会計事務所応援 ブログ -23ページ目

禍福は糾える縄の如し

みなさん、こんにちは。

昨年11月初旬。

繁忙期も目前に近づくその時期に、

「実は、この数カ月ほどの間に
 職員の半分以上が次々に退職してしまって

 採用活動も追い付かず、

 法人の決算ができるのは
 実質私ひとりだけになってしまい...」

と悲壮感あふれる表情でご相談いただいたのは、
私とほぼ同年代の女性税理士先生でした。

法人の決算、年末調整、確定申告...

その総数を聞いて、愕然としました。

すでに何カ月もの間、一日も休みがとれず、
目の前のことをこなすだけで精一杯の某先生にとって
これから迫ってくる繁忙期の
業務ボリュームに気をくばっているような
心の余裕などなかったのでしょう。

「まだ、そこまで
 考えるような気持ちになれなくて...」

と、少々感情が
高ぶられている様子でした。


その状況をひとまず軽減するような
私たちからのご提案は一旦保留しつつも、

とにかく今思いつくあらゆる手段を総動員して、
何とか確定申告まで持ちこたえると
改めて気を引き締められておられました。


それから半年近くが経ち、
お約束していた時期に入ったため

連絡してみると、

電話口に出られた某先生の口調から
昨年のような悲壮感、緊迫感は
みじんも感じられませんでした。

どうやら、繁忙期を無事乗り越えられ、
春先から将来有望な新人にも複数恵まれて
今後は某中堅税理士法人の傘下にも入られることで、
安定した業務基盤を築く道筋がついたそうなのです。

本当に良かったと思い、
「実はずっと心配していました」と正直に
先生にお伝えしてしまいました。

「ありがとうございます。
 これからは何とかなりそうですよ」
と明るい前向きな言葉が返ってきました。



命を縮めるほどの過剰労働の毎日は
決して褒められたものではありませんが、

「何とか事務所を守りたい」と、
なりふり構わずもがき続けたことが
結果として良い流れを引き寄せたのだと思います。


“禍福は糾える縄の如し”ともいいますが、

良いことばかり続くことがないように、
悪いことばかり続くこともありません。


優秀な職員が退職することになった。
優良な顧問先が解約になった。

事務所を経営していれば
こういった事態を避けることはできません。


起きてしまった不運を
のろいたくなる気持ちもわかりますが、

“若手職員が育って主戦力になった”

“お客様からの紹介で
 優良な企業と新規契約ができた”

という日が来ることを信じて、
冒頭の先生のように努力を惜しまずに
日々取り組んでいきたいものですね。

みなさんの事務所では、いかがでしょうか。

 

 

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コロナ禍3年目にして在宅勤務と向き合う

みなさん、こんにちは。


■コロナ禍一年目

「大変な事態になった。
 でもいまから慌てて特別なことをしなくても、
 しばらくしたら治まるだろう」

■コロナ禍二年目

「思ったよりコロナが終息しない。
 周囲でも在宅勤務を始めたという話も聞く。

 でも、さすがに今年いっぱいで治まるだろう」

■コロナ禍三年目

「所内に複数の感染者が出てしまった。

 やむを得ず
 職員の在宅勤務を実施してみたものの、

 毎回お客様の資料や決算書ファイルを
 持ち帰るわけにもいかず、
 このままでは、

 まともに仕事がこなせる状況にない...」


4月に入って、
こういった焦りにも似たお話しを
全国の税理士先生からお聞きする機会が
増えてきています。


その最大の要因は、
「ペーパーレスが進んでいないこと」に尽きます。

正確には、
「事務所全体が在宅業務に耐えられるレベルの、
 ペーパーレス体制が意識されていない」
ということです。


例えば、在宅勤務を始めようと、
担当者自らが書棚にある顧客ごとの決算書申告書ファイルを、
スキャンしてデータ化したとしましょう。

その時点で既に大きな負担ですが、

次に、定期的にお預かりする原始資料も
その都度データ化しなくてはなりません。

ルーチンワークの手間や時間に、
これらが日常的にプラスされたら
在宅勤務どころではないというのが実態だと思います。


そこで、所長先生としては
現場の職員にこれらの工数をかけさせないよう、

「お客様先で、原始資料をデータ化した状態にして、
 送ってもらえばいい」という考え方もあるでしょう。

ただ、
担当先のお客様にこれらの協力を求めるのも
結局は担当者の方の仕事になります。

新規契約先ならともかく、

「何でおたくのために...」

という反応を恐れて、
なかなかその選択肢もとりにくいのではないでしょうか。


堂々巡りした結果、
「無理して在宅勤務なんてやらなくても...」
というところに落ち着くと
冒頭の例のようになってしまいます。


インボイス制度や改正電子帳簿保存法といった、
業務のデジタル化に向かっていく
大きな時代の流れを考えると、

現段階でペーパーレスへの取り組みについて
何も決まっていない状況というのは、
決して褒められたことではありません。


また、“在宅勤務の可否”は、

会計事務所に就職を希望する方にとって
明らかに重要度が高まっています。

今からでも十分間に合います。

まだという事務所様は、
その第一歩となるペーパーレス業務のルールづくりに
取り組んでみてはいかがでしょうか。

さらに掘り下げると、

所長先生ご自身の
「紙依存」「紙信仰」を
いの一番に変革しなければなりません。
 

実は、そこが一番高いハードルなのでは...

 

というのは私のうがった見方でしょうか。

 

 

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斜陽産業?

みなさん、こんにちは。

成熟期を過ぎてこれ以上の需要増が見込めない、
技術革新によるゲームチェンジャーの登場、
海外をはじめ競合参入による需要の浸食。

こういった理由で
「斜陽産業」が生まれていくといいます。

これまでたくさんの税理士先生とお話ししきて、
ご自身の職場を「斜陽産業」と呼んでしまう方が
年々増えてきている気がします。

とくに20年、30年と事務所経営をされてきた
ベテランの税理士先生ほど
「斜陽産業」という言葉を使いたがる傾向にあります。

何か寂しい、切ない気持ちになりますね。


もちろん、その言葉の裏に、
「まだまだ負け組にはならない。何とかしたい」
という本音こそ感じますが、


“若い職員が応募してこない。すぐ辞めてしまう”

“平均年齢は年々高くなっていくばかり”

“お客様が増えない。単価も上がらない”

“次々に変わってゆく
 デジタル化や法改正についていくのがやっと”

“いつまでも後継者候補に恵まれない”

といった要因が重なれば、
誰だって弱音の一つ二つも吐きたくなります。


しかし、この言葉は、
税理士先生と私たちのご相談の場では
いくら使っていただいても良いのですが
決してご自身の職場で
使ってはいけないと私は思うのです。

なぜなら、全国にはいくらでも
伸び盛りの会計事務所が存在しているからです。

「業界全体が傾いているから、
 自分たちの事務所だって仕方ないんだ」

と所長先生が考えてしまったら、
最前線で働いている現場の職員さんは
一体どうすればいいのでしょうか。



とある地方の80代の税理士先生は、

「ここから3年が勝負ですよ」と
いつでも手綱を緩めるつもりはなさそうです。

私自身15年以上のお付き合いがありますが、
昔からその姿勢は少しも変わっていません。

「みんなの前で泣き言をいうぐらいなら、
 私はさっさと引退しますよ」

という姿勢です。

だからこそ、
事務所の業績は伸び続けますし
若い職員も入ってくる。

どんなに苦しい状況でも、
トップはそういった行動で示すことで
ぜひとも組織を引っ張っていって欲しいのです。

このところ暗い話題ばかりで、
マインドが冷え込んでしまっている先生が
いらっしゃるかもしれませんが、

斜陽産業にならないためには、
やはり税理士先生お一人お一人が
踏ん張るしかありません。

「解決の糸口が見つからない」という方は、
ぜひ一度、私たちのセミナーにご参加ください。

もしかしたらそのヒントが見つかるかもしれません。

 

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