#096 春の怪談 「見知らぬ新入社員1」 | 后前弐時のブランチ

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少し特異な体験を中心に書いています。
背中がゾクッとするのが苦手な方は片目で
読む様にして下さい(笑)

そろそろ春の怪談も終盤です。


もう真夏ですし、仕方ないですね…(笑)



怪談話って言うのは、この時期、色々なところで話されています。


先日も「私の話を納涼イベントでしていいですか。」とメッセージを


頂きました。


どんどんしちゃってくださいね(笑)


「合コンでめっちゃ好評でした。」


なんてメッセージもありましたねー。



稲川淳二氏ほどの話術があれば私もするのですが…(笑)



納涼イベントで怪談話を企画されておられる方、私がお伺いいたし


ますよー(笑)


拙いしゃべりですが…(笑)



さて、今日の話は、春、新入社員が入ってくる頃の話です。




もう10年も前になるのでしょうか…。


ある友人から、久々に電話をもらいました。


携帯電話の番号も知らないので、実家に電話が入り、母が私の携帯


電話の番号を教えた様です。


その程度の付き合いしかない友人から、わざわざ電話をもらいました。



「久しぶりやなー。」


とお決まりの挨拶を交わし、話をしていたのですが、どうもその友人は


テンションが低いのです。



久々に電話のある友人ってのはネットワーク商法だの、新興宗教だの


のお誘いが多いので、警戒してたのですが、どうも様子が違ってました。



「お前、霊とかって見えるんやんな…。」


突然その友人はそう言います。


「え…まぁ…。」


私も曖昧な返事をしたのですが…。


「一回見て欲しいモンがあってよ…。」


友人はある企業の人事部で採用から新入社員の研修などの面倒を見る


という仕事を数年していたそうなのです。


「いいけど…。」


と言う私の返事で、その日、夜遅くに会う事になりました。



近くのファミリーレストラン。


私は友人とそこで待ち合わせしました。



私が行くと友人は若い後輩を連れて、すでにその場にいました。


友人の後輩も礼儀正しく、挨拶をして席につきました。


少し昔話をしていたのですが、突然友人は後輩に、


「おい。アレ出して…。」


と言いました。


後輩はバッグから封筒を出してきました。



「これなんですよ…。」


友人の後輩はその封筒から数枚の写真を取り出します。




どうやら新人の研修会…合宿で行うのでしょうか…。


集合写真が2枚。屋内と屋外。


あとは食事の風景や研修の風景が写されてました。



一見なんの変哲もない記念写真なのです。



「この写真がどうしたの…。」


私は自分の前にその写真を並べて見ていました。



「今年、うちの会社が採用した新入社員の写真やねん。」


「うん。パネルにもそう書いてあるな…。」


「うん。採用人数は15名。研修参加者も同じ15名。」


「あーそんなもんか…。」


と私は集合写真の人数を数えました。




「あれ…。」






「16人おるよな…。」


写真には16名が写っています。



「そうなんや…。真ん中のは教育担当の社員やから…。」


写真の前列の真ん中には、ベテランの社員であろう人が一名写って


いました。それは新入社員出ない事はわかります。


しかし、それを省いても1名多いのです。




「で、コイツやねんけど…。」


と友人は左上に伏目がちに立つ男を指さしました。


完全にカメラに目線は行っていない男でしたが、服装も周囲の新入社


員と変わらないスーツ姿でした。


もうひとつの写真も同様に左の上にその男はいました。




「まさか、コイツが誰かわからんのか…。」


私は友人に聞きました。


「そう…。この研修担当の先輩に聞いてもわからんし、新入社員に聞い


てもわからんのよ…。」




確かに、そう言われると、その男だけ写りが違う気もするのです…。




色々と質問し、友人に聞きました。


その研修センターはいつも使っていた自社の研修センターを売却し、今年


から民間のモノを借りて研修したそうです。


その研修は2泊3日で行われ、近畿の某県にあるという事。


研修の初日に友人が行き、最終日にその日一緒に来ていた後輩が行って


挨拶をしたそうです。


研修の内容は社会人としての基礎知識や自社の商品知識などを詰め込む


ための研修。



寝置きからすべて、その研修所の中で行い、基本的に外に出る事はない。


就寝する部屋は一人一部屋でホテルのシングルルームの様な作り。


ただ、風呂は大浴場。メシも大食堂で食うという事。


研修所は貸し切りで、他の会社は入って来ていない。


そこの管理人2名と食堂の人の出入りはあるが、誰もその写真の顔に見覚


えがないという。




確かに気持ち悪いでしょう…。


写真に写っている本人たちからすれば…。



「おかげで、女子社員2名辞めたわ…。」


友人も苦笑いしてました。



その研修所のパンフレットを見せてもらい、住所を確認しました。


某県の山奥。



「こんな研修センター。誰が見つけて来たん。」


私は友人に聞きました。


「あー。俺。お前Y知ってるやろ…。」


友人は別の友人の名前を出してきました。


「あー知ってるけど…。」


「あいつも俺と同じ様な事しててなー。まああいつの会社は俺んと


こと規模がちゃうから、もっと大変やろうけど…。Yの会社で使って


たっていう研修センターを紹介してもらったんよ…。」


その友人はそう言いました。


友人Yは大手に就職した友人で、毎年100名ほどの新入社員がい


るのではないでしょうか…。



「Yに聞いた…。この話。」


「いや…。あいつ大阪に住んでるはずなんやけど…。会ってみる。」


友人はYの電話をその場で鳴らしました。



友人Yは私はそんなに親しくなく、直接話した事も数度しかありません


でした。



その場で友人はYとも会う約束をしていました。


その日の数日後にその友人と後輩、そして私も一緒に神戸で会う事


になりました…。




この話。


次回に続きます…。










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