会計事務所応援 ブログ -29ページ目

“チャレンジ”を称えよう

みなさん、こんにちは。

昨日で北京五輪が終了しました。

毎回メダリストに関心が集まる一方で、

今大会はフィギュアスケートやスノーボードなど、
“先例のない大技へ選手が果敢に挑戦したこと”が
賞賛され注目を浴びたのではないでしょうか。

実は、
この“チャレンジ”というフレーズ、
税理士業界ではそれほど日常的に
耳にしないような気がします。

そしてその数少ない機会を振り返ると、

そのほとんどは成長著しい会計事務所であり、
所長先生が比較的若い年齢層、
あるいはチャレンジの中核を担う現場スタッフが
若い年齢層で占められている気がします。

年齢が若さが
チャレンジに直結しているという
意味ではありません。

経験の浅いスタッフの挑戦を、
ベテランが

「称える(あたたかく見守る)環境がある」

「必要に応じてフォローする体制がある」

ということだと思うのです。

ひょっとすると、
そのベテラン層についても
過去に先輩から称えられた、フォローしてもらった
経験を持っているのかもしれません。


考えてみれば、所長先生は経営者ですから、
日々チャレンジすることは当然ともいえます。

しかし、一職員という立場で
日常業務から離れた
失敗のリスクを伴う挑戦に対して、

「自ら手をあげてくれる」

「賛同し協力してくれる」

そんな存在は、多数派ではありません。


だからこそ、

もし思いのほかうまくいかなかった、
失敗してしまったメンバーが出たとしても
断罪に終始するような職場環境を
決して作ってはいけないと私は思います。

しかし、残念なことに
そういった寛容さがいつの間にか
職場全体から欠落してしまっているからこそ
若手や未経験者が
“採れない”“育たない”“すぐやめてしまう”という
現象に繋がっているのも事実です。

ところで、
積極的にスタッフのチャレンジを後押しする
成長事務所の事例をお伝えすると、

「まぁ、余裕のある会計事務所はいいよね」と
反応される方も多くいらっしゃいますが、

私がこれまで見てきた限り、
数々のチャレンジを通じて成長している会計事務所は、
他と比べて業務に余裕があるかというと
決してそうでもありません。

むしろ、
日々の業務に変化を生じない事務所のほうが、
時間的、精神的には余裕があるような気もします。

ただ、両者には大きな違いがあります。

前者の事務所は、
若手職員が定期的に採用できていることで、
スタッフに年齢層の偏りが比較的少なく、

後者の事務所は、
年齢層の構成でいえば逆ピラミッドのように
ベテランだけが固まっていく傾向がみえます。
先例主義が強まるのも無理はありません。

職員の高齢化による、
定年退職者予備軍に悩みつつも、

即戦力の経験者採用にも期待できないという
二重苦に焦りを感じている先生も
いらっしゃることかと思います。

 

もし今後、

若手や未経験者を採用する方向へ舵を切るとすれば
たとえ手間や時間はかかったとしても
 

職場が“チャレンジした人”を称えられる文化へと
切り替えていかなければ、
そこにはいばらの道が待っている気がします。

 

そうならないためにも、

所長先生が真っ先に

「失敗しても大丈夫だよ」というフォロー役を買って出ることが

環境を変えるための第一歩となりそうです。
 


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「悔やんだまま」が成長を止める

みなさん、こんにちは。

みなさんは、
北京五輪をご覧になっていますか。

私は昨日、
様々な角度から注目を浴びている
女子フィギュアスケート選手の
活躍もさることながら、

女子スピードスケート団体追い抜き(パシュート)の決勝、
高木菜那選手が転倒してしまうという波乱の展開に
心を締め付けられる思いがしました。

いちテレビ観戦者である私でさえ
辛い気持ちになったのですから、

これまで練習に練習を重ねてきたご本人は、
どれだけ悔やんでおられるのだろうと考えると
また心が締め付けられてしまいます。


どんなに頑張っても、努力を尽くしても、
こういった不運で良くない結果を招いてしまう経験は
誰しも持っているのではないでしょうか。

もちろん私も、
オリンピックほどの大舞台ではありませんが、
数えきれないほど失敗もありますし
不運に見舞われることもこれまでにありました。


全国で成長の歴史を刻んできた
税理士先生にお聞きすると、
大きな失敗を一度も経験されていない方など皆無。

挑戦し続ければ、
どこかで必ず失敗をするのです。

そんな辛い思いを、
どうプラスにもっていけるかが
大切なのだと思います。


以前に当ブログでもご紹介したことがありますが、
とある有名な税理士先生から、

「木村さん、

 私のような税理士でも
 一般企業の社長でも原理は一緒。

 10回挑戦をして、
 そのうち1つでも軌道に乗れば経営者としては大成功」

と教わったことがあります。

何度悔しい思いをしても、
挑戦自体をやめてしまったら、
経営者としては失格なのだと私は解釈しました。


当然のことながらこれは
経営者だけに言えることではありません。

社会人でも学生でも、失敗や反対を恐れて
挑戦しなければ成長はそこで止まってしまうのです。


私たちは、全国の会計事務所様で
業務改革の支援を行わせていただいておりますが、

これまでの「当たり前」を、
当たり前ではない環境へと変化させるのですから、
そう簡単にうまくいくはずがありません。

そこで肝心なのは、
何か壁にぶつかったときに、
過去に経験した失敗がどれだけ今に役立つかだと
私は常々感じています。


「とある業者に騙されて、
 無意味なシステムに大金を使ってしまった」

「職員の反対で
 業務改革に取り組まなかったら
 かえって退職者ばかり増える結果になった」

全国各地の税理士先生から
良くお聞きするご意見です。

システムがムダになってしまったこと、
反対派の声に屈して
業務改革に取り組まなかったこと。

誰よりも悔しいのは

所長先生であることは間違いありません。

しかし、それらの経験がこの先
システムを無駄にしないための行動、
反対派が賛成派に転じるほどの

業務改革に繋がるとすれば、
それらはすべて失敗とは呼べなくなるのです。


残念ながら、
それらを活かすための行動には移さずに

むじろ「二度と挑戦しない」ことで
後悔しない方向へと舵を切ってしまう先生が
思いのほか多いことを、
私はこれまでご相談実績から実感しています。


どんなにその道のエリートが
限界まで頑張ったとしても、
それらの努力がすべて報われるとは限りません。

「悔やんだまま」の状況から
一刻も早く脱するためには、

やはり、誠心誠意打ち込める何かを
常に抱えていることが大事なのではないでしょうか。


素晴らしい活躍をしてくれた
高木菜那選手をはじめチームや関係者のみなさまに、
改めてエールを送りたいと思います。
 


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人材募集特化の事務所HPから見えること

みなさん、こんにちは。

会社を対外的にPRする媒体として、
一番身近な存在になったホームページ。

私たちの独自調査では、
税理士業界におけるその保有率はおおよそ20%台。

まだまだ割合的は
低いようにも感じますが、

そのなかでもさらに珍しいと私が思うのが、

『人材募集に特化したホームページ』の存在。

仕事柄、たくさんの会計事務所ホームページを
閲覧する機会の多い私でも、
印象に残っているのは全国を見回しても
極々わずかといったところでしょうか。

昨年、滅多にお目にかかれない
そのうちの1事務所、税理士A先生に
直接お話しをおうかがいすることができました。

この業界でホームページといえば
どちらかというと、
顧客獲得や取引先への信用をPRする
メッセージ性が強い気がします。

人材募集については
どうしても「二の次、三の次」の存在として
ひっそりとページの片隅に
追いやられていることも少なくないのですが、

なぜそこにフォーカスすることになったのでしょうか。


A先生は、税理士資格を取得される前に
某大手人材関連企業でお勤めされていて、

その当時から
「従来のカタにはまらない会計事務所像」をイメージして
いくつかの事務所で修行されたのち、
独立開業に至ったとのことでした。

しかし、いざ事務所を構えてみると
とにかく目の前の仕事に忙殺され、
顧客を拡大すればするほど即戦力採用を迫られ、
それぞれ考え方も価値観も違う
職人タイプの人材が増えてゆく悩みに
日々苦しめられてきたそうです。


そこで、ある時期を境に、
ホームページをはじめとした
一般募集型顧客拡大スタイルを停止。

思い切って、
顧客件数増加による売上アップの従来戦略を転換、

いまお付き合いのあるお客様への
徹底した顧客満足度追求による、
売上単価の2倍、3倍増戦略に打って出ることになりました。

ここまでの発想は、
他の税理士先生にも見られることですが、

A先生はここからが凄かったのです。

「税務、会計サービスの提供は
 お客様の強い信頼には繋がるものの
 これからそこをどんなに極めようとしたとしても
 地元の老舗事務所には到底かなわない。

 それならば、他の事務所が
 誰も手を出しそうにない分野で強みを持ち、
 税務顧問報酬とは違う売上を積み上げていきたい」

なるほど。

ただ一般的な会計事務所であれば、

税務会計の知識経験を持った人材に、
研修を施して別分野のスキルを習得させればいいと
プラスアルファ程度で考えてしまいがちです。

しかしA先生は違いました。

「各分野から
 その道で食べてきたプロを採用すれば、

 税務顧問のお客様から、
 まったく違うサービスとして売上が見込める。

 必要があれば、あとから税務会計を教えてもいい」

という考え方なのです。


ただし、会計に携わってこなかった人材を
会計事務所という専門職の世界に呼び込むのは
決して簡単なことではありません。

ライバルは狭い税理士業界どころか、
一般企業もその範囲に入ることになるからです。


そこで、これまでは
あれもこれもと掲載してきた情報を極限までそぎ落とし、
 

最終的には人材関連企業時代の経験も生かして
『人材募集に特化した会計事務所ホームページ』
に磨きをかけるところに落ち着かれたそうなのです。

そんなことをして、
事務所経営は成り立つのかと
心配にもなりそうですが、


サービス内容や金額など
具体的にここで
書くことができないのが残念ですが、

平均的な会計事務所報酬の常識を
はるかに上回る顧客単価と教えていただき、
正直なところ驚きを隠せませんでした。

おそらく給与体系も、
全国的な会計事務所相場ではないことは
ほぼ間違いないでしょう。


思い切って対象を絞り込み、
そこに限りあるリソースを集中することで
大手企業にはない強みを発揮する。

中小零細企業がとるべき戦略の
お手本のような税理士先生でした。
 


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