こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミ等をお届けしています。

 

そのプロダクションについては、他のBGの人達から時々耳にしていた…いずれもツッコミ満載エピソードで、例えば「真冬に夏服での屋外撮影」…それもガーデンサマーパーティーのシーンだったそうだが、その日の外気温は氷点下?!…普通ならばそういう時は、Bumpという特別料金(と言っても、雀の涙程だが)が出るはずなのだが、最初それは適応されておらずサマードレス(生地も薄く、めちゃくちゃ寒い!)の女性BG達が苦情を言った結果、女性だけにBumpが出たが、男性は無し?!…とか、無茶苦茶長丁場でゴールデンタイム(16時間以上)が続出しているとか?!…まぁ、この辺りはかなり話に尾鰭がついているのだろうが、ここと仕事する時は、ちょっと注意が必要!…という情報が仲間内で共有されていたからだ…それも大っぴらにSNSには書けないのだが、昔ながらの口コミ伝達だけに、説得力倍増である…

 

そんなある時、立て続けに幾つか「仮押さえ」されていた仕事がドタキャンされ、すっかり弱気になっていた時に来た仕事を受けたのだが、ふと気がつくと、そのエピソード満載プロダクションだった!…もっとも寒がりの私は、冬場の屋外撮影は基本的に避けていたので、それは屋内だったから、まぁ大丈夫だろう…と予想していたのだが、こうした予想が悉く覆される?!…というような、一筋縄ではいかないプロダクションだった

 

その「仮押さえ」は撮影の2週間くらい前だったので、やがてその事はすっかり忘れてしまい(忘れるなよ!)、ある時とある仕事にサブミッションしようとして、それが既に仮押さえされているのと同じ番組であった事に気がついた…しかも仮押さえされていたのは病院のシーンの看護師役だったのだが、何とそれも同じく病院のシーン、しかもロケーションまで同じではないか?!…あぶね〜!またサブミットし直すところだった…と胸を撫で下ろしつつふと見ると、何とそれは私が仮押さえされている日の前日?!

 

ここでふと疑問が浮かぶ…これは全く別のシーンなのだろうか?…それとも同じシーンで日付が変更になったのだろうか?…普通は変更になった時は、ちゃんとこちらにも連絡してくれるはずなのだが、そのキャスティングは送った情報に、「受け取った」という返信を送らなくていい事になっている…つまり、向こうは送ったつもりでいて、私が受け取っていなくても向こうには分からないし、私に至ってはそんな情報が送られた事さえ知らないまま…つまり知らないうちにキャンセルされている?!…という場合もあり得るわけである…まさかそんなアホな事が?!…と思うかもしれないが、そういう事が起こってしまうのがニューヨーク…疑わしきは聞け!…というのが大前提なので、即座にキャスティングにメールで問い合わせる…

 

すると、割とすぐに返事が来て「それは別のシーンで、あなたが働くのはその翌日だ。」とあっさり確認?!…まぁ、知らない内にキャンセルされていなかった事にはちょっとホッとする…

 

ところが、いよいよその仕事の前日中々コールタイムの連絡が来ない?!どうなっとるんや?!…と思ったら、キャスティングから「コールタイムは今夜11:00pmから11:30pmの間に送る」というメッセージが届く?!

 

そこでこういう予想ができる…その前日には、例の病院の別なシーンの撮影が行われているはずである…そのロケーションはまたもやお隣のニュージャージー州…ただでさえ、州外の撮影は往復の時間もあるので長丁場になりがちである…(過去記事参照)…しかもそのプロダクションは長丁場で有名?!…それは週の初めだったのでおそらく朝も相当早かった事だろう…それが11時まで翌日の予定が分からない…という事は、きっと撮影が長引いているのに違いない…という事は、翌日の朝のコールタイムは比較的遅いのではないか?!…というのも、クルーの為に撮影の間を10時間空けなければならないからだ…ということは、もし撮影が終わったのが11時なら、翌日のコールタイムは9時以降?!…まぁ、そこまで遅くなくても、せめて6時半以降なら、地下鉄で行けるのだが、5時半や6時前ならまたカーサービスを使わねばならない…その分帰りも遅くなるが、早朝よりマシである…

 

もうすっかり遅いコールタイムのつもりで、やや遅い時間に夕食をのんびり食べたりしてくつろいでいると、9時過ぎにいきなり「今コールタイムのメールを送りました。」というテキストが届く?!…何やねん?!11時まで分からんのと違うんかい?!

 

慌ててメールをチェックすると、何と翌日のコールタイムは早朝の5:45am?!そしてクルーのコールタイムはさらにその2時間後である…やられた…またもや、クルーだけ遅くして、連続で働いていない我々は早い?!…逆を言えば、同じBGを連続して使わなかったのは、この為かもしれない…

 

観念してその日はなるべく早く寝て、翌朝3時前に起き、迷う事なくカーサービスで集合場所へ…早朝地下鉄に乗る危険もさる事ながら、外気温氷点下の中を15分歩くのが嫌だったので、この際安全と快適さを一気に金で解決する!

 

そこからプロダクションのバスでニュージャージー州へ…道中30分程は爆睡し、目が覚めたらプロダクションのベースの近く…ここにスター達のトレーラーが集まっているわけである…到着して、あれらのトレーラーに直行できる日はいつ来るのだろう…

 

 

しかしこれまでの事は、悉く外れる予想のまだまだ序の口に過ぎなかった…

 

その2へ続く)

 

 

★過去記事★