めたばかりの時は、どうしても音程とかスラーとかリズムとかの指摘をしなくてはいけないのですが
それがしっかり出来てきてくれると、その先の話がどんどん出来る
そして、そんな音楽的な指摘が出来るレッスンになると、生徒さんの反応が全然違う
譜読みし始めての時期、音程が合わずに
「もう1回弾いてみよう」
「ピアノで一緒に弾いてあげるから確認しよう」
と何度も弾いてもらっていたレッスンでは
こんな顔やこんな顔や
こんな顔
をしていた子たちも
「あああ!その間はよかったけど、弓は置いてから弾くんだよ!もう1回!」
「それプラス、スタッカートしたらもっといいよ!」
「そーこにビブラートなんて入っちゃったら完璧」
「あーでもそれでもっと囁く感じの音に出来る?」
同じように何度も弾いてもらうレッスンでも
こんな顔やこんな顔や
こんな顔
になるんですよね
目の輝き、反応のよさが全然違う
そうなの、こういうレッスンって楽しいよね
実は私は中学3年間、外国の先生のレッスンを受けていて
慣れない英語でのレッスンで3年間ずっと「intonation(音程
)」と言われ続けた
今思えば、先生が耐え難いほどの音程の悪さだったのでしょう
ちゃんと練習しなさいよ、と思うのですが…
正直レッスンはとても苦痛でした
ここでヴァイオリンを辞めなかったのは、幸い合奏のクラスがあり、友達がいたから
(今度ゆっくり語れればと思います)
高校生になって、私が師匠と慕う元の先生のレッスンに戻ったのですが
映画、詩、文学、風景、食べ物、いろいろな表現を駆使して音色を伝えてくれるレッスンが楽しくて楽しくて仕方なかった
毎週のレッスンが待ち遠しくて待ち遠しくて…
そんなレッスンの末、初めて成績優秀者としてコンサートに選抜されたのでした
もちろん中学3年間でかなり音程は安定し、師匠にもそこは3年間で成長した、と言われました
小学校までの私は、練習嫌いがようやっと練習習慣がついた、くらいのレベルでしたので
絶対に必要な厳しいレッスンでした
気持ちだけこもってテクニックが追いつかない演奏も、テクニックばかりで気持ちがこもらない演奏も
どちらも心地良くはありません
しっかりベースを鍛えていただいていまは感謝しています
(当時は……ごめんなさい)
基礎的な部分のレッスンって、退屈な時もありますよね
しつこくしつこく音程が違う、ポジションが、ボーイングが、リズムが
と言われるのはイライラもするでしょう
(中学3年間で経験済みですから、痛いほど分かります)
だけどその先に、楽しい音楽作りが待っています
そんなレッスンが出来ることを先生は祈りながら…みんな待ってるぞ
誤解がないように書き添えますが、
テクニック的な部分が「完璧」にならないと、音楽的な部分のレッスンをしないというわけではありません
テクニック面と音楽面を同時進行でレッスンするタイプもいれば
テクニック面に処理能力が割かれているうちは、音楽的に演奏できないタイプもいますので
生徒さんの様子を見てレッスンしていますよ
テクニックが追いついていないと
「言われたことは分かるし、そう弾きたい、けどそれどころじゃない」
となることは多いので、
ある程度形が整ってから(楽譜に齧り付かなくても弾ける、つっかからずに演奏できる、など)
音楽面にテコ入れしています
余談ですが、楽しくて仕方なかった、いろいろな言葉で音を表現してくれた師匠のレッスン
当時カトリック系女子校に通う女子高生だった私の音があまりに色気がなかったようで
「修道院みたいな音がする」
と言われたのをずっと覚えています
どの曲のどのフレーズだったかまで(サン=サーンスのコンチェルトの3楽章です)
当時はという感じでしたが、
今なら先生がどう伝えたら女子高生相手に、セクハラっぽくなく音に艶をださせられるか
どうにか絞り出した言葉なのが分かります
そのレッスンの時の音は今でも思い出せますが、確かにあの音は色気がなさすぎた
いつか生徒のみなさんにも「先生あんなこと言ってたな」と思い出してもらえるようなレッスンが出来たらいいなぁ
と思っています