「聖☆おにいさん」4巻が出た。爆笑
マンガ「聖☆おにいさん」の4巻が出ました!
ブッダとイエスが、休暇で地上に降りて、
中央線沿線のアパートでゆる~く暮らしているというお話。
これが、本当によくできていて面白い。
仏教のことをちゃんとわかって書いているから素晴らしい。
<4巻で面白かった名脇役の人たち>
・洗濯物を雨から守るムチャリンダくん
突然の雨で、ブッダが全力疾走でアパートに帰ったら
コブラのムチャリンダくんが、洗濯物を雨から守っていた。
→釈迦が菩提樹の下で瞑想していたら、激しい雨が降り始めた。
大蛇(コブラ)のムチャリンダくんは、釈迦のカサがわりになって、
7日間、雨から守り続けた。
・敏腕マネージャー風の梵天さん
スーツを着たサラリーマンふうの梵天さん。でもロン毛。
ブッダの書くマンガ原稿(「R2000」の連載)を取りにくる。
→釈迦は悟りを開いたあと、梵天さんに「それ、みんなに広めたら?」と
すすめられて教えを説きはじめた。
・踊り狂うモッガラーナくん
近所の盆踊りで、アヴァンギャルドに踊り狂って、
周囲をドン引きさせるブッダの弟子。
→釈迦の10大弟子のひとりで、餓鬼道に落ちた母親を救い出しとされ、
「お盆」「盆踊り」の起源になった(盂蘭盆会経)。
・「ネタばらし魔」のイエスのお父さん
イエスのお父さん、つまり神。
「ハルマゲドン」という、この世界の「オチ」を言いふらして、
周りをガッカリさせたり怖がらせたりした。
お寺のお坊さんたちに好評だそうですが、お坊さんなら大爆笑でしょうねえ。
インド六派哲学1
印度六派哲学ー1
木村泰賢著作集2-1
ウパニシャッド(BC8~BC6ぐらい?)で
哲学的考察の時代に入ったインド。
その後、200~300年のあいだ、諸派の哲学的潮流が興る(学派時代)。
必ずしも自然発生的でなく、組織者がいる。
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1 (前)ミーマンサー派 組織者ジェイミニ
2 後ミーマンサー派(またはヴェーダンタ派)組織者バーダラーヤナ
3 サーンクヤ派(または数論=すろん=派) 開祖 カピラ
4 ヨーガ派 開祖パタンジャリ
5 ヴェイシェーシカ派(または勝論=かつろん=派) 開祖カナーダ
6 ニヤーヤ派(または正理=しょうり=派) 開祖ゴータマ
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BC4,5CからAC4,5Cまでかかって体系化されたものもある。
仏教の資料の中に散在するが、組織だって6派が論じられてはいない。
14Cごろに、6派を一群として捉える文献が出てくる。
その理論系統をざっくり言うと3つに分かれる
1 (前)ミーマンサー派 =梵書にもとづいて祭式を神学的に研究(哲学ではない)
2 後ミーマンサー派(ヴェーダンタ派)=奥義書に基づいて梵教を組織立てようとする
3 サーンクヤ派(数論派)=形而上的原理の理論
4 ヨーガ派 =その実践法
5 ヴェイシェーシカ派(勝論派)=自然に関する理論的研究
6 ニヤーヤ派(正理派)=論理的方法論
有情観・・・有情(人間などの生命)の本性は常住不変の霊体だが、
迷によって変化流転の分裂体となった、この分裂の当体を脱して、
自主独立の霊的境地を開拓しよう、という根底は6派とも同じ。
いずれも厭世的、肉体を精神の牢獄と見る傾向。
本体観、宇宙観など、各派に共通や相違がある。
インドで仏教復興中?
朝日新聞(09年10/16)にこんな記事が載りました
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インドで多数派を占めるヒンドゥー教を捨て、他の宗教に改宗する動きが広がっている。
ほとんどは、ヒンドゥー教のカースト制度の中で
「不可触民」として虐げられてきた最底辺の人たち。
ヒンドゥー教が長年、差別的な構造を放置してきたつけともいえる。
天幕が張られた広場を中心にマハラシュトラ州ナグプール中心部の一角はこの日、
仏教に改宗する人と祝福する仏教徒ら推定80万人で埋め尽くされた。
順番に改宗の儀式を待ち、仏教徒になった証明書を受け取る。
改宗式はこの広場で56年に50万人の不可触民を率いて仏教に改宗した
インド憲法起草者アンベードカル元法相にちなみ、過去10年以上、
この時期に開かれている。この3日間の期間中に、5万人以上が改宗した。
集団改宗を率いるのはインドの国籍を得た日本人僧侶でインド仏教会の最高指導者の一人、
最高指導者の一人、佐々井秀嶺師(74)だ。
「改宗者は私が立ち会っただけで300万人から400万人。
全国に仏教僧がおりそれぞれ改宗式をやっていると考えると
1億人を超えたのではないか」という。
「インド文化を信じる者は仏教徒であろうと、何であろうと皆ヒンドゥーなのだ」
仏教への改宗に対しヒンドゥー主義者は表向きは静観の構えだが、反発は渦舞ている。
仏教徒の人権擁護団体「全インド法兵軍」によると、仏教寺院が破壊アンベードガルインドで仏教復興されたり、
村人が仏事の最中に襲われたりする例は年間100件を越す。
法兵軍幹部のバイヤジ・カイカル氏は「仏教をヒンドゥー教の一部だと主張することで、
改宗後も差別構造を温存しようとしている」と非難する。(以下略)
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インドが、せっかく生み出した仏教を捨ててしまったのは
とっても謎だ。いずれちゃんと勉強したい。
13世紀にイスラム教にのっとられて滅亡、
というだけではないような気もするのだが・・。
それだったら、もう少し早く仏教が復興してもおかしくない。
インド人の多くにとって(上の3階層にとって)、
カースト制が実は居心地よかった、ということもあるのだろうか?
仏教復興運動のアンベードガルが書いたブッダの本が
去年かおととしに光文社新書(!)で出たので読んでみた。
それほど感動はしなかったけど・・。
あと、今の仏教復興の中心人物が日本人・佐々井秀嶺師
だというのも、すごいことだ。
この人のことを書いた本も光文社新書から出ている。
なにげにマニアックな仏教本が出ている光文社新書。
編集部に仏教徒でもいるのだろうか?


