PC画面の向こう側
みなさん、こんにちは。
昨今のコロナウィルス感染拡大防止や
諸般の事情から、
会計事務所における業務において、
「顧客訪問ありき」の考え方が
徐々に薄れてきていることを感じます。
来所いただくのも難しいとなれば
頼りにしたいのはインターネットを介した
Webコミュニケーションとなるのが自然の流れ。
2年前の今頃は、
「これまでWeb会議システムなど一度も使ったことがなくて...
電話じゃダメですかね?」
とおっしゃっていたベテラン税理士先生も、
いまやすっかりZoomやTeamsなどを
当たり前に使いこなしていらっしゃいます。
もちろん、コロナが終息したら
もとのように顧客訪問による
直接コミュニケーションの日常に
戻りたいというお考えもあるでしょう。
その一方で、
会計事務所担当者の一日のうちに
それなりの時間を占めてきた移動時間、
あるいはお邪魔する際に提供する
ペーパー資料準備の手間などを考慮すると、
Webツールを有効活用して、
訪問スタイルよりもコミュニケーション頻度を増やしたり、
税理士先生にWeb上の同席を求めたり
ペーパー資料に縛られない
オンデマンドの情報提供に努めたりするのも
戦略の一つではないでしょうか。
当然、お客様あってのサービスですので
リテラシーの問題から
実施が難しい先も少なくないとは思いますが、
これから5年、10年先の事務所経営を考えると、
こういったWebコミュニケーションの日常化に
本腰を入れるための良いチャンスともいえるのです。
そこで重要となってくるのが、
会計事務所の担当者とPC画面の向こう側にいる
お客様との距離感です。
もはや、
「画像が表示できない、音声がつながらない」
「資料共有がうまくいかない」
「お客様側に“既読”がつかない。返信がこない」
といった運用初期における混乱は
この2年間で解消しているケースがほとんど。
やはり次の段階としては、
Webコミュニケーションならではの利点を再検証し、
従来の顧客訪問を超える満足度を
追求するところまで来ているのではないでしょうか。
それは、
既存客層だけにとどまりません。
例えばセミナーの開催、あるいは見込先との商談、
一般の企業ではWebを介した営業戦略が
当たり前のように浸透してきています。
事実、私たちが提供する
会計事務所様向けのサービスについても、
昨年新規ご契約となりました税理士先生はすべて、
その過程で、一度も直接事務所にお邪魔したり、
弊社にお越しいただくこともなく
Web完結でサービスインまで至っています。
その年齢も40代から70代までと様々。
もはや壁となるもの自体、存在しないのです。
私自身も昨年1年間で100名近い税理士先生から
Web個別相談をお受けして、それらを実感しています。
これから新規設立や事業承継によって、
経営に携わる人物は次々に
デジタルネイティブ世代に置き換わっていきます。
定期訪問もこれまでのように
ウェルカムの状況が続くとも限りません。
過剰に恐れたり焦らなくても良いのですが、
少なくとも、
それらの動きに乗り遅れないような
事務所運営の在り方を
いまのうちから模索していくかなければなりません。
まるで直接お会いしているかのごとく
パソコン画面、スマホ画面から
ビジネス上の信頼を高めていくためにも、
これからの経験と実績の積み重ねが
業界におけるサービス格差を生む時代がやってきそうです。
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金の延べ棒
みなさん、こんにちは。
15年程前のことだったでしょうか。
四国地方のとあるベテラン税理士先生の
事務所にお邪魔した際、
資産保全や投資に関する話題になりました。
たしかリーマンショックの起きる
少し前のことだと記憶しています。
その先生は、
「国内株式でも、海外分散投資でも、
それはそれで個人の自由だから好きにやったらいい。
でもね、私はお付き合いの長い経営者で
少しお金に余裕のある方にはもれなく
おすすめしてきたことがあるんです」
とのこと。
さらにお聞きすると、
「10年ぐらい前からかな。
“いまから最低4000万円以上の金の延べ棒を買いなさい。
それは決して業者に預けず、タンス預金にしなさい。
もし会社や生活にいざというときがあったら、
迷わずそれらを使いなさい。”
とずっと言ってきたのです。
もちろん自己責任ということにはなるけれど、
すぐに行動に移した社長さんは、
今の時点で少なくとも価値が2倍以上には
なっているんじゃないかな。」
と先生。
ということは、
もし現在まで保有していたとしたら
一体どれくらいの価値になっているのでしょうか。
その時は怖くて聞けませんでしたが、
当然、その先生もそれなりの量を
お持ちであったことは間違いありません。
何ともうらやましい話です。
『価値が2倍に』と聞いただけで、
当時の私はつい“儲け話”の一つとして
認識してしまっていたのですが、
どうやらそこに投資的な意味合いは薄く、
会社の経営、個人の生活を
いざといったときに確実に守るための秘策として
その先生ならではの過去の経験を
活かしたアドバイスだったようです。
こういった具体的に踏み込んだ提案は、
リスクもありますし
双方の信頼関係が強くなければ
なかなか実行にまでは移せないものです。
きっとそれらのアドバイスを受けた経営者の方々は
このこと以外にも、
様々な面から先生に感謝されていることだと思います。
いまや
戦争やウィルス感染拡大、自然災害など、
世界全体に不安定感が増していますが、
つねにリスクと隣り合わせの経営者にとって、
いざというときの“心の拠り所”となる存在は
必要不可欠ではないでしょうか。
金融機関やコンサルティング会社など
様々なサービス業者が居並ぶなか、
中小企業経営者の方が、
誰かに相談したくなったときに、
真っ先に思い浮かぶ相手は税理士先生という関係が
これからもずっと続いて欲しいと願うばかりです。
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「仕掛け」で善循環を起こす
みなさん、こんにちは。
今日は、私の住んでいる近所にある、
小さなイタリア料理屋さんの話です。
交差点で信号待ちのときに、
丁度車窓から見える位置にあるそのお店は、
私からすればいつオープンしたのか
何料理を扱っているのかも知らない
営業中なのかも判然としない
日常の風景にひっそりと
埋もれている場所となっていました。
そこに変化が生じたのは、
お店の前の道に宅配バイクが
何台も並ぶようになってからでした。
いまからちょうど
1年前頃からだったと記憶しています。
どうやら、
地元密着のリーズナブル価格で、
本格的な石窯で焼くピザが自慢ながら、
人通り自体が少ない立地で、
集客には苦戦していたのではないかと思います。
事実、近隣の飲食店は
開店してもほとんどのお店が短い期間で
閉店してしまいコロナ禍でなくても
厳しい立地であることは間違いなさそうです。
しかし、
来店客こそ苦戦してきたものの、
コロナ禍を機に宅配バイク戦略を取り入れたことで、
“いつも頼んでいる宅配ピザチェーンと
価格帯が変わらないなら
本格的なイタリアンピザも食べてみたい”
というお客様のニーズにちょうど
マッチしたのかもしれませんね。
そしていまから半年前あたりから、
更に状況が一変します。
なんと、宅配バイクだけでなく
お店の前に人の行列もできているのです。
これは推測の域を出ませんが、
宅配でピザやサイドメニューを頼んだお客様が
「おいしい。お店でも食べてみたい」と
足を運ぶようになったのだと思います。
普段人通りなどわずかな場所に、
突如バイクと人の列ができているのですから
私には何とも不思議な光景に映りました。
来店しか想定してこなかった
従来の営業手法から
宅配バイクの戦略を取り入れ、
結果的には来客数増加にも結びつけてしまった
好事例ではないかと感じます。
実は全国にある会計事務所のなかで、
“優秀なスタッフに恵まれている”
“よそには真似できないノウハウがある”
という話はよくお聞きするものの、
その打ち出し方、仕掛けの部分で、
随分と機会損失を起こしてしまっているところが
多いような気がします。
というのも、
■優秀なスタッフなのに、
日常業務に埋没させてしまっている
■第三者からみると専門用語多用で
差別化のポイントがわかりにくい
■そもそも情報が“外向き”に発信されておらず
誰にも知られないままになっている
これでは、
せっかくの良さが活かせません。
仕掛けの効果は一日にしてならず。
まずは「これだ!」と思う一点に絞って、
今春こそは、昨年とは違う
新しい仕掛けを放ってみてはいかがでしょか。
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