后前弐時のブランチ -20ページ目

后前弐時のブランチ

少し特異な体験を中心に書いています。
背中がゾクッとするのが苦手な方は片目で
読む様にして下さい(笑)

今日も仕事してました…。私はとことん自分で時間を作る事が下手で、


ゆっくり休む時間もないです。全部自分が悪いんですね…。


しかし、これは今に始まった事ではないんですよね。



昔上司にもよく言われました。



「時間は作るもんや…。」


って。



でも若い頃はなかなか作れないんですよね。言われた事はやらなけれ


ば行けないし、自分の仕事もあるしで…。





今日の話はそんな風に自分で時間をコントロールできなかった頃の話


です。



その日も夜遅くまで会社で仕事をしてました。毎晩午前様は当たり前で


そろそろ帰ろうかと思っていた時に携帯が鳴りました。



その当時大阪で働いていたFからでした。


三宮で飲んでるから来いと言います。しかしその時間から飲みに行くと


確実に帰れません。



「悪い…明日も仕事やし…。今から行くと帰れんし、止めとくわー。」


「あーそれは大丈夫やで。Sが車で来てるからー。」


友人Sはまったく酒が飲めない、Fとの共通の友達だった。



「ちょっと会わせたい人がおるから、来てよ。」


Fがそう言うので、私は会社を出て三宮のあるバーに行きました。



何度かFたちと飲んだ店ですぐに場所はわかった。


店に入ると友人FとS、それに3人の女の子がいた。



「なになに。合コンか…。」


私はそう言って席についた。


女の子の名前は忘れてしまったけど、そのうちの一人だけはヨウコっ


ていう名前だった。



合コンの予定だったそうなのだが、一軒目の居酒屋で待ち合わせた


友人Sの会社の同僚が来なかったらしく、二軒目のバーに移動した時


に、私が呼ばれたみたいだ…。



「でな、その子の自宅の近くに、人が自殺したっていうコンテナが放置


されてるらしくてよ。そこに行ってみようって話になってるんやけど、


お前も一緒にどうかと思って…。」


その子とはそのヨウコという子で、西区の山奥に住んでいるようだった。



珍しいのだ。Fが心霊スポットに行こうと言うのは…。



私もその店で二杯ほど飲んで、S以外のみんなに追いつくつもりで頑張


った(笑)


スキッパラに飲んだので、完璧に先頭集団に追いついた感があった。



するとFがそろそろ行こうと言い出す。



本当に珍しい。Fがこんなに乗り気になるとは…。



Sが自分の車を店の近くまで回してきた。


Sのボックスカーに乗り込もうと言う時に、女の子が二人帰ると言い出す。



「えーなんでー。送るから一緒に行こうよー。」


Sが運転席から必死に女の子たちを止めるが、二人は帰ると言い聞かない。



先に乗り込んだFとヨウコちゃんは、別にそんな事も気に留めず、中で話を


している。



若い頃に経験があるかもしれないが、女の子が先に帰ってしまうと、


「やっぱ俺たちは女の子から見て、魅力ないんやろうなー。」


という気持ちになってしまうものだ(笑)



まあ、それと同時にFの張り切りが良くわかった。


Fはヨウコちゃんを狙っているらしい…(笑)



Sは仕方なく女の子を引きとめるのをあきらめて、私を助手席に乗せた。



三宮からそのヨウコちゃんの家まで、約30分。Sは酒を一滴も飲めないので


安心。私はスキッパラにロックで2杯ほど飲んだので、酔いはマックス(笑)


少し寝てしまってたようでした。




「着いたでー。」


Sにそう起こされた時は、周囲は山だらけ。しかしどこかで見たような景色で


した。



既にFとヨウコちゃんは車を降りて、自動販売機でジュースを買っていた。



私は鞄を車に置いたまま、車を降りた。



道路より少し高くなっている場所をヨウコちゃんは指さしています。Fはそれを


走って見に行ってました。



もうFなら何かを確実に感じているはずです。


すぐにFは戻ってきてヨウコちゃんに話しかけています。



「おい。車で行こうや。」


Fはそう言いながら、車の方へ戻って来ました。私とSはタバコを吸いながら、


二人が戻ってくるのを待ってました。


Fから缶コーヒーを受け取り、みんなで車に再び乗り込み、Fの言う坂を車で


登って行きました。



畑、竹藪を抜けて行くと、また少し広い道が出てきました。


そこから少し走ると、たくさんの廃棄物が積んである場所に出ました。



ヨウコちゃんが言うには昔は子どもたちが野球が出来るほどの空き地だった


と言います。正直今ではそんなスペースもありませんでした…。



その空き地の突き当たりに大きなコンテナがありました。思っていたより綺麗


で、ある運送会社のマークが書いてありました。



車の中からハイビームでそのコンテナを照らしているのを4人で無言で見てま


した。そのコンテナに何かを感じていると言うより、その場所自体が妙に気持ち


悪い場所でした…。



「どうなんや…。」


私はFにそう聞いて、Fの顔を見ました。



さっきの自動販売機のところで見たFの顔とは全く違ってました…。



「降りてみようか…。」


私はそう言ってドアを開けました。



本当に気持ち悪い場所でした。テレビや冷蔵庫なども放置されていて、人形な


ども…。


そんな場所で見る人形というものは気持ち良いモノではありません。



積まれているのは人が出したごみなのですが、何と言いますか、人が生活に利


用していたという臭いというか、そんな感覚が漂ってました。



その場にあるゴミの中で、そのコンテナは一番大きな車です。



私が車を降りた後、Fが降りてきました。



「ここはヤバいな…。」


Fは私に小声でそう言います。


「あのコンテナか…。」


私がそう言うと、



「いや…ヤバいのはコンテナじゃなさそうやな…。」


Fはそう言うと缶コーヒーを飲みほし、空き缶をゴミの山に投げ込んでました。



Sが車の後部座席を覗きこみ、ヨウコちゃんに降りようと言ってました。


ヨウコちゃんは嫌がって車を降りようとしません。



私はそれを見て、


「思ったよりここはヤバいわ…。車に乗ってて良いよ。」


私はヨウコちゃんに言いました。


「お前も車に乗ってたら…。ヨウコちゃんも一人じゃ心細いやろうし…。」


Sにもそう言って私はFのところへ行きました。



その場所は音もなく、車のライトを消すと真っ暗で何も見えないほどの場所でし


た。


Fは一人でコンテナのそばに立ってました。


「このコンテナもアカンのちゃうか…。」


私はコンテナを気持ち悪く感じ、Fにそう聞きました。




「確かにこのコンテナで人は死んでるみたいやな…。けどこの場所がヤバい原


因は他にあるで…。」


Fはそう言ってコンテナの裏へ回りました…。



私も一緒に行くと裏側は真っ暗でした。その場所は歩くスペースもないほどで、


明りが無いと裏に入る事は出来ません。



私は車に戻り、Sに懐中電灯が無いか聞きました。


Sはガソリンスタンドでもらったと言うライトを出してきました。


そのライトがつく事を確認し、私はFのところへ行きました。



そしてそのコンテナの後ろを照らしました…。



私とFはその瞬間、息をのみました…。





そこには大きな仏壇が捨ててあったのです。





「これやな…。」


Fはライトを私から受け取り足元を照らしながら、その仏壇のところまで行き


ました。




「これはアカンわ…。」


Fは私にその場所まで来いと誘い、私の足元を照らしました。




私もFの横へ行き、その捨てられた仏壇を見ました。





その仏壇の中には位牌も残っており、家にあったそのままの状態で捨てて


ある事がわかりました。


位牌も1つではなく数個が入ってました。




「戻ろか…。」


Fがそう言い、足元を照らしてくれました。



コンテナのところまで戻った時、Sの車のライトが消えました。



私とFは手に持ったライトでSの車を照らしました。


車の中でSが慌てているのが見えました。



Sは車を降りてきて、


「急にライトが消えた。」


と騒いでいます。ヨウコちゃんも降りてきて、騒いでいます。



Fが車に走っていき、



「早く乗って。」


そうみんなに言います。



Sも運転席に乗り込む。私も…。



「車出して。」


Sは車を切り返しその場を出ようとしましたが、ライトが無いので、ゆっくり


と切り返してました。


その瞬間、車の後部でバンという音がしました。



しかしSはそんな事はお構いなく、切り返しを続けてその場を出ました。






そしてその袋小路になっている空き地を出た瞬間に車のライトがついたの


です…。




4人で胸をなでおろしました…。




しかし、ライトが消えたのはやはりあの場所の霊の仕業なのでしょう。




そのまま一気にさっきの自動販売機の場所まで戻りました。


今度は私がジュースを買ってみんなに渡しました。



私はタバコを吸いながら、Sの車の後部を見ました。


かなりの音がしたので、傷が残っているはずだと思い…。




私はSの車の後部を見て、驚きました。





Sの車の後部には二つの手形がくっきりと残っていました。


白い粉の様なものがついた手形。




私がその手形を見ていると、Sがやってきました。



「何…これ…。」


Sはその手形を見ていました。



ヨウコちゃんは少し気分が悪いといい、道端に座り込んでましたが、


そのSの声を聞き、Fと一緒にやってきました。



「あーこれ線香の粉っぽいな…。」


Fはその手形を見てそう言います。




線香の粉でくっきり手形がついている…。


少し夜露で濡れた車に線香の粉の手形…。




「とりあえず帰ろうか…。」


Fがヨウコちゃんの肩を抱きながらそう言いました。




ヨウコちゃんを送る事になり、車に乗りこみ車を走らせました。



ヨウコちゃんの家はすぐそばでした。


そこでヨウコちゃんを降ろし、彼女が家に入るまでみんなで見送ってま


した。ヨウコちゃんも車を降りると走って家に入って行きました。



それを見届け、私たちも帰る事にしました。


その帰り道も3人で無言でした。



Fはあの場所で見た仏壇の事もSには話しませんでした…。


私も黙ってました。



Fの家の前でFを降ろそうとした時に、FはSに


「あ、車だけ洗っとけよ…。」


それだけ言って帰って行きました。




その後Sに私は自宅まで送ってもらいました。



「何で線香の粉なんかついてるんやろうな…。」


Sは言ってました。



「なんでやろうな…。」


あの場所に仏壇が無造作に捨ててあった事は私も言いませんでした。





自宅前まで送ってもらい、Sに例を言いました。



「気をつけて帰れよ…。」


そう言って別れました…。





この話は後日談があります。


今日はこれまで…。









TODAY'S BGM 「街路樹」 尾崎豊

いつも読んで頂きありがとうございます。


秋の深まってきて、この秋の怪談シリーズをいつ冬シリーズに切り替え


るかを迷っています。


秋と冬の境っていつなんでしょうね…。



今日はやっぱり秋の怪談です。


この話は私も驚き、本気でヤバいと思いました…。



この話は働き始めた頃の話です。




ある日三宮を歩いていると、私を呼ぶ声がしました。


振り返るとある友人がスーツを着て立ってました。彼は就職活動をしてい


ると言っていました。


ちょうどバブル崩壊の直後の話です。年が変わる頃まで就職活動をして


いる友人が何人もいました。


その友人も例外ではなく、足を棒にしながら就職活動をしていました。



喫茶店に入り、コーヒーを飲みながら話を…。


本気で疲れてましたね。その日の彼は。



「まぁ、頑張れよ~。」


そんな言葉しかかけてやる事は出来ませんでした。


「そんな落ち込んでないから。」


なんて友人も強がってましたね。



夕方まで喫茶店で話し、そろそろ会社に帰ろうと思った時でした。



「あのよー。」


今までニコニコしていた友人が急に真剣な顔で言ってきます。



「お前、霊感あったよな…。ちょっと見て欲しい部屋があるんやけど…。」



話を聞くと友人は最近彼女と同棲を始めたらしく、その部屋で妙な体験を


するらしいのだ。



私はその日はとりあえず友人と別れ、次の休みの日にその友人と彼女の


住む部屋に行く事にした。



その日は別の友人の学園祭に呼ばれていて、朝から学園祭に顔を出して


午後からその部屋に行く事にした。



確か阪神御影で下りて、南に歩いた気がする。良く覚えてないが…。


少し古いアパートだったが、部屋の中は綺麗だった。



友人と国道沿いで待ち合わせ、その部屋まで。



彼女は年下の大学生でその日はやはり学園祭だと言う事で、少し遅くなる


と言っていた。



二人でテーブルでビールと乾き物で長い事話をしていた。


核心に触れないように…。



その友人の核心に触れないように話を持って行く行き方が不自然だった。


間違いなく、今二人でいるその部屋が問題の部屋なのだから…。



飲めないビールを何本か飲んだら、私はかなり酔ってしまった。


TVを見ながら、私は少し横になった。


そして眠ってしまった。






どれくらい眠ったのかわからなかったが、とてつもなく怖い夢で目を覚ました。


全部は覚えていないのだが、老婆が私の首に手を回し、首を絞めてくるのだ。


それだけは覚えていた。




私が目を覚ますと友人も寝ていた。


私は変な夢で喉が渇いていたので、テーブルの上にあったジュースを飲んで


タバコを吸った。



その時、友人がうなされているのに気がついた。



「やめんかー。ババア…。」


はっきりそう言った。



ババア?



私は友人の体をゆすり起こした。



友人も息を荒くして、起き上った。



「お前…。どんな夢見てた?」


私は友人に聞いた。



老婆が出てきて、出て行けと言われたと言う。声も出せず動けないでいると、その


老婆は首を絞めてきた…。



私が見た夢と同じなのだ…。



そして友人が言う。


「この部屋に越してきて、こんな怖い夢を見るんやけど、いつも同じばあさんが出て


くるんよ…。そしていつもかなり怒ってる。」



私は背筋がぞっとした…。



「これってこの部屋に何かあるんやろうな…。」



部屋に何かある…。それは私にはわからなかった。自殺とか殺人とか…そんな類で


は無いのだろうが…。



しかし一つだけ気になっていたモノがあった…。



横になった時に気がついたのだが、その部屋の天井に変な染みがあるのだ。





それが人の顔に見える…。




しかし、そんな事を友人に言うと嫌がると思い、とりあえず黙っていた…。



もう外は暗くなってました。



電話が鳴りました。



「彼女からやわ…。30分くらいで駅に付くから迎えに来いって言われたわ。」


友人はそう言う。


「それなら、一緒に迎えに行って外で飯食おうや…。」


私も一緒に行く事にした。



何よりもその部屋が気持ち悪くて仕方ないのだ。そしてその天井の染みが気になって


仕方ない。一旦気になり出すと…。



少しして部屋を出た。私はタバコの火を消して、念のために灰皿にグラスに残ったジュ


ースの雫を垂らした。



二人で部屋を出て、駅まで歩いた。


駅までは5分もかからないほどの距離。



駅前で待っているとすぐに友人の彼女が出てきた。時間の計算も完璧ってところだろう。


かわいい感じの彼女。よくしゃべると言うのが印象に残っている。



そのまま近くの中華料理屋に入る事にしたが、その店はいっぱいで、入れなかった。


しかし持ち帰りが出来るというので、色々と頼んで持ち帰り、友人の家で食う事になった。



料理が出来るまで20分程待っただろうか、その間に友人と彼女はビールやジュースを買


いに行っていた。ちょうど二人が戻ってきたころ料理が出来あがり両手に提げて友人の


部屋に帰った。



ドアのカギを彼女が開けて、友人と私は部屋に入った。



そしてさっきまでいたテーブルへ…。




その時だった。


灰皿のタバコの吸い殻がテーブルの周囲に飛び散っているのだ。


襖の白い部分に私がジュースで消した吸い殻が当たって黒く汚れている…。



私と友人は吸い殻を拾った。



「こんな事よくあるんか…。」


私が友人に聞くと、友人は小さくうなずく。



私はその瞬間に天井を見た。


気のせいか、さっきより染みが大きくなっているように見える…。





そのテーブルを片付けて料理を並べ、3人で食べた。


友人の彼女の学園祭の話だけが部屋に響く。


正直私は中華の味もわからないほどだった…。




夜もまだ早い時間だったが、友人と彼女は泊まっていけと言う。私は帰るつもりだったが、


まだ肝心の話も終わっていない事もあり、終電までいる事にした。



友人と彼女はようやく話しを始めた。



その部屋に越したのはもう半年も前らしい。しかしへんな夢やおかしな現象が起こり始め


たのはこの2カ月ほどだと言う。



その彼女の兄も霊感があると言うので、何度か見てもらったがわからないままだったそう


だ。同じ老婆の出てくる夢や灰皿がひっくり返ってたり、置いているグラスが突然割れたり


もするらしい。



そして…。



「アレが気になるんよな…。」


友人はそう言うと天井の顔の様な染みを指さす。



3人で天井の染みを見た。



「顔みたいに見えるやろ…。」


「そやな…。」



友人は、



「アレ、越してきた時はなかったんよ…。」



……。



私は唾を呑んだ…。




彼女は友人にべったりとくっついて離れない。




「ここって何かあった部屋じゃないよな。」


私は友人に聞いた。



「うん。そんな事は言ってなかったな。」


「うん…。」


友人も彼女も天井を見たままそう言った。




そんな話をしていると終電の時間が過ぎてしまった…。


仕方なくその日は友人の部屋に泊まる事になった。



夜中までそんな話をしていた。


そして、次の日に契約した不動産屋に行ってみようという事になった。



気がつくと3人とも寝ていて、朝になっていた。



彼女がシャワーを浴びて学園祭へ行くと言うので、私と友人はその間喫茶店でモーニング


を食べていた。



そして、彼女も合流しモーニングを食べて学校へ行ってしまった。


彼女が昼に帰ってくると言うので、私と友人はパチンコ屋でパチンコをしていた。



午後になって彼女がパチンコ屋にやってきたので、パチンコをやめて3人で不動産屋へ向か


った…。



やけに良くしゃべる営業マンが担当だった。



その営業マンに事情を話し、一緒に部屋に向かう。


その染みの原因だけでもわかれば…。そう思っていた。



営業マンは染みを見て、風呂場にある天井に入る事の出来る場所から入って行った。



営業マンの声だけが聞こえる。


天井が軋み、営業マンの位置もわかるのだが、しゃべり続けていた営業マンの声が消えた。



「何でしょうね…これ…。」


そんな声がする。


「何かあるんですか…。」


友人は営業マンに声をかける。



「はい…。でもなんでこんなもん置いてるんですかね…。」



私たちは無言だった。どんなものがあるのか…。



「とりあえず持って下りますね…。」


そう言うと天井の軋みはまた風呂場の方へ移動していく。




その営業マンは足から出てきて、あるモノを持って出てきた…。





皿と仏像。




営業マンが持っていたのは古びた皿と仏像だったのだ…。



皿も仏像もかなり古いモノのようだった。


そして皿は黒く汚れ、何か液体が入っていたのはだれが見てもわかった。


しかしその黒い汚れは完全に乾ききっていた。



「何でしょうね…。雨漏りでもしてたんかな…。」


営業マンはそんな事を言いながらテーブルの上に皿と仏像を置いた。



その時彼女が気がついた。




その営業マンのワイシャツの両腕には大量の髪の毛がついていたのだ。




営業マンは外に出てその髪の毛を払って戻ってきた。




「何かおかしくないか。」


友人が少し声を荒げて営業マンに言った。



営業マンもおかしいと思ったのだろう、友人の家の電話を借りて会社に電話していた。



とりあえず、その皿と仏像を持って帰り、返事をしますと言う事だった。




私もその日はそれで友人と別れた。




なんとも後味の悪い経験だった。




その日自宅に帰り寝ていると、その友人から連絡があった。



その皿と仏像を不動産屋はどこかで見てもらったそうだ。


その結果、引っ越ししてもらっても良いし、お祓いをしてもらっても良いと言ってきたらしい。


費用はすべて不動産屋と大家で持つと言う事だった。



「どうしたらえーやろ。」


友人はそう聞いてくる。


しかし答えは決まってる…。引っ越すべきだ…。



私は友人にそうアドバイスした。




友人はすぐ近くだが、新しい部屋に引っ越した。



それでその夢もへんな現象もなくなったと言う。





しかし、その皿と仏像の持つ意味…。これは謎のままである…。






その後、何年かして私は仕事でそのあたりを歩いていた。しかし既にその場所にあの不動


産屋はなく、友人が住んでいたアパートも無くなっていて、更地になっていた。


今はどうなっているのかはわからない…。





危害を加える霊は少ない。しかし危害を与えてくる霊は私たち一般人の手には負えないの


だろう…。霊媒師や除霊が出来る人に頼るしかない…。



しかし、何だったのだろうか…。あの皿と仏像…。そして老婆、髪の毛…。


今思い出しても…。









TODAY'S BGM 「君に届け」 flumpool

毎日更新したいな…と考えて始めたブログなんですが、6月から始めて


実は今日で100回目。ナンバーは#99になっているのですが、一回だけ


日に二度更新した日があり、実は100回目の更新です。


4ヶ月半で100回。さぼりすぎですね~(笑)



と言う事で100回記念はとっても怖い秋の怪談を…。



少し寒くなってきた時期だった気がしますね…。


友人に呼び出されて、自転車で呼ばれたビリヤード屋まで行きました。


そのビリヤード屋は駐車場にたくさんコンテナが積んであり、カラオケボッ


クスもありました。



要は夜通し遊び倒そうと言うお誘いでした。


私の家からはかなり距離があったのですが、私は学校帰りにバイトをして


ましたので、その帰りにそのまま行く事にしました。



もう夜も遅く、日が変わった後で、急いで駆け付けました。


そのビリヤード屋まで行くには大きな川を渡ります。


私はその川に掛る橋を渡りました。その時、橋の下で大声で話している声


が聞こえました。



少しその声が気になり、私は自転車を停めて、橋の下を見ました。



いわゆるホームレス。その当時もそう呼んでましたかね…。ルンペンと呼ん


でいた記憶もあるのですが…。



ホームレスの男性が何かを一生懸命話しているのです。


どんな話をしていたか、詳しくは覚えていませんが、どうやら橋の下はどっ


ちの場所か、で争っているようでした。



一人はもう老人(と言ってもホームレスの年齢はわかりづらいのですが…)


もう一人は比較的若いホームレスでした。



私が見た時は既にその言い争いは終盤で、若い方のホームレスが負けて


その場を去るところでした。



私は上から見ていたのですが、その若い方のホームレスが悔しそうに土手


を登って行きました。



単なるホームレスの喧嘩か…。


と思い立ち去ろうとしたのですが、その時、その老人のホームレスが大声で



「お前は近いうちに死ぬから、安心せい…。」


そう言いました…。



そんなやり取りを私は横目に見ながら、友人たちの待つビリヤード屋へ行き


ました。



友人たちは楽しそうにビリヤードをしてました。


私も実はビリヤードは得意で、その後楽しんでいました。ビリヤードをやって


いる友人以外に、カラオケボックスで遊んでいる友人もいて総勢10名近い友


人がいました。



午前2時頃お店が閉まり、みんなで友人の家に行く事になりました。



10人くらいでゾロゾロと店を出ました。


すると前の国道で事故があったらしく、警察官が大勢いました。



その横を通り友人の家に向かうのですが、そこに救急車が止まっており、後ろ


の扉が開いていて、中から救急隊員が出てきました。



「被害者が亡くなりました。」


救急隊員は警察官にそう伝えてました。二人の警察官が救急車へ走って行き


ました。


警察官がカーテンを開ける時に救急車の中が見えました。



私たちは興味本位に立ち止まり、救急車を見てました。



警察官が出てきた。その時も救急車の中が…。




そのストレッチャーに横たわる人。




私がビリヤード屋に来る時に、河原で老人と言い争いをしていたホームレスだっ


たのです…。




私は老人が最後に大声で言っていた、


「お前は近いうちに死ぬから、安心せい…。」


と言う言葉を思い出しました。




少し不気味な気分になりました…。







車で来ていた友人が少し先で停まって待っていました。


その友人たちが呼ぶので、私たちは歩き出しました。



その友人の車のところまで行くと、



「夏に買った花火が余ってるから、今からやろうぜ。」


と言います。


みんなが喜ぶので、その先にある川。


そう老人とあのホームレスが言い争っていた河原へ行く事になりました。




車を停めれる場所を探し、その周囲に自転車を私も停めて河原におりました。


真夜中に10人くらいが河原に集まり、ワイワイ言いながら花火をするのです。


かなりうるさかったんでしょう。



遠くから足を引きずるようにしてやってくる影が見えました。



「うるさい!何時やと思ってんねん!」



その人影は大声でそう言います。



そう。その人影はあのホームレスの老人でした…。




私たちの近くまで来て、じっと私たちを舐めるように見回します。



私はその瞬間、さっき亡くなったホームレスの事がよみがえってきました…。



「こんな夜遅くに騒いだら迷惑やろ。」


その老人はそう言います。


当たり前ですよね…。普通に考えたら、夜中の2時過ぎに河原で花火なんて


そりゃホームレスでも怒るでしょう。



「じいさんルンペンやんけー。何偉そうに…。」


友人の一人がそう言った。



その時その老人の眼が光るように鋭く見えた。



老人は何も言わずにじっと私たちを見てました。


今思い出しても背筋が凍るような目つきでした…。



しばらく私たちを見ると、くるっと向きを変えて、来た方角、つまり橋の方へ歩き


出しました。



私たちはその後ろ姿を見ていて、その間ピクリとも動けませんでした…。


今で言うすごい眼力だったんでしょうね…。



すると、その老人は少し行ったところで立ち止まりました。


そして…。




「お前ら、帰り道には気をつけろよ…。」


そう言うとまた歩いて橋の下へ帰って行きました。




「なんやねん。ジジイ…。俺がしばく。」


友人の一人がそう言って橋の方へ歩き出しました。


若い頃の話です。そんな風に熱い友人もいましたね。特に女の子も一緒と


なれば、そうイキがるヤツもいるモノです。




「ちょっと待って…。」


私はその友人を止めました。



そして、さっきの事故で亡くなったと思われるホームレスとさっきの老人の


話をしました。




「帰り道気をつけろってさっき言ってたよな…。」


「どういう意味なんやろ…。」


「いつの帰り道の事よ…。」


「嫌や…何か怖い…。」


「何。預言者か…。それともジジイが願った通りになるんか。」


友人たちは口々にそんな事を言い出した。



もう花火どころではなく、さっさと帰ろうとみんなが言い出した。



老人の貫禄のせいか、私が話してしまった話のせいか…。


みんな帰ると言い出し、4人乗りの軽自動車に6人も乗って帰って行き、残さ


れた数人の友人と私も一緒に自転車を押しながら歩いて帰る事に…。



「何があるんやろう…。事故とかに遭うんかな…。」


「あいつら事故とかに遭ってないやろうな…。」



そんな事を言いながら、前後左右に異常に気を張りながら歩いてました。



結局、数人で友人の家まで行き、朝になるのを待ちました。





朝になり、車で帰った友人の一人のポケットベルを鳴らしました。



しばらくすると電話がかかってきました。



「お前ら大丈夫だったか…。」


そんな言葉を掛け合ってます。




みなさん「3年殺し」ってご存知ですか…。


何の根拠もなく、


「あなたは3年後の今日。死にます。」


と言われるのです。言う方は無責任にそう言うのでしょうが、言われた方は


3年目の今日が来るその日まで怯えながら暮らすと言う…。


恐ろしい技ですね…。



たぶん、あの老人はそれを知ってたんですね…。


いや…もしかすると、老人は何かの力を持っていたのかもしれません。


それはわからないままですが…。



その時集まっていた友人は全員、今のところピンピンしてます…(笑)







TODAY'S BGM 「防波堤の上」 浜田省吾