◆ ゲームの分類 | ゲームデザインエクセレント

◆ ゲームの分類

まずは、ゲームと呼ばれるものを分類してみましょう。
 突き詰めていけば深い問題があれこれあるのですが、さしあたって次のようにまとめてみます。


ゲームデザインエクセレント
この分類では、まず遊ぶために必要な本体の複雑度に注目します。「装置」レベルの複雑度を持っているのか、「道具」レベルにとどまっているのかで、2つに分けるのです。
 「装置式ゲーム」においては、さらに2種類。コンピュータソフトウェアとして作られているものと、装置そのものがゲームであるものとに分けます。そして、それぞれ業態別の分類を行います。「ソフトウェア型」の場合4区分、「非ソフトウェア型」の場合、業務用か家庭用かで2区分となります。
  「道具式ゲーム」は、遊ぶための専用ボードを必要とする「ボードゲーム」と、普通のテーブルの上で展開される「テーブルゲーム」に分け、さらにどちらにも入らないものとして、3つの分類枠を設けました。
  「ボードゲーム」は、「抽象型」と「模擬・象徴型」に二分類しています。前者の典型は、囲碁やオセロ。また、チェスや将棋も、古代の軍隊に仮託されているとはいえ実質的には記号に過ぎないことから、ここに含まれます。一方、ゲーム目的がシミュレーションであったり、特定の遊び方のみが想定されているような場合は後者です。戦術シミュレーションの他、『モノポリー』や『人生ゲーム』などが、ここに含まれます。
  「テーブルゲーム」の場合も、カードゲームにおいては同じことがいえます。トランプ・花札・麻雀などは「抽象型」で、『マジック・ザ・ギャザリング』などのトレーディングカードゲームや、(特定の遊び方のみが想定されていることから)かるたが「模擬・象徴型」となります。「立体ゲーム」は、『ジェンガ』などが入ります。
 なお、「テーブルトーク」「ゲームブック」「室内競技」の3つですが、このうち室内競技は、スポーツとゲームの中間ともいうべきもの。ビリヤードやダーツなどが典型例になります。(後の二つは昔から確立されているカテゴリーなので、興味のある方は調べてみてください。詳しいサイトがいっぱい見つかるはずです)


 なお、図中、黒いはっきりした字体で書いているものがありますが、これは本シリーズで扱う「ゲーム」の範囲を概ね示したものです。
  日本のゲーム産業はコンシューマを中心に動いていますが、世界的に見た場合には、その限りではありません。特に、3Dをフルに使った近年のハイテクゲームでは、PCの方がコンセプト上の中心です。高性能グラフィックボードの最先端の機能を使ったハイテクゲームが先行開発され、それがある程度普及してからゲーム機に移植されるという流れができあがっているのです。元々欧米では"スノッブでマニア的な大人の、書斎における娯楽"としてPCの「ゲームソフト」がありました。今日のゲームは、それが大衆化したものといえます。
  一方日本のゲームは、元々が「おもちゃ」扱いの商品で、これが高度化していって現在のようになっています。ここでのコンセプト上の中心はアーケードです。「ゲームセンターのゲームを自宅でも遊べる玩具」として、広く普及していったのです。
  "業界"と見た場合は縦割り的な構造になっているせいか、別々のものとして扱う資料も見かけます《*1》。しかし、グローバル化が進んだ今、どちらかだけを挙げるのは不適切です。「クリエイター志望者にとっての便宜」という視点から、対象範囲をこのように設定しておきたいと思います。