妄想恋愛シミュレーション -7ページ目

セイジャク。A-1

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A-1



(尋弥)


ずっと、不思議だった。


和弥が変わった事。


どんなにふざけてても、どんなに酔っ払っても、決して本音を言わない。


決して弱みを見せない。


俺たちが相談することはあっても、あいつが相談を持ちかける事はまず無い。


俺たちを信頼してない訳じゃない。


むしろ、心底、信じてくれてる。


それでも和弥は、どこか冷めてて、


俺たちの輪の中から、片足だけが出ているような、そんな存在だった。


それが最近、和弥が変わった。


一緒に観てたVTRに感動して泣いたり、


理弥のドラマの演技を素直に褒めたり、


智弥と奨弥、トップ二人の兄貴に意見を求めたり。


周りにいる俺たちは、面喰いながら嬉しくてにやけてた。


でもやっと分かった。


あの人の影響なんだな。


予想外にボーイッシュな感じの女性。


和弥はずっと、すべてにおいて女性って事を強調してくる女が好みだと思ってた。


そう思わされてたのも、和弥のテクだったって事なんだろうな。




あの時の和弥。


間違いなく泣いていた。


うるんだ目を隠す事なく、オレを見据えて言った「一生賭けて大切にする」って言葉。


俺は身震いした。


ある種の感動に襲われた。


俺もいつか、あいつに宣言してやる。


「俺が一生賭けて大切にする人を紹介するよ」って。




それがさ。


和弥の様子がおかしいんだ、最近。


あれからたいした時間が経過した訳じゃない。


仕事に向かう顔が厳しい。


自分を追いこんで、仕事をしている気がする。


今までみたいに、早く帰りたがったり、


台本よりもゲーム機を持ってる時間が長かったり、


休みがない事に文句を言ったりする事が全くなくなった。


俺たちが心配になってる。


ストイック過ぎるんじゃないか。


ちょっとは息抜きもしろよ。




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