イコラブ入門ガイドの続編ですが、イコラブのライブにおける特徴的なファン対応を二つご紹介しておきます(2020/2/2初出記事)。ノイミー、ニアジョイもほぼ同じ。

(追記)イコラブのライブには、全国ツアー(年1回程度, ツアーファイナルは武道館やアリーナも)、単発コンサート(周年コンなど)、合同コンサート(イコノイジョイの合同野外ライブ)などがあり下記の席種があります。他に一般席のみのスペイベ(スペシャルイベント=リリース毎にCD同封の応募券で抽選, 東京・大阪・名古屋で50分程の無料ライブ, 東京は銀河劇場が多い)や外部主催のアイドルフェス(TIFやサマステ等の夏フェスほか, 30分程)ではカメコ席・女性席などはありません。

 

(5)カメコさんとカメコエリア席

これまでのイコラブの人気や興味の喚起・拡散に大いに貢献してきたと思われるのが、一眼カメラでライブ中のメンバーの一瞬を撮影する「カメコさん」と呼ばれるプロ並みのスキルを持ったファンの一群です(もともとは「撮り鉄」のように撮影目的のファンを指す言葉でしたが、現在のイコラブ界隈では「推しの様々な表情を撮りたい」という推し活の一部となっています)。

イコラブでは、プロデューサー、運営の方針として、初期からカメコさんを優遇し、カメコさんも写りの悪い写真やメンバーが嫌がるような写真(半目など)はあげないという形で、互いにウィンウィンの関係と言われてきました。

「ようこそ!イコラブ沼」には、「カメコのみんなも声を出して!」という歌詞まであります。

 

わりと早い時期から、チケット発売時に「カメコエリア席」(チケット料金は一般と同額)が販売され、席は通常は前方の左右どちらかサイドが多く、他グループのことはわかりませんが、とても優遇されていると思います。ライブ中に「カメコさんタイム」が設けられ、運営側が撮ってほしい曲(リリース前後の新曲)や撮影しやすい曲(暗い照明や動きの激しい曲ではないもの)が選ばれます。

 

カメコさんたちは、よく撮れた写真をライブ直後にtwitter等にあげてメンバーのビジュアルな魅力を広め、またイコラブのライブの魅力を伝えてくれています(メンバーはきちんとチェックしてからアップしてほしいと言っています)。そのライブに参加できなかったファンにとっても、雰囲気や笑顔が伝わり、とてもありがたいレポートなのですが、パフォーマンス中の自分の姿を見れないメンバーにとっても、自身のパフォーマンスの確認や研究に役立っているようです。

イコラブ(あるいは特定メンバー)の撮影専門の人もいれば、さまざまなアイドルの現場で撮影されているカメコさんもいましたが、最近では特定の推しのいいカットを撮りたくて機材を揃えカメコになる方が多いようです。女性カメコさんも増えていて「カメ娘」という表記もあるようです。

 

多くのメンバーはライブ後すぐにカメコさんの写真をチェックして保存したり、気に入ったものを自分のtwitterに載せています。メンバーだけでなく指原Pも以前はイコラブやノイミーちゃんのカメコさん写真をときどき自身のtwitterにリツイートして取り上げたことがあり、フォロワー数が300万超という数なので影響力も大きく、カメコさんへのいいねやリツイート、メンバーのフォロワーがぐっと増えたりしました(「指原砲」とも呼ばれましたが、最近はほとんどやらない印象)。

そういうやり取りの往復の中で、カメコさんたちは「メンバーが喜ぶ、メンバーが撮ってほしい写真」をより撮るようになっているのではないかと思います。

 

ライブのMCでメンバーが「曲の中で自分が可愛いと思っている、カメコさんに撮ってほしいタイミング」を語ったこともあります(2019/4/19)。このときのカバー曲ユニット(#5-8)はもう見る機会はないのでしょうか?(1stツアー「今、この船に乗れ!」@Zepp Tokyo、沼の住人さんの=LOVE ≠ME応援ブログより)

https://ameblo.jp/wisteria150/entry-12528425548.html

 

アイドル界では橋本環奈の「奇跡の一枚」以降、カメコさんがもつスペシャルな力は注目されていると思いますが、イコラブでも、なーたんやみりにゃの写真にしばしば奇跡的なものがみられました。

 

みりにゃ(大谷映美里)866ツアー(2019-20)のアンコール・カメコタイム

 

(追記)「カメコさんの素晴らしさは、SSR(スーパースペシャルレア)と呼ばれたイコノイフェス2021の昼の部(シャボン玉や青空)、そして何より夜の部の雨の中の美しい写真の数々で改めて認識されました。カメコタイムのあるグループであること、そしてカメコさんたちの技術と熱意に感謝します。」(「今年読まれた記事2022」より)

(カメコさんSSR写真の一例。イコノイフェス2021夜の部、=LOVEみりにゃ)

 

AKBグループでは、撮影可タイムにファン(ほぼ全員)がスマホで推しを撮る、そのためにメンバーが会場内をねり歩くといったファンサービスがたまに見られましたが、逆にイコラブのライブでは、スマホ撮影は禁止でデジタルカメラのみと限定され、多くのカメコさんはバズーカと呼ばれる400-600mmクラスの超望遠レンズを搭載した一眼レフ、なかには数台を持参されています(三脚・脚立の使用は不可)。

そのためネットでイコラブの画像を検索すると、高画質でプロ並みのいい写真が大量に出てきます(カメコさんが一種のゲートキーパー=門番の役割を果たしているといえます)。

カメコさんは、個々のメンバーをアップにした高画質のライブ画像、現像と呼ばれる補正、よく撮れた写真のセレクト、適切なハッシュタグなどで、無償の公式カメラマンのような存在になっているのです。

 

齋藤樹愛羅(866ツアー、本編衣装)本編カメコタイム

 

なーたん(齊藤なぎさ)866ツアー、アンコールの一瞬(写真にご自分のクレジットを入れている方もいて、これはTKUC(たけうちせんぱい)さん)

 

※先日「イコラブ入門ガイド1」で紹介した英仏バイリンガルの日本アイドル応援サイト「BONJOUR IDOL」さんは、カメコさんkameko fans写真の紹介コーナーおよび掲載カメコさんのアカウントも載せていました。

http://bonjouridol.com/2020/01/equal-love-winter-tour-finale-2019/

Here’s our first special selection of pictures taken by kameko fans (fans who take photos during idols concerts)! Congratulations, and we are really grateful for their beautiful pictures!

 

自分の姿を確認したいメンバーにとって、またライブに行けなかったファンにとって、あるいはライブに参加したファンにとっては記憶をより鮮明なものとするために、そして何よりイコラブに興味がなかった人が一枚の写真から興味を持つために、カメコさんはとても重要なありがたい存在です。

 

イコラブのカメコさん写真をまとめておられる「イコらっぷ!(イコラブまとめ)」さんという素晴らしいサイトがありますので、ぜひご覧ください(ノイミー、ニアジョイもフォロー、23/5ごろまでのライブのカメコ写真をメンバー別に見れます)。

X(Twitter)では「あれから×年」というシリーズをポストされています。

 

(追記)らいおんさんのこちらの記事も。

 

(追記)2021/7に公式HPで運営側から「カメコ席・カメコタイム」についての説明とお願いがアップされました。

 

※2022/1/28日テレ系「MUSIC BLOOD」(イコラブ初ゲスト回)ではイコラブの特徴の一つとして「カメコ席、カメコエリア」が取り上げられました。

 

(23/9追記)ニアジョイの逢田珠里依さんによる1stコン直後のこんな感想も。

(24/1追記)ニアジョイ市原愛弓さんのポスト、引用時点で12万件超の表示。

 

(24/4追記)これからカメコをやってみたい人には、女性カメコ・れんぴょさんのnoteがとても有益だと思いますので、ご紹介しておきます。

 

 

(6)女性エリア席(女性専用席)

これも、どのグループでもやっていることではないと思いますし、AKBグループでは聞いた記憶がありません。略して「じょエリ」という言葉もあるようです。

コンサートやツアー(カメコエリア席と同じく、チケット料金は一般と同じであらかじめそのエリアでチケットを申し込み)だけでなく、ごく初期からキャパの小さい定期公演(代アニLIVEステーション、216席)でも40ほど女性エリア席が用意されていました。一般席を選ぶ女性やカップルもいますが、アイドル現場に慣れていない女性ファンには安心できる対応でしょう。

おおかた前方の左右どちらか(ふつうカメコエリア席の反対側)からセンターにかけての良席が多いようです。最前列を確保しようとする厄介ヲタのトラブルに運営が対応し始めた時(2019年冬の866全国ツアーでの一時的対応)最前列が女性エリア席になるということもありました。

 

これはイコラブのファン層に10-20代の女性が多いという各種データや女性ファンの希望から実施された施策と思いますが、指原Pや運営は早くからそういう動向を当然ながら把握していて、ときどきの指Pの発言(指ヲタがイコラブを買い支えているわけではない、など)や4thシングルで女性ファンをはっきりターゲットにした「Want you! Want you!」を作り、衣裳、髪型までプロデューサーがこまかく指定したことなどにも現われていると思います。

 

たとえば、カラオケでイコラブを歌う年齢層や性別のデータ(2020/2)からも女性ファン層の多さはわかるようです。

 

JOYSOUNDの最新データではイコラブ曲を歌う女性比率はさらに増えて68%となっています。(その後、2020/4や22/6には女性77%に達していました。最新データはこちら。楽曲を選ぶと楽曲別の男女比も出ます。↓↓)

https://www.joysound.com/web/search/artist/409995

 

(6B)着席観覧席(ファミリー席, 2022追記)

2022春の全国ツアー「どう考えても、君ってイコラブのこと好きじゃん」(略称・イコラブ好きじゃんツアー)において、前半のチケット発売時に「ファミリー席」の発売があり、後半(4/22新潟以降)ではそれが「着席観覧席」に変更されました。

試験的な試みだったのかもしれませんが廃止された「ファミリー席」は工夫・検討してほしい取り組みでした(一人親家庭や兄弟姉妹で2人での参加、成人年齢の引き下げなども考慮した上で)。

なお、このツアーからコロナ禍以降の着席観覧からスタンディング可となり、タオル回しも解禁されました。ただそのために女性カメコさんが撮りにくくなり数も減ったと聞くので、女性エリア席の中に女性カメコエリアを設ける等の工夫も必要かもしれません(席種が複雑になるのとトラブルが起きやすくなりますが)。

着席観覧席は「着席でご観覧になりたい方の席となります。こちらの席に限り、公演中はスタンディングでのご観覧はできません」とされています。数が少なめらしく、一般席より当選確率が低くなるとの説もあります。会場の構造によりますが、2階席前方が多いようです。

 

記録用(ファミリー席についての公式からの注意・規定)2022春版、その後は着席観覧席に

「ファミリー席では着席でのご観覧」また規定により「未就学児入場不可」

※代表者様を含め、3枚、または、4枚のお申込みが可能です。(2枚以下のお申込みをご希望する方は一般席・女性エリア席・カメコエリア席にお申し込みください)

※お申込み代表者様から2親等までをご家族とさせていただきます。(2親等とは、「父母、祖父母、兄弟姉妹、子、孫、配偶者」を指します)

※お申込み代表者様(保護者)は、20歳以上(公演日当日)とさせて頂きます。つまり、ご兄弟姉妹でお申込みの場合、代表者様が20歳以上(公演日当日)で、未成年のご兄弟姉妹をご同伴者とする場合は問題ございませんが、代表者様含め、未成年だけでのお申込みはできません。なお、お申込みが発覚した場合は無効とさせていただきます。

※ファミリーエリア席においても、チケット券面がご本人のご来場かを確認するため、身分証のご提示をいただきますが、ご来場いただくお客様が小学生以下の場合は、代表者様へご確認をさせていただきます。なお、未就学児は入場不可となっておりますのでご了承ください。

(例:ご両親、小学生のお子様2名でご来場の場合 →本人確認はご両親のみ実施でお子様は不要)

※公演当日は、代表者様、同伴者様合わせてご来場いただいたうえで同時入場とさせて頂きます。いかなる理由でも、別々でのご入場はお断りさせていただきます。必ずご一緒にご来場ください。