お客様に協力を求める効率化
みなさん、こんにちは。
先週末、
久々に回転寿司のお店で食事をしたのですが、
「これまでいたはずの案内係はおらず、
自ら発券機に向かい
出力される番号を頼りにテーブルへ誘導」
「レーンは回っておらず、
注文パネルから各々オーダー」
「食事後、お皿を数えに来るスタッフはおらず、
オーダーした種類や枚数から料金は自動カウントへ」
「店員さんとやり取りしたのは
唯一レジのお会計のみ」
というほぼ
セルフガソリンスタンドのようなお店へと
変貌をとげていました。
旧来の寿司店の常識から脱却し
以降運営の効率化に磨きをかけている
回転寿司業界ですが、
■原価高騰による更なるコスト削減要求
■深刻化する人手不足
■コロナ感染症対策
どうやら、
これらが更なるサービス変貌の
要因となっていることは間違いなさそうです。
現状の価格やサービスを維持するために
内部努力も限界を迎えており、
お客様にもコスト削減策の一端を担ってもらうことで、
満足度を維持する戦略なのだと思います。
その点、同じ“サービス業”という
カテゴリーのなかで、
会計事務所業界は、
お客様に協力を仰ぐことのできる分野が
まだまだ残っているのではないでしょうか。
あるいは、業界の常識にメスを入れることで
改善できることが十分残されている気がします。
これまでは常識、
あるいは触れてはいけない分野として
見過ごされてきた領域、
■毎月時間、工数、燃料代をかけて
お客様先を訪問しなければ
コミュニケーションは成立しないのか
■原始資料の回収は、
何度も電話で催促したり
直接現物を取りにうかがわなければ、
一方的に事務所の責任が問われることになるのか
■せっかくプリントアウトして
ファイリングまでしているのに
お客様は未開封のままの
紙資料など本当に意味があるのか
■いつも電話でやり取りしているせいで
「社長がつかまらない」
「事務所の担当者がつかまらない」
と双方でストレスを感じている時間はムダではないのか
■「担当先のお客様だから」と言って、
時間給の高いベテラン社員が、
自ら単純な入力やチェック作業に
時間を割いているのは非効率ではないのか
と突き詰めていくと、
まだまだ他業界に比べて、
本格的な効率化への仕組みが追い付いていないのです。
とくに、
『お客様に協力を求める効率化』について
圧倒的に後れを取っている気がしてなりません。
ここ最近、
開業5年未満の税理士先生とお話しすると、
「それは全て、お客様の責任でお願いしています」
「〇〇に協力してくれない経営者さんとは
最初から契約しないことにしています」
と、責任範囲を明確したスタンスで
サービス提供している会計事務所様が
圧倒的に多いと気づかされます。
老舗の事務所でも、
新規契約先については、
業務分担や責任の範囲をこれまで以上に明確にして
サービス提供しているところが増えてきています。
単にお客様の数を増やすだけでなく、
お客様から協力していただける範囲を
少しずつでも増やしてゆく。
地味かもしれませんが
とても重要な取り組みだと思いませんか。