こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミ等をお届けしています。

 

これまでのお話:

 

 

 

 

予想外の段取りの悪さで、準備にこれまた予想外に時間が掛り、しかしこれまた予想外に一向に使われず…そうこうする内、何とランチの時間に?!

 

 

実は、あまり動いていなかったせいかさほどお腹が空いていなかった…と言いつつ、勿論ランチはありがたく頂くもう今日はもうこれで帰ってもいいわ(働けよ!)

 

しかもこの日のランチ時間は何と1時間?!いつもは30分なのに、こんなにのんびりしているという事は、これはランチの後すぐWrapではないか?!…という予想さえ出来たので、もう帰る気満々でいた…ランチ後にすぐWrapでも、小道具を返したり、着替えたり、さらにマンハッタンまでバスでも取らなければならないから、まぁ、カーサービスの料金くらいは元が取れているかもしれない

 

ところが、そのランチの後にも撮影続行まぁ、そりゃそやろうな…ここでまた多くのBGが呼ばれたが、私にはお声は掛らない…ふと気がつくと、ホールディングに残っているのは、さっき呼ばれて廊下で共に待った人達ばかり?!…という事は、私の出番のあるシーンはもう終わったんちゃう?!

 

そこへ、小道具係の人が現れ、ツカツカと私のところに来て「これ借りていくね。」と今度は私の最後の小道具、ジェラルミンのクリップボードを持っていく?!まぁ、どうせ使っていないのだし、この小道具は邪魔だったので、持って行かれて困る事はないのだが、問題はこれで私の小道具は1つもなくなった…つまり借りた小道具を返さないと、私のIDも返してもらえないのだが、その事で後々問題になったりせんか?!…これまで、一旦借りた小道具を途中で持って行かれる事なんて一度もなかったので、この点が少し不安だったが、まぁ、それは後で心配することにする…それよりも、これで私の出番はもうないなという予想が、ほぼ確定した…

 

やがて、そのシーン撮影が終わり、呼ばれた人達が戻ってくる…結構長いシーンだったようで、その時点ですでに10時間越え?!よっしゃ!オーバータイムや!

さすがにもうこれでWrapだろう…と、帰り支度の荷物の整理など始めていると、いきなり「医者達と看護師達!」と、再び私も現場に呼ばれる?!えっ?まだ撮影やるの?!…しかも出番かい?!

 

しかし私は看護師の小道具何もないんですけど…仕方がないのでそのまま行くと、やがてADがそれに気づき、「彼女に小道具あげて」とPAに指示する…するとPAは最初、私が小道具をホールディングに置いてきたと思ったらしい?!アホか!素人じゃあるまいし、そんな事するわけないやろう?!…そこで改めて、私の小道具は持っていかれた事を告げると、そのアホPAは「じゃぁ、ID取りに行って。」だぁ~かぁ~らぁ~!私のIDはすでに渡して小道具借りたんやけど、それをまた持って行かれたんやっちゅうの~!…なのにボケPAは「え?君ID持って来てないの?」…いい加減ブチ切れそうになった時、小道具を持って行かれた時を見ていた別のPAが、そのボケに状況を説明してくれ、ようやく看護師小道具をゲット…その時小道具係がまたIDを要求しそうになったので「あなたはすでに私のID持ってます!」…そもそも私の小道具持っていったの、あんたやんか!…さすがに向こうもそれを思い出したようで、その件は解決…また、このお陰で終わった時に私のIDもすんなり返してもらえた

 

さて、小道具も借り直し、準備ができたので指示を待っていると、いきなり撮影のリハーサルが始まる?!ちょっと待ってぇな!私、まだ何にも言われてないんやけど?!

それは廊下のクロスだったので、BG達は廊下の端で自分の出番を待っている…しかし私は何も指示されていないので、おそらくこのシーンでは要らんのかな…と、そのままそこで待っていると、ある時いきなり「行け」というキューを出された?!…何やねん?!要るんかい?!

 

そこで急いで前のBGに続いて、廊下をクロスする…その出のタイミングは確認した方がよさそうやな…と思いつつ戻ると、キューを出したPAが「出のキッカケは、私がキュー出しするから」と言う…それなら出トチの心配もないから、安全である…ただ、たまにPAがキュー出しを忘れることがあるので、もし何テイクもあるようなら、自分できっかけを覚えておく方が、「より安全」」ではあるのだが…

 

その時、ADが「クロスは最初の3人だけでいい」と言ったので、私を含むそこにいた半分以上のBGが、また「待ちの廊下」にやられる…何やねん?!結局要らんのかい?!

その「待ちの廊下」には、幸い椅子があったので素早くその1つに座る…朝早かった事もあり、もう眠くてたまらないが、おそらくこのシーンの後、さすがにWrapだろう…と予想を立て、ひたすらその時を待つ

 

ところが、またもや予想に反して、ここからがまた長かった…しかも、やっとそのシーンが終わった後、今度は別のカメラのセッティングを始めるではないか?!…まだやるんかい?!

カメラのセッティング中は、出番はないので、普通はここで休憩できる…実はトイレに行きたかったのだが、もしここで立ち上がったら、この椅子は誰かに取られてしまう…この後またどれだけ待たされるかわからないから、できれば椅子はキープしておきたい…しかし撮影が始まってしまうと、このフロアでは騒音の為トイレには行けなくなる…さぁ、どうする?!

 

まだ我慢できない程ではなかったので、迷いつつそのまま待っていると、やがて「Last look!」という声が聞こえた…これは「撮影の準備が完了したので、俳優のメイクのタッチアップをしろ」という事である…しかし私には何の指示もなかったから、私はこのシーンでも要らないようだ…ならホールディングに戻っても良かろう…とPAを探すと、何と彼らはさっさとエレベータに乗り込んでいる?!…そこに残された「待ち」のBG達はみな唖然としていると、別のPAが「あんた達Wrapだから、ホールディングに戻っていいよ!」と言う…何や、終わりかい?!

そこで小道具を返し、ホールディングに戻って着替え、衣装を返し、チェックアウトして、ようやくトイレへ直行

 

そしてまたプロダクションのバスで一緒にマンハッタンまで戻り、バスを降りたところまでが勤務時間で、何と14時間越え?!こんな長丁場になるとは、これまた予想外だった

 

本当に今日は、予想した事はことごとく外れたが、「今日は使われないかも」という予感だけは、不思議と的中していた

 

 

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