組織の病気のパターン「心臓のトラブル」 | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

組織を人間として捉えた場合の、

組織の機能不全について少し記載

をしたい。組織も生き物である以上、

健全な時も、病気になる時もある。

 

人間の場合の病気のパターンから

組織の場合の病気のパターンへと

考えることにより、解決方法も見えて

くるのだ。では組織の病気の方を

みてみたい。

 

三位一体の理論より、図のような

3つの要素がバランスよく成り立っている

のが健全な状態であった。

これが病気になると、どれかが途絶える

ことで、機能不全を起こすのである。

バランスが取れなくなった状態を、

”病気”と呼ぶのである。

 

 

・心臓のトラブル

〇組織形態からみた場合

心臓は、からだ中に血液をめぐらせる

ポンプの役割を担っている。

組織で心臓の役割といえば、

無尽蔵に働き続ける組織の要となる

ポジションであった。詳細はこちら

休むことなく、ひたすら働き続けてくれる

その姿勢に、そのエネルギーに、組織の

皆が圧倒されつつ、ついていくのである。

 

その心臓の役割の担当者が愛されたい

という思いで、必死に体を酷使し、働き

続けている場合、組織は徐々に疲弊し

ていく。皆がそろって無尽蔵に働き続け

られるわけではない。

定時で帰らないといけない人もいるし、

パート勤務の方もいるかもしれない、

子供が熱を出したと急に帰らないと

いけなくなった人もいるであろう。

そんな事情もお構いなしに、無尽蔵に

会社に忠誠を誓って働く人のみが

立派だ!という波動をだされると、

たちまち組織は疲弊して、やがては

機能不全に陥るのである。

 

〇各メンバーからみた場合

自分の中心で生きている人というのは、

自分のハートで物事を決める人である。

つまり、調和、喜び、愛の中で生きている

人のことなのである。

一方、心臓にトラブルのある人は、それ

とはまったく反対の生き方をしている。

つまり、限界を超えて無理な努力をし、

肉体を酷使しているのである。

 

組織も同様であり、組織の心臓の役割を

担っている人が、限界を超えて無理な

努力をし、肉体を酷使しているような組織

であったならば、やがて組織は疲弊して

いくのは間違いない。

心臓にトラブルを抱えている組織は、

組織本来のニーズを無視して、他の組織

などから感謝される、愛されるために

すごく無理をしているのである。

各メンバーが組織を愛していないので、

無理な労働をすることによって、他の組織

から愛されようとするのである。

 

〇管理職からみた場合

他人に依存している人は、いつまでも、

愛を他人からもらうという行為を繰り返さ

なければならない。でも、もしあなたが

自分を愛し、自分を大切にするならば、

愛は常に自分の中心にあるということが

わかるであろう。愛を他人からもらう必要

などまったくないのである。

 

組織も同様で、自分たちの組織はお荷物

であり、いつまで他組織に依存している、

と思っているのならば、いつまで経っても

無理な労働をすることで、愛されようとする

行為を繰り返すのである。

でももし、管理職含む各メンバーが自分の

組織を愛し、組織を大切にするならば、

愛は常に組織の中心にあるということが

わかるであろう。愛を他組織からもらう

必要などまったくないのである。

決して無理な労働をすることで、他組織

から愛されようとする行為は必要ない

と気づくであろう。

 

 

・解決方法

〇組織全員への質問

組織形態に起こっていることを最も的確

に言い表わすには、どんな言葉を使えば

いいだろうか?

今、組織形態に起こっていることを、

どんな風に感じているだろうか?

 

この質問に対する答えをみれば、

その病気を引き起こした人や状況に

対して、組織がどう感じているかが

明らかになる。なぜなら組織も生き物

なのであるから。

 

〇各メンバーへの質問

A.この病気があるせいで、組織は何を

することができなくなっているだろうか?

 

この質問に対する答えをみれば、

ブロックされている組織の欲求が

あきらかになる。

 

B.この病気があるせいで、組織はどんな

形態になれずにいるだろうか?

 

この質問の答えは、例えば、

「組織は、”無理のない愛ある形態”

になれずにいる」といった内容になる。

 

〇管理職への質問

組織が”無理のない愛ある形態”になった

としたら、組織の将来は、どんな嫌な事、

または困ったことが起こりえるだろうか?

そのことで私は、どんな風に組織を

裁くだろうか?

また、他の人たちは、どんな風に組織を

裁くだろうか?

 

この最後の質問に対する答えは、

”管理職の”、ためにならない思い込み

を明らかにするのだ。

この思い込みは、組織の欲求を

ブロックし、組織が成りたい形態に

なることを阻止している。

その結果、組織形態に問題が

起こっているのである。

 

「無理のない愛ある形態になりたい!」

これが組織が本来なりたいものを

表している。でもその欲求は、管理職の

思い込みによって阻まれているのだ。

”誰が急なトラブルなどを処理する?”

”誰がこの資料作成をしてくれる?”

などといった管理職の思い込みである。

 

管理職は、役に立たなくなった

思い込みを知ることが出来たであろう。

組織が成りたい形態になることを妨げて

いる思い込みを自覚することができた

であろう。

 

原因は、ずっと以前に、もう二度と痛みを

感じまいとして、そうした思い込みを作って

しまったトラウマとコンタクトを取って、

管理職がそういう思い込みを作ったという

ことを完全に許すのだ。

そして、幸せになるために、その思い込み

をまだ管理職が必要としているかどうかを

問うのである。

もし答えが「イエス」であるなら、

その思い込みはまだ、組織のために

なっているということだ。

ただし、その思い込みを持っている限り、

組織は必ずまた同じ問題に遭遇する

ことになるであろう。

 

もし、管理職が、これ以上その思い込み

を持っているのは嫌だと心の底から

思うなら、組織に対して、成りたい組織

になることを許し、そのために必要な

行動を起こしていくべきである。

誰かが犠牲になって働くことが必要!

という愛のない考えではなく、組織に

とって急ぎでやらねばならない!と

組織の全員が感じ、組織の全員が

愛ある考えからの自発的な行動

とれるように管理職は組織を促して

いくべきである。

 

さあ、勇気を持って前に進もう!