昔の話なんですけど、「マトリックス」(1999)のレビュー記事を上げた時にありがたいことにコメント頂きましてその内容が
「モーフィアス!」
とあったので僕も嬉しくて
「ああ良いですよねモーフィアス!」って吹替の魅力まで返したら
何もなかったことがあります。
どうもニールです!なんだかんだで100本目ですか。続けてみるもんですね笑 まあ死なない限りはどんどん記録したいと思っているので今後ともよろしくお願いします!
この際なんでこれまでのマトリックスシリーズの記事、貼っときます笑
というわけで皆さん、もう見ましたか?「マトリックス レザレクションズ」
かつて人類対機械の戦争を終結させ、そして死んだはずのネオ(キアヌ・リーブス)は何故か、まだ仮想空間マトリックスで生活していた。しかし、バッグスやその他の仲間たちとの接触により新たな戦いに身を投じることになる。
原題: The Matrix Resurrections
全米公開: 2021年12月22日
日本公開: 2021年12月17日
上映時間: 148分
製作国: アメリカ合衆国
監督&脚本&製作: ラナ・ウォシャウスキー
脚本: アレクサンダー・ヘモン、デイヴィッド・ミッチェル
製作: グラント・ヒル、ジェームズ・マクティーグ
撮影: ダニエル・マッサーセシ、ジョン・トール
音楽: ジョニー・クリメック、トム・ティクヴァ
編集: ジョセフ・ジェット・サリー
出演: キアヌ・リーブス、キャリー=アン・モス、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、ジェシカ・ヘンウィック、ジョナサン・グロフ、ニール・パトリック・ハリス、プリヤンカー・チョープラー・ジョナス、ジェイダ・ピンケット・スミス、他
さあ、そろそろサボれないなということで始めていこう。
日本先行公開ののちに世界でも見られるようになり…その結果、世界中で賛否真っ二つに分かれているようですね。僕の周りでも嫌いな人はとにかくクソ味噌でして、鯖味噌が量産できるくらい酷評している有様です。
まあ、無理もないと思います。いわゆるアクション娯楽大作を期待していた人、あの伝説的な一作目に並ぶ映像革命的なものを期待していた人にとってはまあ大方肩透かし、あるいは悪い意味で裏切られた気分なのではないでしょうか。
じゃ、自分はどうだったかと言うと
まあ予想は裏切られましたが、
間違いなく
支持派、賛でございます。
過去作視聴済みの人ならわかると思うのですが、「マトリックス」って綺麗に終わったじゃないですか。
でも、元々続編の話というのはずっと前からあったにはあったんですね。その度にウォシャウスキー監督と僕は
「できるわけねえだろ、たぁわぁけぇ!」
と言ってたんです。
さらには、これは最近ですがウォシャウスキー監督たち抜きでリブートの計画もあったそうです。この時にもファンと僕は
「できるわけねえだろ、たぁわぁけぇ!」
と言ってたんです。
はいきたよリブートぉぉぉ!
あるいは「懐かしいな」戦法!
ミスターエアアンダーソォォォォォン!!!
ふう。
あ、ごめんなさい。つい言いたくなった。
とにかく、アクション未経験でも十分なアクションを見せたコーディネート力、バレットタイム筆頭の映像革命、発明時こそ驚き、賞賛は浴びました。でもそれから派生した演出、技法が量産され当たり前のようになった(十分すごいことですが)現代で同じことを「懐かしいだろぉ?
ワイルドだろぉ?」ってやっても、まあスベるでしょうよ、と。
さらには中2病だけでなく、陰謀論者に完全に不当な扱い、流布のされ方をする事態も現実で生み出してしまうほどの影響力もあり。(Qアノンのこととか)これにはウォシャウスキー姉妹も怒ったり。
僕は熱烈なマトリックスファンではないけど、正直年季の入ったネオやトリニティ、もう一回観れるのならそりゃ嬉しいし多少は面白くなるとは思う。
でもどうやって…?
つーか、それ以前に
2人(ネオ、トリニティ)とも死んでるやないかい汗(あ、過去作見てない人すんません汗)
だから2年前、続編製作決定のニュースが出た時は「何⁉︎ウォシャウスキー、やる気になったのか⁉︎」とね「シンエヴァ」に動き出した庵野さんに歓喜する布陣の如く騒いだわけですが。悪い意味ではなく。
だってですよ、18年ずっと「作りましょう!」って言われるたびに「いや、あれは終わったんだ」と断ってきたわけですよ。そして両親の他界。なんの考えもなしに急にやる気になって、ただの同窓会映画を作るわけがないと元々思っていたので、心してその時を待っていました。
そして迎えた本編、
物語はかつてのマトリックスに繋がっているのかどうか、よくわからない形でゲームクリエイターとして新作のアイデアを模索中のトーマス・アンダーソン(キアヌ・リーブス)の物語から進んでいきます。そこではメタ的な演出、過去作の映像の流用などを経て、「マトリックス」三部作とは一体なんだったのか(伝えたかったことと受け手が感じたことの違い)という問いかけ、そして今回の映画で何をやろうとしているのかのヒントを出していきます。初見時は「これ、どこへ向かうんだ」という高揚感とそこに見え隠れする不穏さが前半ずっと続いていました。
今作での過去作を思わせる演出はどれもエモさよりどこか皮肉のようなものを感じさせつつも、誠実ゆえに過去作で出した結論を覆したり、新しい意味を見出したりしていました。ここも好き嫌い分かれるポイントだと思いますが、「なるほどそうきましたか!」となる人もいるかと思います。
シリーズ中にも前例や既存の事実を覆し続けてきた「マトリックス」だからこそ出来た新しいストーリーテリングを観れることでしょう。
約20年前、本当に伝えたかったことを改めて提示しよう、と。だからこそ過去作の映像比較やストーリーをなぞることが必要だったんだ、と。
そこからは僕はどんどん渦にハマった次第です笑
個人的に印象深かったのはトリニティの立ち位置の見直しですね。救世主、何かの象徴を育て上げる女性の意義の再解釈という点では「ターミネーター: ニュー・フェイト」のサラ・コナーにも共通していると思います。これまでも闘う女性の代表格、そしてネオの導き手として支持はもちろんされてきたけれども、今作でこれまで以上に、キャラとして深みは増していました。ネオの恋人としてのトリニティの描写って結構突拍子なところがあった印象だったんですよね。「え?どこでネオに惹かれたん?これが現実なら俺も苦労しねえんだけどn…殴」
それが、今回トリニティもまたネオのようにある種社会の定められた位置から突き抜け得る存在であり、今ある力に抵抗しようともがき生きる1人の人間なんだということが丁寧に見せてくれました。
だからこそネオとトリニティを中心としたクライマックスは終始、胸熱でそしてロマンチックでした。
ついでっぽくなっちゃいますがそれは
モーフィアス、エージェントスミスも同じくです。
キャスト、いや個体の姿、セカイがいくら変わろうとも本来の繋がりや意志こそが、限界と思われた世界を、現実を変え得るんだというラナ・ウォシャウスキーの信念がひしひしと焼き付いていました。これが本当に「マトリックス」で伝えたかったのだな、と。輪廻転戦を描いた「クラウド・アトラス」を作り上げ、性転換手術も経験したウォシャウキー監督ということもあり説得力も伊達じゃないです。そしてバーチャルも当たり前となり、「バーチャルでも幸せならそれで良くね?」という考え方も決して少なくない「今」だからこそできた「マトリックス」だと思いました。
パンフレットを読み返してみると気づかないようだけど挑戦的な作り方をたくさんやっている一本でもあることがよりわかりました。
わかりやすいところで言えば、
画面が緑色してない。(ざっくり)
緑もところももちろんありますが、即興的なものに頼ることが多かったんです。つまりは自然光を使うことでさして現実と見分けがつかないくらいにまでなったマトリックスの世界観に一役買っていますし、「ジョン・ウィック」を経たのもあり、あえてのアナログなアクション演出も豊富です。とあるところから飛ぶシーン、あれCGじゃなくて実際にやってるんですね。初見でも
「え、これもしかしてマジでキアヌたちがやってんのか⁉︎」とはなりましたが、あれはドキッとしましたね。あとサンフランシスコの町を封鎖して撮った何者(これは黙っておきましょう)かから逃げるバイクシーンもなかなかの見ものでしょう。ぜひ見ていただきたいです。「これ、マジでやったのか…!」となってもらえたらと思います。
まあそれでもあれだけ一大ブームを巻き起こした「マトリックス」の新作として期待するような群を抜いてというような新鮮で目立つような映像表現が見受けられないのは認めざるを得ないですね。(新キャラはみんな頑張ってたぜ!)中盤の現実世界の機械達や街の風景、あの戦い以降の世界を描いてるのは僕が思うに、申し訳程度のウォシャウキー監督によるサービスですね笑 全て意味がないわけではないですが、あそこで時間帯によってはウトウトするかもわからない。
俺は2回見てそんな風にはならなかったぞ!
一回しか。
そんなところもあってですねやっぱりシリーズへの想いが違ったりで「こんなのマトリックスじゃねえ!」となるかとは思いますが、僕は確かに今だからこそ作れた「マトリックス」と感じました。
なかなか野心的なストーリーだし、確信犯だと思います。批判覚悟で監督も作っているところがガッツを感じました。
だったらね、俺はなおさら支持しちゃいますよ笑
そんでもってね、リブートに逃げず(という言い方は乱暴すぎるかもしれないけど笑)このコンセプトの続編にゴーサインを出したワーナー・ブラザーズも僕はナイスだったと思います。イーストウッドやヴィルヌーブ、ノーランに加え、最近のDC映画も含め、失敗しつつもクリエイターの創造性を重きに置いているのがかなり好印象です。ただねちょっと文句言うとね、
「三作目の続編ではなく、一作目から続く物語である」って言う宣伝文句。あれはやめなさい。どう考えても三部作の知識必要だから!汗
これが終わりになるか、また新たな始まりになるかはわかりませんが、一度閉じたと思われた世界を意味を成して蘇らせた野心的でシニカル、でもちゃんとエモい一作です。好き嫌いは分かれますが!
身を任せて、ぜひ見ていただきたいです。
最終評価は89点です。
最後まで読んでいただきありがとうございます‼︎
では次回は「最後の決闘裁判」のレビューでお会いしましょう!

















