#098 春の怪談 「パチンコ屋のトイレ」 | 后前弐時のブランチ

后前弐時のブランチ

少し特異な体験を中心に書いています。
背中がゾクッとするのが苦手な方は片目で
読む様にして下さい(笑)

暑いですね…。


じっとしてても汗がにじむ季節です。


春の怪談も残すところ今回を入れて後2つ。


もう夏も盛りですしね…(笑)



ところで、私の怪談話って実体験を書いてます。


気がつくとこんなにあったんだな…って実感してます。


もっとしっかり霊感のある人はもっとあるのでしょうが…。



人から聞いた話をこの後書こうと思ったのですが、やめました。


イマイチ、リアリティがないのです。


聞いた話だと、その土地の土地勘がなかったりするので、どうしても


文章にすると、作り話の様に見えてしまいます…。




と、言う事で、私の怪談シリーズはこの春のシリーズで終了します。


思えば昨年の夏前から書き始め、この春のシリーズまで…。


結構書いたのかもしれません。


もちろん書いてないモノもありますが…。


今後、新たに経験する事などあれば書いてみようかと思います。



では、ラス前の話。あるパチンコ屋のトイレの話です。



もう10年近く前の話になるのでしょうか…。


私はサラリーマンを辞めて、今の会社の前進の個人事業を始めるまでの


1年間ほど、パチプロというモノやっておりました。


失業保険も貰ってたので、生活がどうのという話でもなかったのですが。



当時大流行していたパチスロに「ミリオンゴッド」という機種がありました。


この機種、爆発すれば1日に70万ほど出るのです。


私も2~3度経験ありますが…。



そのパチスロにハマり、借金までして打つ。そんな人が沢山いました。


結果、パチンコ屋の駐車場にワゴン車で金貸しが現れる始末。


一度に借りる金額は少ないのでしょうが、積もりに積もるとどうしようも


無い状態になるのは当たり前の話で…。



全国各地でパチンコ屋の中で首を吊ったり、灯油をかぶって火を付け


たりという自殺が多発しました。



そんなパチンコ屋が近くにも幾つも存在するのです。



私も友人と、何も知らずにあるパチンコ屋に入りました。


毎日することもなく、フラフラと遊んでた時期ですからね…。


毎日あてもなくフラフラしてましたね。



友人と並んでパチスロを打っていた気がしますが、途中でトイレに行き


たくなり、席を立ちました。



トイレに入ると、やたらと息苦しいトイレなのです。


見た目はきれいで改装されたばかりの様な感じだったのですが…。


そして、焼けた様な臭いを感じます。



不快に感じ、すぐにトイレを出ました。



そして席に戻り、また友人とパチスロを楽しんでました。


今度は友人が、お腹が痛いと言い出し、トイレへ。


この友人は魔法使い並みにトイレが早く、すぐに戻ってきました。



「なんか、ここのトイレってあれやんな…焼身自殺のあった…。」


友人はそう言います。


私は初耳でした。


しかし、それを聞いてさっきの息苦しさの理由がわかった気がしました。



それからトイレが気になって仕方なく、飲み物を買いに行くついでにトイ


レに入りました。



入口に立って、トイレを見るとすぐに判りました。


多分、自殺があったのは、一番奥の個室。



私はその一番奥の個室まで行き、そのドアを開けました。


間違いありませんでした。焼けた様な臭いはそのドアの向こうからでした。









そこには、焼けた服、焼けた顔の男性が立ってました。


どこを見るでもないその男性の顔…忘れる事は出来ません。





私は慌ててドアを閉めました…。




なぜか手を洗いました。思いっきり水を出して手を洗った気がします。


そしてトイレを出ました。




友人と二人でその後、その話をしながら休憩所でコーヒーを飲んでました。


友人にその話をしたところ、この手の話が苦手な友人で、とにかく早く帰ろう


と言い出しました。



私は、歩いていた店員に声をかけました。


「トイレで焼身自殺あったよな…。」


「……。」


店員は答えにくそうな感じでした。


「一番奥のボックスでしょ…。」


「すみません。答えられないんですよ。」


と、その店員も言います。


「そうだったら良いけど…。」


私はそう言いました…。


そして。








「この店。幽霊出るよ。トイレに…。」


私はそう言って友人とパチスロに戻りました。



それから10分程してからでしょうか…。


さっきの店員が店長らしき男性を連れてやってきました。



「すみません…。少しお話を…。」


そう言われて、また休憩所へ…。



「幽霊出ますか。」


その店長はいきなり私にそう言って来ました。


「さっき見ました。一番奥のボックスですよね…自殺があったの。」


店長は力強くうなづいてました。



その店長にちゃんと頼んでお祓いか供養をしてもらうようにアドバイスを


しました。


店長と一緒にトイレに入り、一番奥のボックスを開けました。


その時は誰もいませんでした。




「この場所だけ何度貼り直しても壁紙がはがれてくるんですよ…。」


店長はそう言います。


確かにはがれてました。



店長ははがれている壁紙を引っ張りはがしました。


大きく壁紙ははがれ、その下からは黒く焦げた壁が出てきました…。



「やっぱり、壁も変えた方が…。」


店長は店員と話していました。





私は、その日はもう遊ぶ気もなくなり、その店を出ました。




後日、他の友人がその店に行ってたのですが、トイレの一番奥の個室


はずっと閉まったままだったようです。





そして、その友人に聞いたのですが、その店長は川の河川敷で灯油を


かぶり焼身自殺したそうです…。











TODAY'S BGM 「Time after time~花舞う街で~」 倉木麻衣