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第7章 将来を売りとばす
将来のことを思い描けないでいると、私たちは誘惑に負けたり物事を先延ばしにしてしまう。

【解説】
遠い将来の報酬にはあまり現実味がないが、今現在の自分の行動が将来の自分にそっくり跳ね返るの。
刹那の刺激に流されないで、将来の希望と整合するような小さな目標を一歩ずつかなえていこう。
今何をすれば、将来の自分は今の自分に感謝するのか、想像してみよう。

 

<マイクロスコープ>
◇将来の報酬の価値を低く見ていませんか?
  ⇒誘惑に負けたことで何をふいにしているのかを考えてみる。
◇「万能の自分」を待っていませんか?
  ⇒明日こそは意志の強い自分に生まれ変わると能天気に思い描くもの(実際にはなかなかできない!)。

<意志力の実験>
1)10分待つと何が起こるか?
2)将来の報酬に対する気持ちの「割引率」を引き下げる。
3)逃げ道をなくすし、本当の目標を邪魔することをやりにくくする。
4)未来に行って「将来の自分」に会う(将来の自分を想像する、あるいは将来の自分に手紙を書く)。


第8章 感染した!
自己コントロールはソーシャルプルーフ(自分の好きな人の思考や行動、くせ、習慣)の影響を受ける。
そのせいで、他社の意志力にも誘惑にも「感染」する(引きずられるってことかな)。

【解説】
恥やプライドに訴えると、罰金や叱られるよりも、抑制力として効果的。
プライドの力のほうが、長期目標には適している。※恥の意識はその場しのぎになりがちで、ストレスがたまるから、負けた時の反動が大きい。
この力を逆用して、仲間に目標を宣言して、ちゃんとやっているかどうかを定期的に報告する。

 

<マイクロスコープ>
◇あなたの「感染源」を発見する。
◇誰の「まね」をしていますか?
◇誰の影響を最も受けていますか?
◇努力するのを「ふつう」にする。

<意志力の実験>
1)意志力の「免疫システム」を強化する。
2)「鉄の意志を持つ人」のことを考える。
3)「認められたい力」を作動させる。

 

 

【こぼれ話】

マクドナルドがサラダをメニューに加えたところ、ビッグマックの売り上げが増加した。

人は、健康的(と思い込んだことが重要)なメニューをいつでも注文できると思うと安心して、うれしくなってしまう。

考えただけ、目に入っただけ、たったそれだけで満足し、それなら今は肥満の原因を爆食してもいくらでも取り返せると考える傾向がある。

だから、メニューにサラダがあって、それを目にした意志の弱い人は、それだけで「大丈夫」と自分に甘くなり、できもしない(なれもしない)明日の意志の強い自分に過剰に期待して、ビッグマックを食べちゃうそうだ。

結果は、ダイエット中なのに、ないし、ダイエット中だからこそ、さらに太る。

※これって、パチンコで、どんなに負けてもいつか取り返せるとお気楽に考えるのとまったく同じだね。※

明日の自分は、今日の自分とほぼ同様に弱いまま。

なので、弱い自分でも無理なく快適に続けられるダイエット方法を科学者の目で見つけるべきなんだ。

 

 

第5章 脳が大きなウソをつく

私たちの脳は報酬を期待すると必ず満足感がえられると勘違いするため、実際には満足感をもたらさないもの(「まやかし」の報酬)でも必死に追い求めてしまう。

 

【解説】
人の脳は、報酬を期待してドーパミンが放出されると、目先の快楽がやたらと魅力的に見える(^^♪
例えば、お店で見たときはすごく素敵だった洋服が、家に持って帰るとぱっとしない。
それは、判断を狂わせたドーパミンが消えうせたからなのです!


<マイクロスコープ>
◇ドーパミンも引き金を探す。
◇心を動かすものの正体を暴く。 
  ⇒ スーパーの商品展示(心理効果戦略)を観察してみよう。
◇欲望のストレスを観察する。

 

<意志力の実験>
1)やる気とドーパミンを結びつける。
※ドーパミンも人類が生き残りのなかで獲得してきた行動を引き起こすシステムなので、うまく活用して、先延ばししていたことを楽しいことに変えることができる。
2)快感の誘惑に負けてみる。 ← 「期待外れ」な結果を冷静に観察しよう。

 


第6章 どうにでもなれ

落ち込んでいると、誘惑に負けやすくなる。
罪悪感を拭い去れば、自信が持てる。

 

【解説】
ちょっとつまずくと、ショックで「もういいや」とやけになって、「まやかし」の報酬や今度こそは変わって見せるという虚しい決心の悪循環の罠にはまりがちだ。
「決心するだけ」を楽しんでいるだけでは、意志力の問題は解決しない(どころか、むしろ依存性は増す)。


<マイクロスコープ>
◇あなたが恐れていることは何ですか? 
世の中の恐怖管理に気を付けて、テレビの死にあふれたニュースを見すぎないようにしたほうがいい。
◇躓いたときに自分に何を言っていますか?
◇決心するだけを楽しんでいませんか?

 

<意志力の実験>
1)根拠のある方法を実行する。 
 成功:セロトニン、オキシトシン誘導(エクササイズ、散策、読書、瞑想など)
 失敗:ドーパミン過剰(ギャンブル、暴飲暴食、衝動買い、ドラッグ)
2)失敗した自分を許す。
3)決意を持続させるシミュレーション
 

復習を兼ねて、マインドフルネスと呼吸についてのワンポイント。
(1)呼吸は1分間に6回(可能であれば4回)
(2)今に集中、と言っても抽象的なので、「息を吸って吐いて」に意識を集中する。
(3)脳に直に働きかけ、海馬がリフレッシュし、偏桃体も必要以上に過敏でなくなる。
(4)結果として、目先の誘惑に打ち克つのが楽になる。
※瞑想はいつでもどこでも実践できる!

 

いつものようにちょっと脱線しよう。
「無意識の力」は思った以上だ。
運命論、決定論、さらには陰謀論は、脳の活動を休めるというか、あまりエネルギーを使わない楽な方法だから、立ち止まって冷静に適切に考えればばからしいかもしれないけど、影響力はかなり大きい。
むやみに恐れる必要もないが、けっして侮ってはいけない。
むしろこのメカニズムを利用して、欲望をコントロールし、意志力と結び付ければ、望む未来に辿り着く可能性は高まるはずだ。
例えば、帰り道を、総菜屋さんの前を通らないルートに変更し、ちょっと遠回りして公園を通るようにするとか。
残業代がどうしても必要な人には難しいかもしれないが、少し早く帰宅すれば、遠回りする体力も残ってるし、気分は晴れて空気がおいしくなるかもしれないよ。
価値観の問題だが、明るい時間に帰り道を歩いていると、多少収入減っても、何物にも代えがたい自由、きちんとセルフコントロールの利いた自由、妙な高揚感が生まれるものだ。
(参考)不正を行うメカニズムも似ていて、どうして悪事を働くのか、自由意志はどう影響するのか、その過程も認知脳科学で明らかになりつつある。


では、今回のパートを始めましょう。

 

第3章 疲れていると抵抗できない


セルフコントロール(幸福な将来を見据えた「健全な」自己管理とくっきりと定義)は筋肉と似ている。
使えば疲労して、疲れていると判断を間違えるが、定期的なエクササイズによって強化することもできる。

 

<マイクロスコープ>
◇自分の意志力(ウィルパワー)の増減を観察する。
  だいたい朝は強く、夕方は誘惑に負けてしまいがち。
◇疲労感を気にしない。
  疲れた時こそ、もうひと踏ん張りしてみる。

 

<意志力の実験>
1)お菓子の代わりにナッツを食べる。
2)目標に関係のある強化法をやってみる。
   やるべきこととやってはいけないことをひとつずつ決め筋力を鍛える!
   そのとき、普段は注意を払っていないことも記録しよう。
3)望む力を作り出す。
   元気が出ないとき、誘惑に負けそうなとき、「望む力」の助けを借りよう。

 


第4章 罪のライセンス


意志力のチャレンジに取り組むにあたり、道徳的によいことをしている(単によいことをする「気分」だけでも同じ)と、よいことをした(あるいは、これからする)分、悪いことをしてもかまわないような勘違いを起こしてしまう。
セルフコントロール力を向上させるには、道徳的な良し悪しよりも、自分の目標や価値観をしっかりみつめること。

 

<マイクロスコープ>
◇自分の言い訳を知る。 ← 自分をほめてばかりいませんか?
◇後で取り返せると思ってませんか?
◇「もうひとつおまけ(無料)」「脂肪分ゼロ」「グリーン配慮(環境保護)」など、誘惑のキーワードを見つける。

 

<意志力の実験>
1)「なぜ」を考えれば姿勢が変わる。
   そもそもの目的に立ち返る、安易に「ご褒美」に逃げない。
2)明日も同じ行動をするものだと考える。 ←「習慣」の恐ろしさ
   行動のばらつきを抑える。ルーティーンを活用するのも有効だ。