妄想恋愛シミュレーション -44ページ目

FRATELLI 第1章ー16

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第1章ー16





(ゆう)


バカだな、あたし。


また、騙されちゃった。


その言葉が根底にある。


でももう泣くのも、傷ついて落ち込むのも嫌だった。


だから、


「印税で、リョースケを大学に行かせてやれる」


「これに懲りたと言えば、他の仕事も断れる」


「興味を持ってくれる人がいたら、私の油も見てもらえるかもしれない」


などと、なんとか自分を納得させる理由を呟いてみたりした。


でも


気持ちは全然上がってこない。


むしろ、虚しくなって、また思う。


バカだな、あたし。


何時間、ここにこもってるんだろ。


リョースケが学校から帰って、多分、リビングに置きっぱにしてきたイラスト集見て、それで心配して来たんだろう。


何度もアトリエの外から「コーヒー淹れたよ」と声を掛けてくれる。


「あとで飲むから、リビングにおいといて」


あたしが答えると


「わかった。早く出ておいで」


と言って、リョースケは家に戻っていく。


ホントにいい子。


リョースケには、ずっと色んな心配をさせてきた。


色んな我慢をさせてきた。


だからこそ、彼がこっそり願っている「美大に進学したい」っていう気持ちをかなえてやりたい。


そう、だからこれで良かったんだ。


ここは私のプライドなんて捨てていい、リョースケのため。


お金のため。


悩む事なんてない。




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突然、誰かの声がドアの向こうから聞こえてきました。
誰の声でしょうか?


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