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リーベショコラーデ

thoughts about music and singers

ミラマーレ・オペラの松山いくお先生つながりで知りました東急東横線 元住吉駅下車 オステリア・ボッカーノの食事付きライブコンサートににゃーと行ってきました。



登場した三人はいずれも昭和音楽大学の卒業生


このレストランはメインルームのテーブル席が14席とカウンター席が少しあるだけなので、歌手さんを約20人で拝見することになるという贅沢な催しです。しかも目の前90cmの所が舞台。

曲目は客層を考えてポビュラーなものばかり。リゴレットと言ったら「女心の歌」ジャンニ・スキッキと言ったら「私のお父さん」椿姫と言ったら、その他その他。

テノールの井出司さん、声音をいろいろ持っていて表現力があります。
ソプラノの山本彩恵子さん、テクニックも声量も十分の美人です。にゃーによると「窓からローマが見える」に出ていた、『ヨーロッパ人に受けそうな日本人の顔』をしている、とのことですが(にゃーは在欧10年の帰国子女)私にはよく意味がワカラン。

この人のことらしい


いずれにしても「美人」という事には間違いがないでしょう。
その女性が今までに無いくらい間近で歌唱するのを見てにゃーが言ったのは「こんなに近いと普段はよく見えなかった『表情』というのがよく見えるけれど、歌を顔で作っているというのがよく分かる」
「気持ちや感情を出そうというのが顔に現れているけれど声に反映させる所まではちょっと足りていない」・・・厳しいお言葉に痛み入ります。「だけどそれは経験が足りないだけで声はいいし最後まで伸びがあったし椿姫のアリアは特に良かった」・・・暖かいフオローに痛み入ります。

両名ともオペラ歌手に必須の「雰囲気」を持っているから、期待できる人達です。

ただ、私がもっとも気になったのは「MCの喋り方」です。
この若い世代の人って、テレビのお笑い芸人の喋り方を聞いて育っている所為なのか、よく似ているのです。二人の突っ込み合いの仕方もそっくり。

オペラ歌手さんが軽いノリのおしゃべりをするのはとっても違和感があります。もっと気品を大事にしてほしい。それに「トークのヘタな歌手」は五万といます。差別化するなら狙い目です。ちょっと気をつければカンタンな事なんだし。

あと、自分たちの出る舞台の宣伝を二回しましたが、どちらも「宣伝するのは恥ずかしい事」と考えているらしいのがトークから感じられました。「芸術は宣伝するものではない」と私に言った某メゾソプラノもいましたが、それは間違っています。 良いものは世界に知らせるのがあなたたちの使命なんじゃありませんか?「興味があったら聴きにきて下さい」ではない。「素晴らしいんです」「一生懸命つくりました」「是非来て下さい」と、自信を持って言えないようなものには興味が湧きません。そういう指導をしてくれる人がこの業界には少ないのだろうなぁ、と感じます。松山先生、指導してやって下さい。

あと、ピアノ伴奏の中村文香さんも良かった。美人ですが、だからじゃなくてきっと私生活でも仲良しの三人なんだろう。よく息のあった、力強い伴奏でした。

これからも頑張れ!

私の芸術に着いて来れるの?
花から花へ/アンナ・ネトレプコ

¥2,621
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それぐらい言わなくちゃね!
二期会新進声楽家の夕べににゃー と行ってきました。

場所は渋谷の渋谷区文化総合センター大和田さくらホール(長い名前ですが意味は知りません)


「二期会新進声楽家の夕べ」には一昨年、55期生のを東京文化会館に観に行ったけれど、会場の響きはこちらの「さくらホール」の方が遥かに素晴らしいと思いました。声がよく聴こえる。
その所為かも知れませんが、今回57期は55期よりずっと粒ぞろいで上手な人ばかりでした。
(先々月行った日本オペラ振興会第33回新人演奏会という演奏会などとはレベルが違います)

東京文化会館小ホールって、入ると女の係員がたくさん「写真を撮っていないか」と見張っていてお客様の気分になれないのが不満ですが、今後はずっと「さくらホール」でやって戴きたいものです。



感想ですが、まずこれは「成績優秀者のお披露目」だという事が前半からよく感じられました。
どういう事かと言うと「コンペティション」ではない、という雰囲気が歌手さんから強く感じられるのです。
コンペティションというと今年は全日本学生音楽コンクール声楽部門決勝の横浜市民賞選定員をやらせてもらって、決勝に於ける歌手達の「これが最後の歌唱」「もう次は無い」という緊張感が漲った歌唱を経験させてもらいましたが、その緊張感が圧倒的に少ないのです。悪い事ではありません。余裕を持って歌えるコンサート、ということなのですから。けれども私が感じたのは、そういう「これが最後では全く無い」というコンサートでも「これが私の最高の煌めき、もう明日が来なくても構わない!」という、見ていて聴いていてゾクゾクするような、それこそコンペの決勝戦での歌唱のような歌を私は求めているんだなぁと再自覚したということなのです。何度も書いた事がありますが「まだまだこれからです」という歌唱を聴きたいのじゃない。瑕疵があっても構わないから「これが今の自分の最高の歌唱です」という限界にいる姿を見せて(聴かせて)欲しい、ということなんです。

そういう歌手がひとりいました。

城 佑里(ソプラノ)


もう、圧倒的に他の歌手とレベルが違います。
前半の最後にムゼッタ(ラ・ボエーム)で出てきたのですが、ムゼッタというのは「私が街を歩くと男の人達は私のアタマのてっぺんから爪先まで何度も何度も見るのよ」という、自分が美女である事を自覚している美女な訳で、コケティッシュが服を着て街を歩いているような存在です。その「笑い声」を彼女が演じたんですが、もうそれだけで(一秒)「この人は別格」と観客に思わせるちからがあった。「色気のある大きな笑い声」というのは日本では「女性がするのははしたない」という価値観があります。だからそれができる人というのは非常に少ない。ムゼッタというのはおよそ日本人女性とは遠い位置にいるキャラクタですね。「色気のある大きな笑い声の演技」をする人は宝塚などにはいくらでもいます。しかし「本当にムゼッタの笑い方をする」という人は全然日本にはいないしできない。と思っていましたが、城さんはしました。凄いです。本人にそういう引き出しが無いとできない。(別に本人がそういう高慢な人である必要はありません)

これは期待できる、と思っていましたら、二部の最後から三人目でベッリーニの『清教徒』より あなたの優しい声が を歌いました。ゾクゾクしました。ドライブがかかってどんどん突き進んでクライマックスで完全昇華しました。この日はこの歌にだけ「ブラバ」をコールしました。生涯四回目です。選曲も似合っていたと思います。

ほぼ知っている曲ばかりのオンパレード


二期会モーニングディーヴァ,ディーヴォというコンサートがありますが(下図)これは9月25日がゼッタイお薦めです。(バリトンの杉浦さんも良いです)ただ平日の午前11時からって、いったいどういう人が行くんだろう。(私は行きますが(笑))

城さんは目力もあります


帰り道にゃーとも話しましたが、オペラ歌手って、「持っている雰囲気」がとっても大事です(そこが世界に伍していけるかの分かれ目です)。二期会の会員にはそれが無い人がほとんどで、「ただの歌の上手なキレイなお姉さん」なのです。そういう人は中学の音楽の先生にだってたくさんいました。努力して身に付くものでは無いのだと思う。生まれたときからの才能の一つ、だと私は思います。城さん以外にも、そういう「雰囲気」を持っている人は数人いました。にゃーのお気に入りは宇佐見悠里さん、小松崎綾さんだった。私はベッリーニを歌った神子紗織さんも「これが私の最高の歌」という歌唱をしていたと思いました。ステージで見栄えのする人は、、、私の趣味については以下割愛させて戴きます。

みんな頑張れ!
奇しくも二回続けて四谷区民ホールに行きました。

初めて聞く団体名ですがお目当てはラウレッタ優先生(赤池優さん)です。



ラウレッタ優先生からは曲目を事前に聞いていましたが
「オペレッタならではの、少しコケティッシュなタイプ」とのことで
日本では「コケティッシュ」を「可愛らしい」という意味に誤用する例がたくさんあるので果たして本来のコケティッシュの意味通りの歌なのかな・・・と思いつつ

行ってみたらあれは(カール・ツェラー作曲喜歌劇「坑夫長」から"悪く思わないで")「本物のコケティッシュな歌」で、一応ガールフレンドと一緒に行ったのであそこで「ブラ~ヴァ!」は叫べません汗

続いて後半にデュエット(もうガラじゃなくてリサイタルを聴きに行った状態ですが)では「シットリ歌います」と聞いていたのが(リヒャルト・ホイベルガー作曲喜歌劇「オペラ舞踏会」から二重唱"二人で別室へ行きましょう")、これこそコケティッシュのお手本、なにしろ歌うのは人妻、デュエットの相手はお友だち(同じく人妻)のご主人、歌詞は「ねぇ二人だけでそっと別の部屋へ行きませんこと?」あせる

パンフレットの解説には「もう淫らさの一歩手前でなんとか踏みとどまっているとしか言いようがない」・・・よく書けてます(笑)

これはキャラ的には同じく出演者の菊地美奈さんに歌わせるのが本来の選択でしょうが、それを、あの清純さがジュネビビアンを着て歩いてるような方に、こんな男を誘惑する歌を歌わせるなんて、有り得ないまさかの夢のような舞台を作った今回の演出家は偉かった。

当然、隣で聞いてるGFの手前、聞き終わってすぐに「ラウレッタ優先生ブラ~ヴァ!」とは叫べません汗


というわけで生赤池優さんを拝見して満腹の一夜でした。

オペレッタというのも配役で化けるもんだなぁ、というのが大きな収穫でした。

最後までお読み戴き有り難うございました。


なお、生赤池優さんは直近ならこちらで拝見戴けます。
どうぞお越し下さい。


追記 このパンフレットをよく見たらレハールの「マイネリッペンディクッシェンゾーハイス」を歌う事になってるじゃありませんか!
コケティッシュ路線を突き進むおつもりなんでしょうか。目が離せません。。。


コケティッシュ全開のネトレプコでご覧下さい。
日本オペラ振興会というのは公益財団で
藤原歌劇団の母体のようです。

そのオペラ歌手育成部第33期修了生の新人演奏会というのがあると聞いて四谷区民ホールまで行きました。
東京都に「四谷区」という区はありませんので、実際は新宿区の施設です。


新人演奏会でチケットは3000円もするので二期会の研修所の優秀者コンサートのレベルを期待しましたが、残念でした。この団体の「オペラ歌手育成部」というのはまったく素人の趣味のレベルです。全日本学生コンクールに出てくる学生のレベルにも遠く及ばない。この人達がプロとして舞台に立つ事など有り得ないでしょう。


10人出てきましたが、第一部だけで帰りました。
親戚や友達の盛大な拍手を聞く為にわざわざでかけるようなものではありませんでした。

藤原歌劇団自体には良い歌手もいますが、こんなレベルの団体とは知りませんでした。

無料招待状を戴き、曲目がラフマニノフピアノ協奏曲第2番があったのでにゃーを誘って行ってきました。

東京ガルテンシュタットというのはGartenstadtで、ドイツ語で「ガーデンの町」という意味ですから田園調布のイメージではないでしょうか、大田区だし。



ピアノ独奏は宮木麻衣さん
イェール大学大学院音楽科・修士課程修了とありますから、留学までした立派な経歴の方のようです。

一曲目はメンデルスゾーンの序曲「ルイ・ブラス」作品95





日本のアマチュアオーケストラというもののレベルの高さにびっくりした経験を何度かブログに書いていますが、このオーケストラは改めて「プロとアマの違いとは何か」を考えさせられる演奏です。
別ブログに書きましたが、アマチュアはプロとどこが違うかというと

「自分のすることに責任を持たない」

一生懸命やっているかどうかは基準になりません
一生懸命やっているからという理由で責任を免れる事は無い


このオーケストラは、アマチュアの集まりです。もう、指揮者の指導がどうのこうの以前の問題がたくさんある。アンサンブルは揃わないし、音程は狂っているし楽器ごとの音量がバラバラ、特に金管パートがひどすぎる。無料だから良かろうではなくて、無謀な音楽会です。これを67回もやったなんて、よっぽど寛大なファンがついているのでしょう。一曲目の出だしを聴いただけで、「これでラフマニノフの2番が演奏できるのだろうか?」と、別の意味で期待が高まりました。隣のにゃーをチラ見したら既に目が点になってます。


さて、一曲目が終わって、約300人超は入っている大ホールからは盛大な拍手が!

某女性声楽家に「リサイタル」を提案したら本人にお客を集められる自信が無くて遂に実現しなかったことがありますが、300人ったら、サントリーホールのブルーローズが八割埋まる人数です。それくらい素人でも集められるのに、プロの声楽家が集められない筈は無い。こんなオーケストラでも応援してくれる人がこんなにいるじゃないか。。。

そういう思いを新たにしながらいよいよラフマニノフピアノ協奏曲第2番です。


もう、これは協奏曲じゃありません。
騒音の中をひとり、ピアニストが頑張ってソロを弾いている図です。
音程を外した金管が雄叫びを挙げ、木管のソロは他パートとまったくアンサンブルが合わず、音量は右も左もバラバラで音楽の調和が皆無。ピアニストは耳を塞いでいるのではないでしょうかぁぁぁぁぁ。指揮者はいったい何をしているのか、うーむ、凄い演奏会だ。この映画のコンサートの出だしのシーンによく似ています。



似ていないのは、この映画ではソリストの演奏に引っ張られてオーケストラがどんどん良くなって行く、という感動ストーリーなのに対して。。。以下割愛。

第三楽章の例のティンパニーの「ドーン!」も当然はずし、、、
佐渡裕さんの指揮で見たときはあのタイミングを外しようが無い指揮振りに感動しましたがやっばり難しいんものなんだなぁと再確認しました)


演奏終了後、立ち上がってブラボーを叫ぶ人有り。
こんなオーケストラでも応援してくれる人がこんなにいるじゃないか。。。ファンというのは有り難いものです。ファンを大事にしない音楽家は大成しません。


次回は行かないでしょう。


ピアニストはフリフリの衣装を着ていましたが、歩き方がのっしのっしで、悪口を言うのが目的ではありませんが日本人はああいう衣装を着たときの「歩き方」がヘタな人がほとんど、とヨーロッパ帰りのにゃーが言ってました。(僕が言ったんじゃありません)

最後までお読み戴き有り難うございました。
なんのテーマにしたら良いのか迷いますが
音楽雑感かなぁ。

私はロシア人の声楽家が好きですが、中でも超美人のエカテリーナ・サダヴニコヴァさんとは

リサイタル後に親しくなりまして、キャンディ・クラッシュのライフをやりとりして戴くようになりました。
★キャンディ・クラッシュを知らない方はスルー

オペラ歌手もキャンディ・クラッシュするんだなぁ。。。
当たり前です。同じ人間なの。舞台に立ってるからって、上から目線で喋るような某日本人メゾソプラノもいたが、人間はみんな平等なの。誰でも仲良くすればできるの。(言葉喋れないとダメだが)

人と親しくなれる人だけが、上に行けるんです。

★意味分からないかも知れませんが、もうすぐ(年内かな)公開します。

「モーツァルトの音楽をたのしむ会」第11回レクチャーコンサート
講師:大隅智佳子 ソプラノ
伴奏:神保美智子 ピアノ

というのに行ってきました。なんと1000円。
大隅智佳子さんはNHKカルチャーでオペラ講座を毎年なさってますが、お話の上手な人です。東京藝術大学を首席で卒業した人の頭脳はこういうものか、と関心します。これも才能でしょうか努力でしょうか。

NHKカルチャーは受講料が高くて電車賃も無い身分には敷居が高いですが、それが1000円で聞けるし歌も歌うとなれば盆と正月がいっぺんに訪れたようなものです。



パンフレットと歌う曲目が違って、こうでした。

1.《フィガロの結婚》から
(1)伯爵夫人のアリア<愛の神よ、ご照覧あれ>
(2)スザンナのアリア<とうとう嬉しい時が来た>
(3)ケルビーノのアリア<恋とはどんなものかしら>
2.《ドン・ジョバンニ》から
(1)ドンナ・アンナのアリア<酷いですって、いいえ愛しい人よ>
(2)ツェルリーナのアリア<ぶってよマゼット>
3.《コジ・ファン・トゥッテ》から
(1)フィオルディリージのアリア<岩のように動かず>
(2)デスピーナのアリア<女も15歳になったら>

これを解説しながら90分で全部歌うのです。1000円です。盆と正月が一度です。

大隅さん自身はモーツァルトが大好きだそうで、最初に40分喋りっぱなしになりました。なかなか歌わない。。。(笑)

私自身はモーツァルトは好きじゃないんです。猫も杓子も踊りだす能天気な美しい覚えやすい音楽を書く人、というのが私の評価、詳しくはどうでも良いので書きませんが、そもそもモーツァルトが評価されてきたのは20世紀になってからで、昔から人気があったわけでは無いそうです。みんなが「天才だ天才の音楽だアマデウスだ」というからそんなもんかなという評価になっているのではないか、という気がして、特に私は好きじゃないのです。

そこを突いた講義を大隅さんはしました。

どういう事かと言うと「モーツァルトは単純な登場人物には単純な音楽を与え複雑な人物や複雑な場面で歌う時には複雑な音楽を書いて明らかに書き分けていてその複雑な場面や人物というものを理解して聴くと非常に面白い」

そこまで考えて聴いてますか、という事ですね。

で、そのサンプルとして取り上げて聴き比べさせたのが上記の七曲。凄いとしか言いようの無い歌と解説でした。

ま、聴かずに文章で再現するのはできませんので書きませんが、オペラに詳しい方も、これらのアリアが歌われるシーンを考えてみると新たな発見が有るかも知れません。スザンナのアリアは「本心で歌っているのではない」とか、ツェルリーナのアリアは「男に媚びるのが上手な人は上手に歌います」「私のキャラクタには無い人物なので高校生の時以来17年振りに歌う」とか、あけっぴろげでズバリ分かりやすい解説をしました。年齢が34歳ということまで包み隠さず教えてくれました。(笑)

ソプラノと言っても声質でソプラノ・リリコ(大隅さんはこれだそうです)とか、もっと軽いソプラノとか区分けがあるという事は聞いていますが、大隅さんはそれ以外に「キャラクタが役を決める」という話もしました。声質じゃなくて人物で役がある程度決まる、と。かねがね私は「本人にそういうキャラが無いと歌えない」というレビューを書いてきましたが、歌手さん自身からそう聞いたのは初めてでした。やっぱりそういうものなのだな、と。

「モーツァルトの音楽をたのしむ会」のレクチャーコンサートでこんなに人が集まったのは初めて、だそうです。大会議室という、音楽には向いていない場所でしたが150人くらい参加したのではないでしょうか。モーツァルト好きではない私でも大変勉強になった楽しい催しでした。モーツァルトを聞き直す気になりました。


事務局に連絡すれば次回の催しの案内を郵送してくれます。
公演のお申し込み・お問合せ
電話:080-2243-1254
email: mozart@r-suenaga.com

最後までお読み戴き有り難うございました。
ロシア文化フェスティバル2014 IN JAPANの一環で来日したアーティストのコンサートです。武蔵野市民文化会館まで行ってきました。パンフレットのスケジュール見ると東京近辺で一週間の間に五回公演です。



そういう催しの一環とはまったく知らず、ロシア音楽が好きでソリストがロシア美人↑だというだけの理由で行きました。

このソリストはマリヤ・マクサコワ(Мария Максакова)さんという名前で、パンフレットによるとマリインスキー劇場ソリスト。オペラのスターとしてだけでなく、ファッションモデル、TVの司会者、さらには国会議員と八面六臂の活動をしている歌手。JAZZのCDも録音している。とのこと。

活動の幅の広さは人間の幅の広さと結びつく筈のものですが、同時に「何が専門なんだ」という心の隅でひっかかる事もあります。

ソプラノです。登場したその容姿はパンフレットのおよそ20年後という容貌でした。中目黒に千津子伯母さんという親戚がいますが、よく似てます。(私は57歳です)

YouTubeにありました。

良い時代だなぁ。。。

ハバネラを歌いましたが、弱音の使い方が今までに聞いた事の無いような人で、歌詞の意味に沿って強弱をつけているところはなかなか良かった。「ラムール」を滑らかな弱音でなぞるように歌うのはそういう「色気」が本人に無いと説得力が出ませんが、有り過ぎるほど過剰にある歌手さんです。

カヴァレリア・ルスティカーナから「ママも知るとうり」も歌いましたが、サントッツァは「不美人」でなければ話にならないキャラクタですので、なんか違いました。

オーケストラと入れ替わりに演奏するのですが、これが「ロシア文化フェスティバル2014の演目」だという事の意味がだんだん分かってきました。ロシアのローカルな文化を紹介しにきているのだ。世界に通用するロシアの代表的な声楽家のリサイタル、なのではない、という事です。

ですからロシア民謡のオーケストラ演奏とロシア歌曲、それが白眉です。ロシア音楽が好きな人ならとても楽しめる公演です。演奏者も美人揃いでした。ロシア人ってどうしてキレイな人が多いんでしょうか、、、そんな話はともかく、お目当てのマリヤ・マクサコワの歌で一番良かったのは最後のロシア歌曲メドレーでした。民謡です。ロシアの民謡歌手、と考えれば納得できるが「ソプラノ」と思うと違和感が募る歌手さんでした。

YouTubeにたくさん動画がありました。Мария Максакова で検索すると出てきます。
私の違和感が共有できると思います。

最後までお読み戴き有り難うございました。

※歌手のプロフィール写真は三年以内のものに限るという国際法の立法を求めたいです。国内法でも可。
ローザ・フェオーラ【Rosa Feola】のリサイタルに毎度毎度のにゃーと行ってきました。



イタリア人です。この方はネット上になかなか良い「写真」が無くて、↑チラシの写真も本人の実物とはイメージが違います。

本物はこんな感じ

かなーり、違うでしょ?


これはですね、まだ人物が固まっていなくて激しい成長を続けている反映だと思います。(いい加減な事を想像で言ってるだけですが)

堂々としたステージマナーで、一目で40歳くらいかと思いましたが、歌を聞くうちにその声の若さでだんだん想像値が下がり、肌の艶から32歳まで下がりましたが28歳だそうです。
(出所:本人のfacebookファンページ

武蔵野市民文化会館にはほぼ毎月通ってますが、リサイタルとしては今まででブラボーのかけ声(ほんとはブラヴァ=女性に対して、だそうですが)がもっとも多く飛び交っていました。(そういうお客さんが多かった所為なのかもしれませんが)これで28歳、というのはもう貫禄です。日本人にはいない。技量、態度ともにです。日本に戻ってからたくさんの歌手(声楽家)の歌を聴きましたが、こと、クラシック歌曲とオペラに関してはほとんど桁違いの差があると感じます。28歳でこういう人が出てくるあちらの世界とは体格も態度も日本人にはかなわない。あちらのコンペティションに参加して「私はもう日本でやるしかない」と悟って帰国したという人の話を最近聞きましたが、それはそれで賢い判断だったと思います。日本人は別の土俵で勝負しないとならない。一騎打ちでは勝てない。それが声楽の世界の現実です。

さてプログラムのレビューですが、前半は歌曲、後半はアリアです。

話の腰をいきなり折るようですが、一曲目を歌い終わってから拍手がまったく起きませんでした。これは武蔵野の特徴ですが、どうも「同じ作曲家の歌曲は全曲歌い終わるまで拍手しない」という慣習がこの会館にはあるのです。

前回、エカテリーナ・サダヴニコヴァのリサイタル(2014.2.2)でも同じ事があって、ご本人が「なぜ1曲1曲拍手してくれないのかしら。とても歌いにくいわ」ピアニストにつぶやいたそうですが(今回のローザ・フェオーラさんの話ではありません)、ソナタとか交響曲とか楽曲が三部構成とかになっている場合は拍手しない(理由は以前別の所でながながと書いたので割愛)ものですが、歌曲集から選択されたものを歌うなら拍手すべきです。長い飛行機の旅を経て(ホントに疲れます)日本に来てくれて、リハーサルもこなして、一曲目を初めて日本人に聞かせたのに拍手無し。反応がゼロ。良かったのか気に入らなかったのか、日本人はもともと気持ちを外に現さない民族だと聞いていたけれど、どういう意味なのかしらこれは・・・、という表情をしていました。

それを悟った一部のお客さんは、二曲目からは拍手がパラパラと出ました。ローザ・フェオーラさんは初めて、笑顔になりました。それからは毎曲ごとに拍手が起きて、ブラボーも十人じゃきかないほど出ました。(ほんとはブラヴァ=女性に対して、だそうです)


拍手の話はこれくらいにして、歌は、「これで28歳ですか?」の余裕の技量です。イタリア人だから根が明るさを持っている。そこがロシア人の憂鬱が大好きな私には最高に好きにはなれないところですが、もう、貫禄ですよこの人は。一番良かったのは前半の歌曲でした。この人にあっている。

同じ曲がネットにありました。良い時代だなぁ。こういう歌を歌う人です。

このおじさんのピアノもいいなぁ・・・
もう、貫禄でしょう? 28歳ですよ? 
できますか?

貫禄といえば、あちらの人は「おいでおいで」をするときには手のひらは上を向く事を知ってますか。「カモン」のポーズはひじを突き出して、腕を上方にあげて、手のひらを自分の方に動かします。

しかし、この歌手さんはアンコールの挨拶でピアニストを自分の方へ呼ぶ時に、日本人と同じおいでおいでをしました。(但し、もっと素早い動作でした)

あれぇ、と思っていたら在欧12年のにゃーによると、「あれは幼稚園の先生が子どもを呼ぶ時の仕草と同じ」だそうで、28歳のお姉さんが56歳のピアニストを「おいでなさいよこっちに」をした、「貫禄を見た」ということだそうです。分かる。日本人の態度とはまったく違う。そういう教育を受けていないからな、日本人の女性は。


また横道にそれましたが、歌は、「もうまいった」というしかありませんでした。でも、わたしの好みから言うと、ミカエラのアリアは大隅智佳子さんのほうが1000倍くらい良いです。あれは、声の質なのか、明るいイタリア人にはミカエラは向かないのか(イタリア人でミカエラのアリアが素晴らしいと思ったのはアンナ・モッフォだけ)、不思議なものです。こんなに技量が高くて椿姫の最後の高音も余裕で出してしまう(ホントに余裕で出しました)ような歌手でも、素晴らしく聴こえる歌とそうでもない歌がある。

声楽というのは奥深いものだなぁ、と思う一夜でした。


それでは最後に当日のアンコール曲を。素晴らしい締めくくりでした。やっぱりこの人にはイタリアの曲が合います。まだ28歳。スターダムの階段を昇って下さい。
アウローラ管弦楽団という楽団 (HP はこちら)を初めて聴きに行きました。
予備知識ゼロ。

あまりに素晴らしくて終了後のアンケートに「ロシア音楽をもっとやってください」と書いてしまったら、もともとロシア音楽を中心に演奏する為に結成されたんだそうです。やっぱりそうか、と納得しました。「アウローラ」はロシア語だそうです。

指揮者 米津俊広さん【1972年生まれ=42歳】

曲目
■ A.K.リャードフ 8つのロシア民謡
 聖なる歌
 クリスマスの歌
 憂いの歌
 おどけ歌「私は蚊と踊る」
 鳥の物語
 子守歌
 踊りの歌
 輪舞の歌
■ P.I.チャイコフスキー ピアノ協奏曲第一番変ロ短調
 ピアノ 赤松林太郎

-休憩20分-

■ A.G.ルビンシテイン 交響曲第2番ハ長調「大洋」(原典版)

お分かりのようにオール・ロシアン・ミュージカルピース。(ラブラブ!
素晴らしいです。観客もマナーよく、品位のある人ばかりでした。拍手も上手。慣れてる人ばかりの様子でした。(ディープなファンのいそうな楽団です)

この楽団はですね、まずコンマス(松本美穂さん 女性)が輝いています。出てます、オーラ。(軽々しく使う風潮があって好きではない言葉ですがイメージとしてはこれです)
あとでパンフレットをよく読んだら楽団の創立者だそうです。男性奏者にとってはミューズなんだろう、と思ったらパンフレットにもそう書いてありました

-以下引用-
創立者であるコンサート・ミストレスの強いリーダーシップと、彼女を一方的に慕う取り巻き男性陣の献身的な奉仕によって、これまで6年に渡って活動を維持している。
-引用終わり-

やっぱりそうか、と。(笑)

あとはですね、アンサンブルが、とか、管楽器の一部が、とか、アラはかなりあるんです。と思ったらHPにもそういう事が書いてありました。>プロフィールのページ
自覚はしてるんだな、と。
(余談ですがこの楽団のページはいまどき「フレーム」を使っているらしく、各ページのダイレクトリンクアドレスが取得できないのは不便です・・・メールしとこうかな)

それでもこの楽団の音楽が素晴らしいのは、指揮者の意図が確実に伝わっている、そしてそれを真剣に演奏しようとしている、からです。ぶっちゃけ、スリリングさという魅力にもなっている。ライブならではの音楽。(この楽団は逆に言うと録音向きではないと思います)
ここのところは以前書いた「指揮者とは何をする人か」というブログで言いたかった「失敗」に対して今回は「成功している楽団」としてこの楽団を紹介しなければなりません。楽団はキレるほど上手じゃないけど指揮者の意図が十分に浸透した音楽をやっているから技術的な得点より「目指しているものが明確」という基礎点が非常に高いんだ、ということです。トリプルアクセルができなくても良いのです。

これは、指揮者もいいけど、コンマスのちからだと思います。あの人、オーラ出てますもん。(是非、本物を舞台でご覧下さい)

全曲ロシア音楽の素晴らしい演奏でしたけれど、特筆しなければならないのはピアノ協奏曲です。

ピアニストが良かった~。赤松林太郎さん。HPはこちら。
済みませんが私はお名前を存じませんでしたが有名な方のようです。


ホームページのタイトルが「闘うピアニスト」。。。
一見銀行員かと思いましたが、これでチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番のロシア的ロマンチシズムをほとばしっちゃう(というのは予断が入った音楽の聴き方ですが、実際はたしかに闘う演奏だった)のですからその意外性にも引っ張られて、また指揮者との、なんていうのか専門的な言葉は知りませんが、「協奏というより競奏」がこれまたスリリングで、ライブ感に溢れてて、少しの粗い演奏も吹き飛ばして、涙でました。こういうのを、いつも言いますが「観客を巻き込む演奏」というのです。「魅き込む」よりもっと強い「巻き込む」のです。演奏というのは奏者と観客の一体感で創るもの、ですよ。それがありました。素晴らしいピアニストです。また是非聴きに行きたいです。


それから、今回チャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番のティンパニー奏者がとても良かった。いままで録音では気がつきませんでしたが(よく聴こえないから)、この曲はティンパニーはほぼ出突っ張りの叩きっぱなし、なんですね。その演奏が良かったのです。ティンパニーが特筆で誉められた演奏というと私はバーンスタインの第九を思い出してその他には思い浮かばないのですが、今回の演奏ではティンパニーは特筆です。カルロス・サンタナのギターが売りの「サンタナ」というバンドがありますが、あのバンドは実はタイコが特徴なんですが(他のバンドにはタイコが無い)、ロシア音楽は実はタイコが特徴なんじゃないか(ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番で思い出すのはいつも最終楽章のドーンという太鼓です)と思うような演奏でした。それも、ただ「特徴」なのではなくて「今日の奏者が音楽の印象を決定的にしていた」というものなのです。

あのティンパニーの音は、肉球のあるネコの手で持ったバチでは出せない、固くて強くて思い切りの入った音でした。お名前は多分、廣川めぐみさんのようです。若い女性なんです。小柄な。若くて小柄で強い女性と言うと身近に一人いますが(あだ名を栗といいます=イガがあるけど中は甘い)、良い音楽をしていました。彼女の音楽をまた聴きたいです。

もう一人、私が昨日の指揮者だったら起立させて誉めたいのはクラリネットのソリスト(第一奏者)。自分の音楽をしていました。「巻き込む演奏」をしていました。お名前は、篠原悦子さん(多分)。

総じて、私がロシア音楽が好きな所為もありますが、「今後全部の演奏会に行きたい」と思う演奏でした。
素晴らしい音楽を有り難うございました。
日本のアマチュアのレベルが高い事にあらためて感心した演奏会でした。

最後までお読み戴き有り難うございました。