会計事務所応援 ブログ -14ページ目

お客様に協力を求める効率化

みなさん、こんにちは。

先週末、
久々に回転寿司のお店で食事をしたのですが、

「これまでいたはずの案内係はおらず、
 自ら発券機に向かい
 出力される番号を頼りにテーブルへ誘導」

「レーンは回っておらず、
 注文パネルから各々オーダー」

「食事後、お皿を数えに来るスタッフはおらず、
 オーダーした種類や枚数から料金は自動カウントへ」

「店員さんとやり取りしたのは
 唯一レジのお会計のみ」

というほぼ
セルフガソリンスタンドのようなお店へと
変貌をとげていました。


旧来の寿司店の常識から脱却し
以降運営の効率化に磨きをかけている
回転寿司業界ですが、

■原価高騰による更なるコスト削減要求

■深刻化する人手不足

■コロナ感染症対策

どうやら、
これらが更なるサービス変貌の
要因となっていることは間違いなさそうです。


現状の価格やサービスを維持するために
内部努力も限界を迎えており、
お客様にもコスト削減策の一端を担ってもらうことで、
満足度を維持する戦略なのだと思います。


その点、同じ“サービス業”という
カテゴリーのなかで、

会計事務所業界は、
お客様に協力を仰ぐことのできる分野が
まだまだ残っているのではないでしょうか。

あるいは、業界の常識にメスを入れることで
改善できることが十分残されている気がします。


これまでは常識、
あるいは触れてはいけない分野として
見過ごされてきた領域、


■毎月時間、工数、燃料代をかけて
 お客様先を訪問しなければ
 コミュニケーションは成立しないのか

■原始資料の回収は、
 何度も電話で催促したり
 直接現物を取りにうかがわなければ、
 一方的に事務所の責任が問われることになるのか 

■せっかくプリントアウトして
 ファイリングまでしているのに
 お客様は未開封のままの
 紙資料など本当に意味があるのか

■いつも電話でやり取りしているせいで
 「社長がつかまらない」
 「事務所の担当者がつかまらない」
 と双方でストレスを感じている時間はムダではないのか

■「担当先のお客様だから」と言って、
 時間給の高いベテラン社員が、
 自ら単純な入力やチェック作業に
 時間を割いているのは非効率ではないのか

と突き詰めていくと、

まだまだ他業界に比べて、
本格的な効率化への仕組みが追い付いていないのです。

とくに、
『お客様に協力を求める効率化』について
圧倒的に後れを取っている気がしてなりません。

ここ最近、
開業5年未満の税理士先生とお話しすると、

「それは全て、お客様の責任でお願いしています」

「〇〇に協力してくれない経営者さんとは
 最初から契約しないことにしています」

と、責任範囲を明確したスタンスで
サービス提供している会計事務所様が
圧倒的に多いと気づかされます。

老舗の事務所でも、
新規契約先については、
業務分担や責任の範囲をこれまで以上に明確にして
サービス提供しているところが増えてきています。


単にお客様の数を増やすだけでなく、
お客様から協力していただける範囲を

少しずつでも増やしてゆく。

地味かもしれませんが

とても重要な取り組みだと思いませんか。
 

 


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“先延ばし戦略”ももはや限界

みなさん、こんにちは。

弊社グループ創立者で税理士の野本明伯が2004年、
全国で開催した会計事務所向けセミナーにおいて、
当時こんな話をしていました。

「これから生き残る会計事務所は
 3つの選択肢のいずれかを迫られる。

1.巨大税理士法人グループ

2.専門サービス特化型会計事務所

3.家族経営の零細事務所

どこにも当てはまらないところは淘汰されてゆく」


あれから18年の歳月が過ぎ、
いよいよその話が現実味をおびてきました。

とくに全国規模の税理士法人グループを目指す、
大手事務所のM&A活動が
非常に活発化していることを実感します。

“高齢化”

“後継者不在”

“人材難”

といった従来の経営課題にくわえて、

そのスピードが加速する要因に、

これまであまりデジタル化の動きに
積極的ではなかった
どちらかといえばご高齢の税理士先生が抱く
『インボイス制度』『改正電子帳簿保存法』への漠然とした不安が
あるのではないでしょうか。


それでは、ご高齢の先生に
全国の税理士法人からもれなく声がかかっているかといえば、
決してそんなことはありません。

M&Aする側の立場からすれば、
やはりそこは市場原理が働いて
「欲しい事務所」「欲しくない事務所」
それぞれにはっきりと分けられているのです。

実際にお話しを聞くと、

M&Aの話が来る事務所には、
仲介業者からの営業はもちろんのこと、
税理士先生自らも
売り込みにやってきているそうです。

しかも、
一件や二件という数ではありません。

その一方、どこかにM&Aして欲しいのに
まったく声がかからない事務所のほうが
はるかに多いというのが実態。

おそらくその違いは、
売上や顧客数、職員数といった、
外部から客観的にみてもわかりやすい基準なのでしょう。


声をかけられている先生、
待てど暮らせど一度も声のかからない先生。

どちらからのご相談もお受けしていますが、
それぞれどうするのがベストなのか
心底悩んでおられることが伝わってきます。


先日とある地方のベテラン税理士先生が、

「私の事務所を万が一誰かに売るとしたって、

 その価値を保てるのか、暴落させるかは、
 すべてこの1,2年の動きにかかっているんですよ」

とおっしゃっていました。

それが、
インボイス&電帳法への対応であることは
言うまでもありません。


今年も残すところ、あと2カ月。

これまでの慣習を変えない為に
何となくとられていた“先延ばし戦略”も、
いよいよ限界を迎えています。

  

 

 

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人材募集にかける費用から気付くこと

みなさん、こんにちは。

つい先日の
都内に所在する某税理士先生との会話。

「木村さん、私びっくりしちゃったんだけど、

 私の知っている税理士さんは、
 ほとんど人材紹介会社を使っていないみたい。

 人材募集に、
 お金がかけられないとのことだけど、

 ハローワークや無料掲載のWebサイトだけで、
 本当に優秀な人材なんてどれだけ採れるんですかね?」

某先生は、15年ほど前に
職員100名超の大手税理士法人から独立され、

ご自身も前職で採用活動の際には、
人材紹介会社を利用していた関係で、

ご自身の事務所設立後には、
一般の募集媒体にくわえて、
人材紹介会社を介した
採用活動をずっと行ってきたそうです。

もちろん、
それなりに費用こそかかりますが、

「待てど暮らせど応募者が来ない」

「応募者のレベルが要求基準とあまりに違う」

というストレスは比較的少なかったそうです。


それでも、ここ5年ほどは、
紹介される人数も大幅に減少し、
分業体制や効率化も含めた所内体制の見直しを
迫られてきているとのこと。

そんな某先生からすると、

お金もかけずに
「優秀な人材が全然集まらない」と、
嘆いている先生方が信じられないというのです。


某先生の考え方は確かに
間違っていないとは思います。

その一方、人材募集に
多額の費用をかけなくても
それなりに人材が確保できた時代が
あったことも事実。

ただし、それはあくまで
「会計事務所に就職したい」という人口が、
いまよりもはるかに多かった時の話です。

もう30年近く前の話にはなりますが、
私が通っていた大学は商学部だったこともあり、
当時「会計事務所」は人気の職業で、

ゼミなどのコネを使わないと
なかなか就職できないのが当たり前でした。


その当時とは、考え方も価値観も
大きく違ってしまっていることを、
地域などに関係なく真剣に受け止めなければならない
時期に差し掛かっていると私は思うのです。

違う見方をすれば、

お金をかけてでも優秀な人材を確保できるよう
これまで以上に仕事の魅力を打ち出す、
あるいは経営の収益性を高めていかない限り、
現状のサービス維持も
難しくなってくるのではないでしょうか。

「無い袖は振れない」というのはカンタンですが、

募集活動にかかる費用だけでなく、
事務所のイメージをアップするためのさまざまな施策、
教育体制にいたるまで、
きちんと先行投資することで、
失うリスクを減らすこともできるのではないでしょうか。

コロナ禍で、
守りを固めなければいけないさなか、
主戦力であったはずの職員の方々が突然退職される。

 

その穴を埋めようと無理がたたって
さらに退職者が出るという知らせを各所で聞くたびに、

ふと、そんなことを感じてしまいます。


 

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