7月15日、出発日の日中にシンガポール航空(SQ)から電話が入ってくる。
「あの書類、この書類、準備されていますか?」
タイに入国するのに今回は色々な書類が必要なことは前回のブログで紹介している。
通称サムイ・サンドボックスは7月15日から始まるので、SQとしても新ルールで初パッセンジャー。
何の書類が必要なのかを事前にチェックする必要があった。
書類不足や間違い書類、搭乗手続きのミスで乗せてしまうと、ペナルティーはその航空会社が負うことになる。そのため、彼らはバンコクへ電話をして確認をしてくれている。
SQ635 羽田22:25発の2時間前には羽田に到着しSQのカウンターに向かう。
それこそ1年半振りの羽田国際線ターミナル、異常に閑散としている。
列のないビジネスクラスのチェックインカウンターに誘導され、カウンターに向かっている途中でカウンター内の男性スタッフから小生に向かって名前で呼びかけてくれて驚く。
まさか面が割れている?
その彼、日中にバンコクまで確認をおこない小生まで電話をくれた人物。
必要書類を提示し、彼は他のカウンタースタッフと共に繁々と書類の確認を行う。
小生、彼らに何故シンガポール・バンコク経由でサムイにシンガポール航空を選んだのかを説明する。
これほど静かな羽田空港を見たことが無い。
セキュリティーチェックには2レーンに僅か数人が並ぶも、出国手続きには列無し。
中に入ると免税店を含む開いているショップもバーカウンターも何も無い。
未だにこの状態、悲しくなります。
何時ものラウンジだけは開いていて時間を過ごすが、スナック類は無く限られたドリンク類のみ。
機材はA350-900のシンガポール線なので300席以上はあると思うが、搭乗客はかなり少ない。
20人程度か、30人はまずいない。
SQに乗るのも暫く振りだが、機材は新しくやはりサービスは良い。
Care Kitが配られたのはさすがにこのコロナ禍らしい。
客は少なく余計なコストも要するのに、運航を継続する航空会社にはまったくもって感謝!
それにしてもSQの機内エンターテイメントのクラシックコレクションは充実している。
中道郁代さんのショパンはワルツを聞きながら眠りに陥る。
シンガポールに着くとトランジット客はブリッジで待たされ、出そろったところでトランジットエリアにまとまって移動。
さすがシンガポール、同じフライトの客の殆どがトランジットでした。
トランジットエリアはかなりのスペースを取っていて、既に多くのトランジット客がいて、更にまた集団でやってくる。
実は、困ったことに長袖のものを忘れてきている。
シンガポールは寒い。
機内は毛布を被っていたが、トランジットでは長時間寒さに震えていて、おまけに空腹、眠ることもできなかった。
そして夜が明け、早朝便から集団で乗継便のゲートに移動していく。
その流れ、非常にスムーズ。
4時間半ほどのトランジットを終えバンコクへ。
この便もA350-900だが、東京よりは少し搭乗客が多いようだ。
ようやく機内食にありつける。とはいえ軽食。
薄い木製の食器にはなれるしかない。
この後、夕方まで何も口に出来ないことになる。
タイへは1年半ぶり。
ついつい下界をジックリと見つめてしまう。
最後のタイは20年2月のブンカーン。
それはこのブログ、知られざるブンカーン5回シリーズ、で紹介済み。
https://ameblo.jp/nezumiippiki/entry-12579175933.html?frm=theme
スワンナプーム空港のあちこちの隙間ラインにタイ航空の機材が一列に並んでいる。
悲しくなりますね。
到着はEコンコース。
少ない発着数で一か所に集中してハンドリングしているようだ。
いよいよ検疫と入国手続きが始まる。
機外に出たところにバンコクエアウェイズ(PG)のスタッフ2名が小生を待ってくれている。
その彼らに付いて検疫へと向かう。
サムイ空港は小さいながらも国際空港だが、バンコク経由の場合、検疫・入国手続きはバンコクで行う。通常であれば、列を作るような人数がいなければ、15分もあれば十分に済んでしまう行程だが、今回は1時間半近くかかっている。
通常よりもチェックポイントが多く、それぞれで確認する書類が多くなっている上に、サムイプラス開始から2日目、今日は小生1名が初めてで、全てのスタッフが不慣れな状態。
それぞれのポイントの間を行ったり来たり、そして待たされたりで。
検疫ではPCR陰性証明書はサムイまで持参と思っていたら、小生の場合はバンコクで抜き取られ、それは違うだろうと聞くも、違うここです、と返事され次のポイントで書類不足を指摘され、戻って結局それを返してもらう、ということもあった。
入国審査の事前チェックポイントでは、あなたの名前が今日のリストに載っていない、と。
最終の入国手続きでまたまた待たされ、本来であればCOE(入国許可書)記載の内容は事前に来ているはずだが、PGのスタッフも現場で動いてくれているが、結局何の書類が不足しているのが解らず仕舞い。話の内容からしてサムイのホテルの領収書を見せて、最終的に入国スタンプを押してもらっている。
あれから一月経っているので、もうこんなことはそんなことは無いと思う。
もしトラブってもだ、慌てたり怒ったり不安に思うことは無い。ここはタイだから。
入国審査を終え前に進もうとすると、今きたコンコースDに戻れという。
小生を含むリピーターの方なら、そこでコンコースABCの交差点に進みAかBのゲートに行くのだろう、PGならラウンジが使える・何か食べられる、と思うはず。
が、それは簡単に裏切られた。
本来のメインの入国審査場前を通り過ぎてSANDBOXのサインを出したゲートが見えてくる。
そして、そこに入れ、時間になったらPGのスタッフが来るから、と。
ここに来てついにSandboxの何たるかを理解する。
Sandboxは砂場の他にIT用語として、外部と遮断する場所の意らしい。
要は隔離boxのこと。
そこは通常の搭乗ゲート。
セキュリティーチェックを受けて中に入ると何処にも出られない。
例によって、寒いしお腹はすくし、2時間この中でただジーっと待つしかない。
空港のセキュリティーらしき数人が、小生が持参している入国関連の書類を見せてほしいとやってくる。
彼らもサンドボックスに入る、サムイプラスの必要書類を見たことが無いということだ。
日本のバブル方式は穴だらけと言われているが、それは羨ましい。
サンドボックスは、ワクチン2度接種済み陰性の外国人のみが入るボックス。
一般出入国者とは全く接触のしようがない。
通路ですれ違うことも、日本で指摘されたトイレが一緒になるということもない。
搭乗時間が近づきPGのスタッフがようやくやってくる。
そして、必要なアプリをダウンロードしたかと、大きなサインボードを示して確認される。
必要なアプリは3つ。
1.Thailand Pass
2.Samui Health Pass
3.Mor Chana
1. は昨夜入れられたが、2.と3.出来ず。
そこで再度挑戦で2.は出来たが、3.はスタッフに手伝ってもらっても出来ず。
そもそも何のためのアプリかわからないので、マァいいか。
それにしても、搭乗時間になってもゲートには小生以外の搭乗者は現れない。
結局、この日のフライトは小生一人のための貸切り便となる。
駐機場に向かう例の大きなバスにも小生一人。
客は1人、旅客機は軽々と上空に舞い上がる。
PGの機内サービスは他より良いことで知られ、身近なフライト時間でも軽食は出る。
が、衛生管理を理由に何も出ない。
寒さと空腹に耐えていただけにショック!
PGのバンコク・サムイ間は彼らの通常としてよく間引き運転をする。
その経験をされた人もいると思うが、乗客の少ない便を、2便を1便にしたり、前後3便を1便にまとめるなど彼らは平気で行う。
日に3便しか設けていないSandbox専用だからなのか、とも思ったが、サムイについてその理由が分かった。
サムイに到着してバスを降りると、到着客を待ち受ける人たちが何人もいる。
到着客は小生一人なのに?と、突然Mr. 〇×△と声をかけられ驚く!
待ち受けてくれていた人たちはタイ政府観光庁(TAT)の副総裁(後で分かりました)とサムイのTATのスタッフたち。
驚いて思わず、申し訳ありません、今日日本からは僕一人です、と詫びの挨拶。
体温検査に、アプリを確認するカウンターでバンコクでできなかったアプリを教えてもらいながらダウンロード。
到着ロビーに出ると、ホテルの送迎車が待ってくれている。
TATがギヴァウェイをデスクに並べて挨拶してくれるので聞くと、今日到着のサムイプラス客のため。
ではその一つを有難くいただく。
中身は時節柄衛生キット。
他の客は、おそらくプーケットからの便とバンコクからの夕方便かと思う。
つまり、サムイプラス開始で1年半ぶりの外国人ツーリスト到着のセレモニーの
日で、だから1名しか搭乗客がいなくてもキャンセルが出来なかったのだと思う。
出迎えの人たちは他にもいて中にはメディアもいたようで、小生の到着もニュースになっていた。
東京~サムイは予想以上に辛い行程であったが、小生一人のために旅客機を飛ばしたのだから
良しとしよう!
次回は滞在編