釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~ -55ページ目

名もない名言


ひと月ほど前、用があって浦安市の新興住宅地に行き、
バスを待っていたら、停留場の時刻表の隙間に
謎の紙切れが貼ってあった。
半分破れていた小さな紙には、手書きでこう書いてあった。


「あなたが嫌がっているその人生を、夢見ている人がいる」


何なのこれ?と思いつつ、この言葉が妙に頭に残っている。

漠然と憂鬱で、鈍痛のような不安があっても、
蛇口をひねればシャワーが出るし、飢えはしないし、暖房も冷房もある。


そんな生活に恋焦がれる人が、世界の大多数を占めているだろう。


「夢見る人」は、間違いなく、未来の自分でもある。
脳疾患で半身不随になったら、ガンで物が食べられなくなったら、
自由に歩いて何でも食べられることに恋焦がれるだろう。
最期に呼吸困難に陥ったら、十分息を吸えさえすれば、
もう何もいらない、と思うだろう。
その瞬間は確実にやってくる。


無常と、足るを知ること、他者を想うことが、
ひとつの繋がりとして感じられた。
この言葉は、一体誰が書いて、貼ったのだろうか?


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知る人ぞ知る?ガンダーラ仏のコレクション(松岡美術館 白金台)

ガンダーラ仏のコレクションがある松岡美術館という
私設美術館を知っているだろうか。

東京・港区白金台の住宅地にあり、白金住民に聞いても知らなかった。

大正~昭和の事業家・松岡清次郎さんが
蒐集した美術品が展示されている。
今日はじめて行ってみたが、なかなかよかったです。空いてるし。


釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~


ガンダーラ美術研究の第一人者、宮治昭先生が図録の解説を書いていて、ツボをおさえたしっかりしたコレクションだと評価していた。


松岡翁が最初に買ったという「菩薩半跏思惟像」(3世紀)は、
いかにもインドの王族という風情のヒゲをたくわえた菩薩が、
物憂げに想いにふけっている。



釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~

お釈迦さまの生涯がを表わした「仏伝図」(3世紀)は、
21場面の浮き彫りで、これだけ揃ったものは貴重だという。

なかでも、宮治先生が注目しているらしいのは、この「仏陀説法図」。
法華経などで、説法するお釈迦さまからビーム光線のように

光が出て、三千大世界の諸仏が姿を現す、

という「光明神変」シーンがあるが、
その大乗美術への移行期とも見える、とのこと。


釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~



同じ展示室には、ヒンズー教の像もあった。

ガラス越しに見える庭には大きなもみじの木があって、
紅葉の時期もよさそう。

http://www.matsuoka-museum.jp/


一時期、シロガネーゼだとかがブームになって、
観光客がやってきたプラチナ通りを少し入ったところだが、
プラチナ通りは単なる通りで、別におもしろくありません。


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NHKスペシャルがオウムを初めてドラマ化

知ってる人は知ってる知ってるかもしれないけれど、
あのNHKスペシャルがオウム真理教を取り上げる。
まずは、今になって火中の栗を拾う勇気に拍手する。
どう描いたって、各所からクレームだの何だのが来るのに
あえて手を出すNHKに、やっぱ受信料は払おうという気にはなる。


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(NHKのHPより)

NHKスペシャル「オウム真理教」(ドキュメンタリー×ドラマ)

5月26日(土) 午後7:30~10:13
5月27日(日) 午後9:00~9:58


番組では、NHKが独自に入手した教団内部の700本を超す音声テープと
元幹部たちの証言をもとに、教団の暴走への軌跡を初めてドラマ化。
さらに死刑判決を受けた元幹部との手紙のやりとりや、警察関係者へ
の徹底取材によるドキュメンタリーで、世界初の化学テロ「サリン事件」
がなぜ起きたのか明らかにする。
国内外から今なお注目を集め続けるオウム真理教の事件。
その「闇」に光を当て、後世への教訓を導きたい。

http://www.nhk.or.jp/mikaiketsu/file002/index.html


釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~


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これは、ドキュメンタリーとドラマがミックスされた番組で、
ドラマ部分ではNHK記者の役を萩原聖人、
「教団初期からの古参幹部で、 これまでメディアの取材を
受けていなかった」女性の役を富樫真。
出た、富樫真!
東電OL事件をベースにした園子温監督の映画『恋の罪』で、
狂ったインテリ売春婦の役をやった女優さんだ。
この人をオウム幹部に持ってくるのは、かなり楽しみ。


もうあれから、17年も経ってしまった。
あの当時の「オウム(笑)」な感じは、覚えているでしょうか。
たくさんの方が亡くなったり被害に遭われた中では、
もはや描くことも難しいでしょうが。
あの「ショーコーショーコショコショコショーコー」という笑うしかない歌、
変なお面をかぶって踊る女性信者軍団、安っぽい布教アニメ、

ハリボテなヘッドギアや汚いサティアン、イケメン・美女の幹部たち、

TV放映時間中に刺殺された幹部、仏教風味のオカルト、チベット密教ブーム、
サブカルチャーの末路のインチキさと、被害の悲惨なリアリティ・・


それらの”面白さ”に視聴者(私もね)は、魅了され興奮したのだった。


森達也監督がオウムに迫ったドキュメンタリー映画『A』『A2』
はご覧になったでしょうか。とても美しいシーンもありましたよ。




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