いよいよ、春の怪談最後の話です。
私が経験した中で、つま先から頭の先まで震えた経験はこれだけです。
高速道路の掃除を道路公団がやっているのご存知ですか。
あの仕事のアルバイトを私の友人Kがやっていました。
まだ学生の時ですが。
その日、友人Kと偶然電車で会いました。
春休み明けの学校帰りだった気がします。
久しぶりだったので、お茶でも飲もうという事になり、途中の駅でおりました。
普通に世間話をしていたのですが、突然友人が顔色を変えて言います。
「実はよ…。春休みに高速道路のバイトしたんやけどな…。」
私はこの当時、まだそんなバイトがある事も知りませんでした。
「どんなバイト…。」
「高速道路の脇の方に溜まったゴミを回収するバイトやねんけど、ほら黄色
い車に乗って…。」
「あー、あれかー。あれってバイトがやるんだー。俺は道路公団の職員が
やってるんやと思ってた。」
「結構バイト多いで。」
友人Kはそう言ってました。
「実はそれで幽霊見てよ…。」
友人Kはそう言いました…。
「幽霊…。」
私は更に話を聞きました。
その日は数キロ毎に行われる集中清掃の日だったそうで、数名で歩きながら、
歩いてゴミを拾うそうです。
友人Kも数名のチームでゴミを拾っていたそうです。
いろんなモノがあるそうです。
お金ももちろんですが、財布やバッグ。もっともっと考えられないようなゴミまで
その日、友人はライトで照らしながらガードレールのところに溜まったゴミを拾い
車にどんどん積み込んでいたようです。
安全地帯があるところで休憩になった様で、そこで休憩をしていると友人の耳
に声が聞こえてきたというのです。
「たすけて・・・」
この言葉を何度も何度も繰り返すらしいのです。
友人は先輩スタッフのいたずらだと思っていたようでした。
しかし、自分の周囲に誰もいなくなっても聞こえてくる…。
そして声のする方を見ると、小さな小屋が高速道路脇の道沿いにあり、どうやら
そこから聞こえてくる気がしたそうです。
休憩が終わり、先輩が先に進むと言うので、その場を去ろうとしたその時でした。
「まって…たすけて…。」
今度はくっきりとそう聞こえたといいます。
その場を友人も怖くなって逃げたそうです…。
必死に車に乗り込みドアを閉めて、その小屋を見たそうです。
その小屋の汚れた窓にくっきりと、女性の姿が見えたそうです。
その話を私はその日聞きました。
「それってどの辺やろ…。」
私が聞くと、友人は手帳を出して、
「う~ん…○○番から○○番のところやな…。」
そう言います。高速道路に記してある番号…どうやらそれで場所を把握
しているようです。
私にはさっぱりわかりません。
しかし場所を聞くと、私も良く通る場所でした…。
「でな…相談なんやけど…。」
嫌な予感がしました…。
「大学の女の子にその話したら、肝試しに行ってみたいって言い出して
な…。でも正直、俺だけじゃ怖くてよ…。一緒に言ってくれへんか。」
やっぱり…。
前にも書きましたが、行かないで良いなら、行かない方が良い場所って
沢山あるのです。
「ホンマにいくの…。たすけて…って聞こえた場所やろ。」
聞いた事があるのです。
色々と霊の声は聞こえてきます。
しかし、「たすけて…。」と聞こえてくる霊の声は大抵、ひどい場所です。
苦しみながらこの世を去った霊がいる場所…。
このケースもそうなのでしょう…。
「うーん…あんまり気が進まんな…。」
私は良い返事はしませんでした。
しかしなんだかんだ言われて押し切られ、結局土曜日に行く事になり
ました…。
この話は続きます。
TODAY'S BGM 「告白」 竹内まりや