妄想恋愛シミュレーション -8ページ目

セイジャク。⑪



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(和弥)


リビングのローテーブルの上に散乱していた本をオレは必死で片づけた。


昨日、病室で【癌】という言葉を聞いて


帰る途中に買いあさった【癌】に関する本。


ゆうは笑顔で「ありがとう」と言った。


オレは何も答えられない。


積み上げた本をテーブルの下に置き


ゆうにソファを勧める。


ゆうは立ったまま


「最初に私の私物を片づけたいの」


と言った。


思わずため息が出る。


別れる気、満々じゃない。


風呂場のシャンプーとか、洗面所の洗顔フォームとか、着替えとか、そういうものでしょ。


オレに片付けさせるのも悪いとか思ってるんでしょ。


洗面所へと向かおうとするゆうの背中を追いかけ


力いっぱい抱きしめた。


「さっきさ、先生に言われたんだよ。ゆうの意思を尊重するのも愛情だって。でもオレは一日でも長く一緒にいて、一日でも長く君を幸せにする愛情を選ぶ。君が拒否しても、君がオレを憎んでも、君に手術を受けさせる」


「・・・」


「君は僕に絶望的な孤独感を味あわせたくないって言ったよね。でも、ここで君と別れて、オレの知らない場所で、ホントに君が天国へ行ってしまったとしたら、オレは間違いなく、絶望的な後悔を一生背負ってく。孤独感はどうにだって出来る。幸いオレには兄弟がいる。孤独に苦しんだら泣きつく場所がある。でも、後悔はどうしようもない。自分を責め続けるだけ。誰かがそばにいてくれても、後悔が薄れる事は絶対ない。どうか、オレの気持ちも分かって。別れるなんて言わないで。もういいなんて、言わないで。ずっとオレのそばにいる道を選んで」


あーやっぱり、オレ、泣いちゃった。


泣き落としだけはしたくなかったのに。


でも、体裁なんてどうでもいい。


ゆうが


頑なな心を少しでも開いてくれるなら


オレは土下座だってなんだってする。


泣き落とし位、どうってことない。







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和弥の涙の説得に、ゆう(あなた)は


【迷惑をかけたくない】という気持ちと


【ずっと一緒にいたい】という気持ちの間で


激しく揺れ動きます。


最終的に、ゆう(あなた)の選ぶ道はどちらですか?



大切な人に迷惑を掛けたくないから別れる   → セイジャク。Aへ


やっぱり最後まで一緒にいたいから別れない → セイジャク。Bへ


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