「ガラスの氷点」
飲み干したビアグラス、
無駄に派手な刻み模様はヌードモデルの最期のポーズ、
乱れるダリアに巻き付かれてた、
噛み潰した、滴る赤を甲でぬぐった、
そして言葉を失う姿を鏡に映す、
呼吸にさえ混じるガラスの息を吐く、
何かを話す、溢れ出すは尖る言葉だけになる、
そして傷を浴びせる口を閉ざした、
もう話すことはないんだと、
口ずさむは懐かしい子守歌、離れた国にしか流れなかった、
立ち止まって見上げる青に探すものは映りもせずに、
踵を鳴らす、鳴る石畳と吹き抜く風は海が鳴る、
なにひとつも言うことなんてなくしちまった、
祈る言葉もここにはないと、
廃船浮かぶ朽ちた岬の灯台に、
生きるものは言葉を持たぬものばかり、それがいいと目を閉じる、
遠くに黒雲、泡立つ波にガラスを吐いた、
飲み込めないままガラスの残り、
そいつをまた呟いた、
海鳥たちは太陽を舞う、
ダリアの咲く岬の赤は、吐き出す息と同じ色、
氷に似た息を吐き、
氷に似た言葉を探す、
⇒「パープルヘイズ(アメブロ未公開)」
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村








【PR】
流星ツアー (表題作を含む短編小説集) / 田中 ビリー

¥1,365
Amazon.co.jp
あの人への想いに綴るうた/渡邉 裕美

¥1,470
Amazon.co.jp
Copyright (C) 2014 copyrights.billy tanaka All Rights Reserved.
