独立士業が借りに行けるたった2つの先
「お金を借りるといっても。どこにいってどう借りればいいのかわからない」といって相談されることが少なくありません。
事業を行っている人ならともかく、一般の方は住宅ローンぐらいしか大きなお金を借りることはないでしょうから、わからなくて当然です。
多くの方は、まず近くの銀行に行かれますが、銀行にいきなり行って
「すみません。士業で独立するのですが、開業資金を貸してください」
といっても、ほぼ絶対に貸してくれません。
「すみません。融資取引からはじめるというのは、当行ではおこなっておりません。まず、取引をはじめていただく、半年ぐらいたってから検討させていただきます」
と断られるのがオチです。
それでは、どこに行けば独立士業はお金を借りることができるのでしょうか?
それは2箇所あります。
一つは「日本政策金融公庫」、もう一つは「信用保証協会」。
この2つの機関は政策的に「独立開業」「創業」を方々にお金を貸すための融資制度を持っています。
独立開業前や開業当初の士業は、このどちらかに行く必要があります。
資金が必要な場合は、まず、「日本政策金融公庫」「信用保証協会」に相談に行かれることをお勧めします。
以前はそうでもなかったのですが、最近は丁寧に応対してくださるので、しり込みせずに相談に行かれたらいいと思います。
紹介してもらいたい顧客像を具体的に示す
「誰でもいいので」「お客さんになりそうな人がいたら」紹介してほしい、と言うだけでは、依頼された方もどんな人があなたのお客さんになりそうなのかよく見えないだけに、誰を紹介してよいのか困ります。紹介者があなたの要望を聞いたとき、深く考えることなく「あの人を紹介しようか」とすぐ誰かを思い浮かべるような状態になるのがベストです。
紹介先を名指しすると話が早く、紹介者もラク
紹介者が「ああ、あの人ね」とすぐに思い浮かべられるのは、相手先を具体的に名指しされたときです。「今度、あなたの取引先の○○さんを紹介してもらえませんか」「○○さんとお知り合いなんですね。紹介してもらえるとうれしいのですが」と名前や社名をハッキリ言えば、イエスorノーですぐに返事してもらえるでしょう。
相手の話をよく聞けば、名指しする先が見つかる
とはいえ、紹介者の知り合い全員をあなたが把握しているわけではありません。普段から相手の話をよく聞き、話題にのぼった会社が顧客になり得るか考えるクセをつけましょう。私が前職の金融機関の渉外担当だったとき、取引先の経営者に「先日ご提出の決算書に○○社さんが載っていたのですが今度ご紹介くださいませんか」とよくお願いしていました。名指しですから返事も早く、また、たいていはスムーズに紹介してもらえました。
とくに名指しする先がなければ、業種、会社規模、設立年数などを具体的に
知り合いの税理士に、「建設業で、一人親方で、帳簿付けが苦手な人がいれば紹介してください」と言われたことがあります。たまたま以前取引のあった建設業の元請と会う機会があったので、その希望を言葉通りに伝えたところ、「うちの下請はそんな所ばかりだよ。紹介してあげるから今度その税理士さんを連れておいで」と言われて両者を引き合わせたことがあります。結果、その税理士は一人親方ばかり10件の顧問先増。このケースのように「業種」「規模」や、必要なら「設立年数」などを示すと有効な紹介が期待できます。「従業員数名程度で独立3年以内の飲食店」「業種も年数も問わないが従業員数50名以上」など、自分の目指す仕事スタイルに合致した顧客像をイメージしましょう。
税理士が価格競争から抜け出すために
銀行同行税理士の本来の目的は、「より高い付加価値を顧客に提供し、提供した付加価値に見合う報酬をいただくこと」。
現在、税理士の平均顧問料は月3万円を切っていると言われている。
一方、コンサルティング機能を提供できている税理士の顧問料は10万円を超えているという状況もある。
今もっている顧客層を少しずらすだけで、コンサルティング機能を求めている顧客を見つけることは難しくない。
実際に、「資金調達に強い」「毎月、銀行に同行します」といい続けているだけで、コンスタントに新規先を獲得している銀行同行税理士もいる。
大事なことは、顧客層をずらす勇気をもつことと、そのことをターゲット顧客にアピールすること。
うまくアピールできれば、今までとちがう顧問料がいただけるように変わってくる。