お客様の増加=苦悩の増加
みなさん、こんにちは。
ひと昔前に空前のブームが沸き起こった
経営学者のピーター・ドラッカー氏。
ドラッカー氏によると、
“企業の目的の定義は一つしかない。
それは「顧客を創造すること」”
だと言います。
様々な意見はありますが、
会計事務所も
あくまで一民間企業であると考えれば、
お客様を増やす、
新たな市場を創り出す行為から
決して目を背けることはできません。
ところが、
20年以上全国各地の会計事務所を
巡っている私からすると、
顧客増加に対して
会計事務所という組織が
これほどストレスをため込んでいる時代は
いまだかつてなかったのではないかと思います。
職員一人ひとりはもちろん、
営業活動の中心にいるはずの税理士先生も
顧客拡大を心から喜べない
複雑な事情を抱え込んでいます。
先生が足を棒にしてがむしゃらに営業し、
一件のお客様にようやくたどり着いていた
開業まもない時代と違い、
お客様や取引先様からの顧客紹介ルートも定着し、
ご契約後も先生ご自身ではなく
担当職員がうけもってくれる体制が
すっかり整備されたはずだったのに、
いつの間にか、
担当職員の入れ替わりはハイペースとなり
後任のサービスレベルは低下、
やがて担当を引き受けてくれる職員を見つけるのにも
苦労を強いられることに。
気が付くと、紹介で次々と押し寄せてくる
新規契約自体が所長先生にとっても
現場の職員の方々にとっても
まるでありがたくない存在かのごとく映ってしまう。
そんな光景を、昨年今年だけで
何例となくこの目で見てきました。
そこで、内部崩壊を恐れるあまり、
・新規紹介案件全般を一旦ストップする
・たとえ長いお付き合いがあっても
条件によって一部顧客を手放す
といった措置に
泣く泣く踏み切らなければならなかった
税理士先生にも何人となくお会いしています。
こういった負のスパイラルを止められるのは
結局所長先生ご自身しかいないと、
私はいつも感じています。
お客様の満足度を上げるにも、
職員の満足度を上げるにも、
業績を右肩に上げていかない限り
実現はできないと言っても過言ではありません。
それを無理なく実行するためにも、
従来の働き方に固執しない
新しい業務スタイルを受け入れる
必要があるのではないでしょうか。
場合によっては、多少痛みを伴う
改革が必要になるかもしれません。
「そもそも、何が原因かわからない」
「原因はわかっているが、
どこから解決すればいいかわからない」
そんな税理士先生は、
是非一度、下記Webセミナーにご参加ください。
私どものグループ、
エヌエムシイ税理士法人における様々な失敗、
そしてどうやってそれらを克服していったかの経緯を
ご紹介しています。
エヌエムシイ税理士法人実践事例公開セミナー(次回は7月5日(火)に開催)
お申込み受付中!
https://nmc-ao.jp/seminar/consulting/
「現状維持」もカンタンではない
みなさん、こんにちは。
ベテラン先生、若手先生にかかわらず、
ご自身の事務所について、
「現状維持」を
望まれる声は少なくありません。
現状とは、売上高や顧客数、職員数の増減を
指していることが大半ですが、
「現状維持」の背景にあるのは、
・急拡大を望まず、お客様も職員も
「目の届く規模」で仕事がしたい
・お客様を増やしても職員を増やしても
結局自分自身は全然楽にならない
・後継者がみつからず、
成長する意欲を失いつつある
といった様々な事情があるような気がしますが、
お客様にしても、職員の方にしても
もちろん税理士先生ご自身も
歳をとりいつか引退する時がきます。
また、引退まで待たずとも
世の中やご自身の状況も刻々と変化していきます。
“ゆく河の流れは絶えずして、
しかももとの水にあらず。”
方丈記に、
そんな一文がありました。
「現状維持」とは、
何もしないことではありません。
何もしないということは、
「停滞」「衰退」を呼び込んでいるだけなのです。
事実、現状維持しているつもりが、
気が付くと衰退のスパイラルに陥ってしまった
税理士先生をこれまでに何人もみてきました。
なかでも
お客様が離れていくのはある程度止められても、
職員の方が離れていく流れは
そう易々と止められるものではありません。
それでは、「現状維持」はどうやって
実現するのがベストなのでしょうか。
やはり同じ売上高や顧客数を維持するには、
将来減っていくことを想定して増やす努力をする。
職員数を維持するにしても、
将来減っていくことを想定して採用する努力をする。
「そうカンタンには減らないだろう」という
甘い考えを捨てること。
それがすべてだと思うのです。
考えてみれば、
室町時代から続く有名和菓子店のようかん、
私たちが子供のころから親しんできた
ロングセラーのスナック菓子にしても、
「変わらない味」をずっと保つために、
時代に合わせた原材料や価格の変動、
現代人の味覚の変化などを常に研究して、
試行錯誤を日々繰り返していることで
それらを維持できているのだと思います。
「現状維持」と「何もしない」は
まったく別次元の考え方だと私は思います。
みなさんはどうお考えになりますか。
エヌエムシイ税理士法人実践事例公開セミナー(次回は6月22日(水)に開催)
お申込み受付中!
https://nmc-ao.jp/seminar/consulting/
戦略的“後回し思考”
みなさん、こんにちは。
これから事務所全体で、
何か新しいことに取り組もうとする際に、
税理士先生、職員の方からの相談で、
「条件に合わないお客様がいた場合は
結局進みませんよね?」
「間違いなく反対する職員が出ますが
それではうまくいきませんよね?」
と、先回りして悲観的なご意見を
頂戴することがよくあります。
確かに、これまでにはなかった
取り組みに挑戦するのですから、
お客様にしても事務所スタッフにしても、
誰もが無条件に賛成ということは考えられません。
そこで、
「現時点で例外的な対応が予想されるなら、
慌てて始める必要はない」
「ある程度全体的な合意が得られてから
取り組んでも遅くはない」
これが、
ごくごく一般的な“後回し思考”です。
90%以上の会計事務所は、
「とりあえず止めよう」
「(機会があれば)いつか取り組もう」
という結論に行き着きます。
つまり、議論はしても
何もしないということです。
それでは戦略的“後回し思考”とは
どういうことでしょうか。
「条件に合わないお客様を
ひとまず“後回し”にしよう」
「反対する職員はいるけど、
ひとまずその人たちは“後回し”にしよう」
要するに、
例外の存在自体を後回しにして、
まずは取り組んでみる行為を
優先させる考え方です。
実は、成長著しい会計事務所は、
一部例外の存在に動きを止められない
戦略的“後回し思考”によって、
スピード感を持って、
新しいことに取り組む文化が根付いています。
“できないことを
どんなに考え込んでも答えは出ない。
だったら、答えが出るところから始めよう”
だからこその成長なのだと私は思います。
その一方で、
どんなことに対しても
“All or Nothing”にとらわれてしまう事務所は、
何度となく構想の段階までは進むものの、
結局何もしないことが常態化してゆくのです。
どんな職場においても、
積極性があって、自発的に行動できて、
柔軟性にあふれる人材など
組織全体を見回せばほんの一握りのはず。
喜んでリスクを冒そうとする人など、
期待するほうが間違っているのです。
だからこそ
所長先生は、あるいは幹部職員の方は、
あまり難しく考えず、
まずはやるべきことを、やれる人たちだけに絞って
スタートしたほうが良いと私は思います。
そこで小さな成功事例ができれば、
反対派が賛成派に回ることも珍しくありませんし、
そもそも先例がなかったことが要因で
反対だった可能性もあります。
万が一、
100%達成まで行きつかなかったとしても、
何もしない0%よりははるかに
良い結果を生み出しているはずです。
実は、所長先生ご自身が、
周囲の反対や失敗に過敏に反応してしまう事務所ほど、
そこで働く職員の方は
先生以上に反対や失敗を恐れて
可能な限りそれを避けようとする傾向があります。
まずは所長先生が
最初の一歩をためらわない勇気を持つ意味でも、
戦略的“後回し思考”を
一度試してみてはいかがでしょうか。
悩んで、悩んで、私たちにご相談をいただき、
それでも結局踏みとどまらざるをえない先生も
これまでに大勢いらっしゃいました。
一人でも多くの方に、
今年こそ一歩踏み出していただきたいと
心から願っています。
エヌエムシイ税理士法人実践事例公開セミナー(次回は6月7日(火)に開催)
お申込み受付中!
https://nmc-ao.jp/seminar/consulting/