今日はWSJよりこの記事。
Lifting the Veil on Pricing for Health Care アメリカで病院にかかる場合に、医療費が幾らぐらいかかるのかウェブサイトで概算を提示してくれる機関(保険会社)が増えてきているという記事です。
アメリカの医療費は日本人の感覚からすると有り得ないぐらい高額です。つい先日も2人の子供が体調を崩し、近くのクリニックに行ったところ、インフルエンザを含め複数の病気の検査をチェックしてもらったようですが、2人で800ドル程請求され、その高額ぶりを身をもって実感したところでした。
アメリカの保険制度は国民皆保険ではなく、民間の保険会社が提供する保険に各人が加入するという制度で、私は現在、勤務先が斡旋してくれたUnited Health Careという大手の保険会社の保険に家族で加入しています。保険料は月400ドル程度給料から天引きされているんですが、その保険の内容というのは日本とは若干異なります。
アメリカの医療保険には、Annual Deductibleという項目があって、これは医療費がこの金額に達するまでは全額自己負担になりますという意味です。例えばこのAnnual Deductibleが1000ドルに設定されていたとすると、医療費が年間で1000ドルに達するまでは全額自己負担ということになります。
そして、そのDeductibleの金額を超えて医療費が発生した場合に初めて保険が適用され、日本と同じように医療費の2割とか3割の負担ということになります。
さらに、通常Out-of-pocket maximumという金額が設定されており、これは自己負担の金額の上限を意味します。
細かい規定が色々あって詳細は把握できていませんが、アメリカの保険を選ぶ際に要チェックなのは、①annual deductibleの金額、②annual deductibleの金額を超えた場合の負担割合(又は負担額)、③out-of-pocket maximumの金額あたりだと思います。
加えて、保険によっては診察を受けられる病院が限られていることもありますので、この点も要チェックです。
個人的な感想としては、①のannual deductibleの金額をある程度まで下げないと、普通に生活している限りではそんなに病院にかかることもないわけで、結局は全額自己負担になってしまうことが多い気がします。ただ、逆にannual deductibleの金額を下げすぎると毎月の保険料がかなり高くなってしまい、これも厳しいです。
アメリカ人はかなりの割合の人が保険に加入していないそうですが、この金額を見せられるとそれも頷けます。日本では、法律事務所に相談に行くのは敷居が高いという感覚を持つ人が多いと思いますが、こちらで病院(クリニック)に行くのはそれに近い感覚があるように思います。
上記WSJの記事では、想定外の高額な報酬を請求されるということがないように、費用の概算も見比べながら病院を選びましょうと書いてあります。こちらの医療報酬は医者によってまちまちなので、同じサービスを受けても値段が違うということは普通にあるようです。今回の診療も病院を選べばもっと安く済んだのかもしれません。次回はこれを教訓に慎重に病院選びをしたいと思います。