五重塔もリノベーション?
現場日記は一休みして、余談ですが。
私が活動している町は、一休さんが晩年過ごされた報恩庵一休寺がある町ですが、その他にも国宝十一面観音像がある大御堂観音寺があるところでもあります。
観音寺は奈良時代の創建といわれ、何度かの火災で幾つもの建物が焼失してしまい、現在は大御堂しか残っていないと言います。
五重塔は1437年の火災で焼失した後再建されなかったと伝わっていて、今は芯柱の礎石のみが残っています。
近年地元の人たちの中から戦後途絶えていたこの寺での祭りを復活させ、そのことを一過性のものにしたくないと言う気持ちから、五重塔再建と言う長期目標を掲げたと言います。
再建そのものは孫の時代に成るかも知れないが、取組を通じて文化の伝承や地元を愛する心を育てていきたいと実行委員会改め“講”となった役員さんは意気込んでいると言う。
リノベーションではありませんが、良い物を長く後世に伝えると言う意味では、通じるものがあるのでは。
歴史的建造物のリノベーション
以前見学に行った時に撮ってあった写真を思い出しました。
大阪は中之島公会堂です。
かなり古くなって取り壊しか・・・・・と言われていた建物を大々的にリノベーションして再生させた、リノベーションの典型でしょうか。
基礎は以前は松の杭が打ってあったのですが、現在は見事な免震構造になっていて、見学することが出来ますし、その取り除かれた松杭も展示してありました。
内部には以前は無かったエレベーターが付けられており、内装は古いものを残しながら、新しい部材も取り入れて素晴らしい出来栄えです。
私は、学生の頃にこの公会堂でウッドストックの映画が上映された時に来ていて、古い公会堂も知っていましたが、見事な再生でした。
何でも簡単に壊さずに、古き良きものは残して新たな価値を見出して後世に伝えて行くことも私たちの大切な仕事だと思っています。