こんにちは。NYで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場からのレポートなどをお届けしています。

 

これまでのお話:

インターネットのおかげで、こちらが仕事を探すだけではなく、雇い主の方からも、ネットで役者を探し出してくれるようになった。しかし、そうして役者にアプローチしてくるのは、雇い主だけではない…雇い主を装った、プロの詐欺師達も、さまざまなアプローチをかけてくる…

 

NYのスタジオ撮影?!

では、詐欺メール(そのメールはこちら) で指摘したRed Flagについて、その番号順に解説を続けたい。

 

撮影の拘束時間は1~2時間くらい

確かに、実質的な撮影自体は短時間で済む場合があるが、ヘア&メイク、着替え、ライトの設置など、実はその前の準備段階に何かと時間がかかるのが、撮影なのである。

だから普通は、撮影日、モデルは念のために、原則は丸一日ブックされる。ラッキーにも数時間で終わる事もあるが、時には待ち時間も入れると10時間くらい拘束される事もザラである…なのに、1~2時間くらいしか拘束されないような事を言うのは、撮影の現場を全く知らないか、「忙しいあなたでも大丈夫」という偽のイメージをアピールしたいか…どちらにしても、大いに怪しい事に変わりはない。

 

もしその日御都合が悪ければ、その翌週以降に変更できますので、御都合のいい日をお知らせください。

もしあなたが世界的なスーパーモデルであれば話は別だが、撮影日程は、普通はモデルの都合で決められるものではないし、もし誰かの都合を重視されるとしたら、それはモデルの都合より、むしろフォトグラファーの都合の方だったりする…

たとえ実際の撮影は1日しか必要なくとも、撮影予定日が3日間あれば、モデルはその全ての日にHold(仮押さえ)されるのが普通で、時にはその日にできるかどうかがブッキングの条件になる事さえある…つまり、撮影日に合わせるのはモデルの方…というのが普通なのである。

これも「忙しいあなたでも大丈夫」という偽イメージをアピールするためであることは、想像に難くない。

 

撮影は、あなたのお住いの近くのスタジオで行いますので、あなたは遠くまで移動する必要はありません。

撮影日と同様、撮影場所をモデルの都合に合わせるというのもあり得ない。そもそも貸しスタジオならどこでも撮影現場に使える…というわけではないのだ。ライトなどの機材を運び込んだりしなければならないし、これはプロダクション、またはフォトグラファーの都合による。そもそもスタジオ撮影の場合は、そのフォトグラファーのスタジオで撮影も行われるのが普通である…たとえ、そのフォトグラファーが自分専用のスタジオを持っていなかったりしても、プロのフォトグラファーなら、いつもよく使うスタジオというのは当然あってしかるべきで、それがないようなフォトグラファーというのは、あまり仕事をしていないか、本物のプロのフォトグラファーではないか…ならば有名ブランドがそんなフォトグラファーを使うか?!

 

(その6へ続く)