后前弐時のブランチ -3ページ目

后前弐時のブランチ

少し特異な体験を中心に書いています。
背中がゾクッとするのが苦手な方は片目で
読む様にして下さい(笑)

そろそろ春の怪談も終盤です。


もう真夏ですし、仕方ないですね…(笑)



怪談話って言うのは、この時期、色々なところで話されています。


先日も「私の話を納涼イベントでしていいですか。」とメッセージを


頂きました。


どんどんしちゃってくださいね(笑)


「合コンでめっちゃ好評でした。」


なんてメッセージもありましたねー。



稲川淳二氏ほどの話術があれば私もするのですが…(笑)



納涼イベントで怪談話を企画されておられる方、私がお伺いいたし


ますよー(笑)


拙いしゃべりですが…(笑)



さて、今日の話は、春、新入社員が入ってくる頃の話です。




もう10年も前になるのでしょうか…。


ある友人から、久々に電話をもらいました。


携帯電話の番号も知らないので、実家に電話が入り、母が私の携帯


電話の番号を教えた様です。


その程度の付き合いしかない友人から、わざわざ電話をもらいました。



「久しぶりやなー。」


とお決まりの挨拶を交わし、話をしていたのですが、どうもその友人は


テンションが低いのです。



久々に電話のある友人ってのはネットワーク商法だの、新興宗教だの


のお誘いが多いので、警戒してたのですが、どうも様子が違ってました。



「お前、霊とかって見えるんやんな…。」


突然その友人はそう言います。


「え…まぁ…。」


私も曖昧な返事をしたのですが…。


「一回見て欲しいモンがあってよ…。」


友人はある企業の人事部で採用から新入社員の研修などの面倒を見る


という仕事を数年していたそうなのです。


「いいけど…。」


と言う私の返事で、その日、夜遅くに会う事になりました。



近くのファミリーレストラン。


私は友人とそこで待ち合わせしました。



私が行くと友人は若い後輩を連れて、すでにその場にいました。


友人の後輩も礼儀正しく、挨拶をして席につきました。


少し昔話をしていたのですが、突然友人は後輩に、


「おい。アレ出して…。」


と言いました。


後輩はバッグから封筒を出してきました。



「これなんですよ…。」


友人の後輩はその封筒から数枚の写真を取り出します。




どうやら新人の研修会…合宿で行うのでしょうか…。


集合写真が2枚。屋内と屋外。


あとは食事の風景や研修の風景が写されてました。



一見なんの変哲もない記念写真なのです。



「この写真がどうしたの…。」


私は自分の前にその写真を並べて見ていました。



「今年、うちの会社が採用した新入社員の写真やねん。」


「うん。パネルにもそう書いてあるな…。」


「うん。採用人数は15名。研修参加者も同じ15名。」


「あーそんなもんか…。」


と私は集合写真の人数を数えました。




「あれ…。」






「16人おるよな…。」


写真には16名が写っています。



「そうなんや…。真ん中のは教育担当の社員やから…。」


写真の前列の真ん中には、ベテランの社員であろう人が一名写って


いました。それは新入社員出ない事はわかります。


しかし、それを省いても1名多いのです。




「で、コイツやねんけど…。」


と友人は左上に伏目がちに立つ男を指さしました。


完全にカメラに目線は行っていない男でしたが、服装も周囲の新入社


員と変わらないスーツ姿でした。


もうひとつの写真も同様に左の上にその男はいました。




「まさか、コイツが誰かわからんのか…。」


私は友人に聞きました。


「そう…。この研修担当の先輩に聞いてもわからんし、新入社員に聞い


てもわからんのよ…。」




確かに、そう言われると、その男だけ写りが違う気もするのです…。




色々と質問し、友人に聞きました。


その研修センターはいつも使っていた自社の研修センターを売却し、今年


から民間のモノを借りて研修したそうです。


その研修は2泊3日で行われ、近畿の某県にあるという事。


研修の初日に友人が行き、最終日にその日一緒に来ていた後輩が行って


挨拶をしたそうです。


研修の内容は社会人としての基礎知識や自社の商品知識などを詰め込む


ための研修。



寝置きからすべて、その研修所の中で行い、基本的に外に出る事はない。


就寝する部屋は一人一部屋でホテルのシングルルームの様な作り。


ただ、風呂は大浴場。メシも大食堂で食うという事。


研修所は貸し切りで、他の会社は入って来ていない。


そこの管理人2名と食堂の人の出入りはあるが、誰もその写真の顔に見覚


えがないという。




確かに気持ち悪いでしょう…。


写真に写っている本人たちからすれば…。



「おかげで、女子社員2名辞めたわ…。」


友人も苦笑いしてました。



その研修所のパンフレットを見せてもらい、住所を確認しました。


某県の山奥。



「こんな研修センター。誰が見つけて来たん。」


私は友人に聞きました。


「あー。俺。お前Y知ってるやろ…。」


友人は別の友人の名前を出してきました。


「あー知ってるけど…。」


「あいつも俺と同じ様な事しててなー。まああいつの会社は俺んと


こと規模がちゃうから、もっと大変やろうけど…。Yの会社で使って


たっていう研修センターを紹介してもらったんよ…。」


その友人はそう言いました。


友人Yは大手に就職した友人で、毎年100名ほどの新入社員がい


るのではないでしょうか…。



「Yに聞いた…。この話。」


「いや…。あいつ大阪に住んでるはずなんやけど…。会ってみる。」


友人はYの電話をその場で鳴らしました。



友人Yは私はそんなに親しくなく、直接話した事も数度しかありません


でした。



その場で友人はYとも会う約束をしていました。


その日の数日後にその友人と後輩、そして私も一緒に神戸で会う事


になりました…。




この話。


次回に続きます…。










TODAY'S BGM 「禁じられた遊び」 東京事変

春の怪談…いよいよ大詰めです。


もう、真夏ですしね…(笑)



これはある地方へ出張へ行った時の話なのですが…。



仕事が少し早く終わり、いや…早く終わる様にしたと言った方が正解


ですね。


宿が温泉旅館だったので、少し早く終わる様にして、宿でゆっくりする


様にしておりました。



春と言っても既に桜も散って、少し汗ばむ程の陽気でした。



車でその宿に到着したのですが…。



荷物を車から下ろして宿に入りました。


しかし誰もいないのです。



「すみませーん。」


と声をかけると、中から男性が一人小走りに。


「申し訳ありません。ご予約の方ですね…。」


と私をカウンターへ。


宿帳に記入し、部屋へ案内されました。



部屋へ入る前に、その長い廊下の奥を見ました…。


その奥がどうしても気になって…。



しかしその時はとりあえず部屋に通されました。



部屋で色々と説明を聞いて、その男性は去って行きました。



服を着替えて、寛いでいると今度は仲居さんがやってきました。


先ほどの男性と似たような説明をしてお茶を入れてくれました。



「あの…。」


「はい、何でしょうか…。」


「この廊下の奥はなにかあるのですか…。」


私は仲居さんに訪ねます。



「あ、ああ…。この奥を通っても大浴場へ行けるのですが、少し


遠回りになるので、ロビーを通って頂いた方が良いかと…。それと


この奥は女将の自宅もございます。」



旅館に自宅が続いているようでした。



「なるほど…わかりました。大浴場へはロビーを通るといいんですね。」


仲居さんにお礼を言いました。



後で合流する人がいたので、それまでに先に風呂に入ろうと思い、私


は部屋を出ました。


そして、ロビーを通って、大浴場へ。


誰も入っていない大浴場で、ゆっくりと過ごしました。



半分のぼせた感じで風呂を出て、風呂の外にあった自動販売機で、冷


たい物を買って飲んでました。



「いかがでしたか…。」


その時ふいに後ろから声をかけられたのです。


振り返ると50代くらいの和服の女性が立っていました。


一目でこの旅館の女将とわかりました。


「あーいいお風呂でした…。」


私はそう言って頭を下げました。



その時、あれ…。と思いました。





その女将。


きっちりと和装で決めているのに…。








足袋をはいていないのです。


裸足でした…。



お風呂の中でも見ていたのかと思い、自分を納得させました。



「ではごゆっくりと…。」


女将はそう言うとロビーとは逆の方へ歩いて行きました。


あの部屋の奥の廊下へと繋がっている方でした。



妙でした…。


その廊下の奥は私が泊まる部屋の方から見ても、その風呂の


方から見ても、明かりもついておらず真っ暗なのです。



人を寄せ付けないでおこうとしているかの様に…。




また私はロビーの方を通り、部屋に戻りました。


そこで合流する予定だった仲間を待っていたのですが…。


いつの間にか寝てしまったようです。



気がつくと待ち合わせの数人がテーブルについてお茶を飲んで


ました。



「なに一人で寝てんねん。」


などと言われながら…。



その数名も風呂に入ると言って部屋を出て行きました。


私は部屋の窓辺から外を見て寛いでました。



すると仲居さんが入って来て、夕食の準備を始めました。



「もうお風呂入りはりましたか。」


「ええ。いい風呂でした。」


なんて会話をしていたのですが、


「すみませんね…。今、女将が不在で、本来ならご挨拶に伺うの


ですけど…。」



女将は外出したのか…。


そう思いながら、


「いえいえ。先ほどお風呂出たところでお会いしたので…。」



「はあ…。」


その仲居さんの顔が一瞬で曇りました。


「どうしたんですか…。」


流石に私もそう聞きました…。



「いえ…。何でもないです。お食事6時からですよね…。」


そんな感じに話をごまかし、部屋を出て行きました。



それでもそんなに違和感は感じなかったのですが…。


女将が不在と言いながら、体調不良などで寝ているだけなの


だろうなどと思っていました。



みんなが風呂から出てきて、並んでいる料理の前に座り、冷


えたビールを飲みながら食事を楽しみました。



「でもこの奥の廊下、暗いよな…。」


一人がそう言います。


「ロビー通った方が風呂には近いらしいですよ…。」


私はその彼にそう言ったのですが…。


「何言ってんねん…。こっちの方が近いわ…。」


そう言うのです。



確かに風呂の位置を考えると、暗い廊下を通る方が風呂には


近いかもしれません。



何度か仲居さんが出入りして料理を持って来てくれました。



そして、料理も終盤になった頃に、私が宿に着いた時に対応し


てくれた男性が入って来て、挨拶をしてくれました。


その男性はずっと私の顔を見ていました。



それが不思議で…。



夕食後もみんなは部屋で酒を飲んで、ワイワイ騒いでおりました。



私はもう一度風呂に入ろうと、ロビーを歩いていたのですが…。



「お客様…。」


と先ほどの男性に声をかけられました。



ロビーにある応接に座り、お茶を出して頂きました。



他愛もない話しをしていたのですが、突然、


「女将に会われたと…。」


男性はそう言いました。


「はい。風呂上がりに声をかけられまして…。」


すると、その男性は仲居さんを呼んで、写真をもって来させました。



一枚の額に入った写真をテーブルの上に…。


「あーこの方ですね…。もっと明るい着物でしたけど…。」


確かにその写真の女性でした。



「そうですか…。」


その男性は目を閉じました。


「どうしたんですが…。」


私はその男性に訪ねました。







「お客様は霊感がおありの方ですか…。」







その男性はそう言いました。



「ええ…少し。」



その男性はため息をついて、背もたれにもたれかかりました。










「この女将…。数か月前に自殺したんです。」








「は…。」


私はその男性の顔を見ました。





その男性が言うには、私の泊まる奥の部屋…。


つまり女将の住居部分で首を吊って亡くなったというのです。




「お客様が二人目なのですが、女将と挨拶を交わしたと言う


お客様が…。」



私は黙ってしまいました…。



女将が亡くなった後、その女将の娘さんが跡を継ぐ予定だ


そうですが、仕事の都合で、その月いっぱいは女将不在で


旅館を営業していると言ってました。



その後、風呂に入って、部屋に戻りました。


その暗い廊下を歩く気にはなれず、ロビーを通って部屋に


戻りました。







その日、いつ寝たか覚えてませんが…。




何事も無く、次の朝、宿を出ました。




しかし車の中から見た、見送りの旅館スタッフの中に、その


女将の顔もあった様な気がしてなりません…。




仕事が終わった後に、和装のまま、足袋だけを脱いで首を


吊ったそうです…。


だから、私があった女将は裸足だったんですね…。









TODAY'S BGM 「エソラ」 MR.CHILDREN


台風、なんか少し興ざめでしたね…。


まぁ、被害が少ない事に越した事はないんですけどね…。



もう春の怪談って感じじゃないですね…(笑)


夏、夏。



完全に夏です。




今日の話しは春の終わりの頃の話しです。




その日は休日で、私はその日買い物に行こうと駅のコンコースを歩いて


ました。すると、突然肩を掴まれました。



久々に会った友人でした。



「どこいくん。」


なんて聞かれて、


「いや…暇やったから、ちょっと買い物でも行こうかと思ってなー。」


なんて話をするとお茶を飲もうという事になり、駅の1階にあった喫茶店


に入り、話をしました。



他愛もない話が続き、結局昼飯もその喫茶店で食べました。



「そうや…うちのばあさん知ってるよな…。」


とその友人が突然そう言いだします。


「あー。あの怖いばあさんやろ…。」


昔、この友人の家に行った時に、めっちゃ怒られた記憶があります。



その怒り方もすごくて、


裏庭にある小さな畑の周囲の草刈りをしていたまま、鎌を握って私と


友人の前にやってきました。


「えー若いもんが、昼間っからなんで部屋におるんやー。男なら外で


遊ばんかい!街行って女の2~3人イテコマしたらんかい!」


そんな事言われました(笑)



友人いわくは、


友人の祖母は、男はどんどん女と付き合って、えー嫁探すもんなん


やーって話しでした(笑)



「カネないならばあちゃんがくれてやる。さっさと街に行けー。」


ってその日も言われました(笑)



ものすごい祖母でしたね…。



そんな事言われたのも初めてで、ものすごく迫力あったのを覚えてま


す。




「で…。ばあさんどうしたん。」


私は友人に聞きました。


「去年死んだ。」


私は驚きました。


あのばあさんが死ぬなんて…。



「でよー。ばあさんが死んだあとにちょっと不思議な事が起こってなー。」


と、友人はいいました。



友人は話を始めました。



前の年の夏に友人の祖母は亡くなったという。


友人の祖母の誕生日を毎年、親戚一同集まって宴会をしていたらしく、


その年も同じ様にやったそうです。


なぜならその祖母の誕生日は1月2日。


お正月を兼ねて誕生日のお祝いをやっていたそうです。



「今年もやってんけどな。」


友人は話を続けます。


祖母は毎年、お祝いの途中で席を立って、一人風呂に入るそうなので


すが、もちろんその年、友人の祖母はいません。



しかし…。


「不思議やねんなー。みんなで宴会やってると風呂に誰かおる気がして


なー。」


そう言うのです。



「みんな酔ってるしやー。その場は気にせんとスルーやってんけどな。」


そして、その宴会の最後に集合写真を撮るらしいのですが…。



「写ってたんよ…。」


「何が…。」


「ばあさんが…。」



………。



心霊写真って事ですね…。



「今から見に来てや…。」



いや…私が心霊写真見たところで、どうしようも無いのですが(笑)



その日、その友人の家に行く事に。



リビングに通され、友人はその写真を早速持ってきました。


袱紗の様な布に包まれた写真を私の前に置きました。



「これやねんけどな…。」


友人はそう言ってその袱紗の様な布を開きました。



中から…一枚の写真。








その写真には友人が言うように…。


友人の祖母の姿は…。









ありませんでした…。





「ばあさんいないよ。」


私は友人に言いました。



その写真に友人の祖母は写っていません。



「あれ…おかしいな…。」



「ここに写っててんけどな…。」


そう言うと写真を指さす。



うーん…。



友人も不思議そうに頭をかしげながら、袱紗に写真を包みました。


「仏壇に置いてるんやけどな…。あ、ばあさんに線香あげてくれるか。」


友人はそう言うので、一緒に仏間に行きました。





大きな仏間…。


立派な仏壇がありました。





そして…。






その部屋の隅に、友人の祖母が座ってました。


私の方を見てニッコリと微笑み、頭を下げてました。



「お前、この部屋でばあさん見た事あるか…。」



「ん…。いやそんなんは無いな…。」



友人には見えていないようです…。


私はその祖母に頭を下げるようにして、仏壇の前に座りました。


線香をあげて、手を合わせました。



その間もじっと友人の祖母は私と友人…いや…もしかすると友人を


見ていたのかもしれません。



そのままその部屋で、あの日友人の祖母に怒られた話をしてました。



気がつくと、友人の祖母の姿はありませんでした…。



また二人で家を出て、駅の方へ向かう事にしたのですが…。


家を出た時に、私と友人を見送るように見つめる視線を感じました。



振り返りませんでしたが…。確かに見られてた気がします。



「お前、昔からおばあちゃんっ子やったやろ…。」


私はそう友人に聞きました。


「あー。多分そうやな…。」




友人の祖母は、友人の事をじっと見守っているのでしょう…。




数年後、その友人の結婚式に出ました。


その結婚式場でも私は友人の祖母を見た気がしました…。









TODAY'S BGM 「ひまわり」 福山雅治