妄想恋愛シミュレーション -46ページ目

FRATELLI 第1章ー14

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第1章ー14





(奨弥)


あれからも、二人はゆうさんと変わらず仲良くやってるらしい。


変わらず、というよりむしろ、深くなったようにも見える。


二人がどんな感情で、あの人と交流を重ねているのかは知らないけど、僕にはどちらも不思議な画にしか映らない。


ゆうさんは、僕や理弥や和弥にも、小さな挨拶をくれるようになった。


少しずつではあるけれど、確実にゆうさんは変化してる。


智弥とスケッチブックに落書きをしている時、尋弥と同じ本を覗いてる時、とても自然に微笑んでいるゆうさんは、心を患っている人には決して見えなかった。




僕たち5人も仕事の幅が増え、モデルとしてより芸能人として扱われるようになってきている。


理弥のテレビ露出度は中でも一番多く、彼の持つ天性の明るさが、見ている人たちを元気にしてくれる。


僕たちの中ではイジラレ役だけど、それは兄弟全員が彼の事が大好きで、彼の笑顔がみたいからなんだ。


和弥は常に台本を幾つも抱える、売れっ子俳優になった。


彼はいつも飄々としていて、頑張る事が嫌いな風に見られがちだ。


でも実は、人一倍ガンバリ屋で、人一倍努力するタイプ。


彼がこれからどんな才能を開花させていくのか、僕はとても楽しみにしている。


尋弥、彼は正しくモデルになるために生まれてきた人間だ。


同じポーズをとっても、同じように笑顔を作っても、彼のスマートさには誰も叶わない。


身体から発するオーラの凄さ。


人を惹きつけるくせに、人を寄せつけない、カリスマ的な立ち位置。


多分、兄弟の誰もが思ってる、彼は僕たちの誇りだ。


そして智弥。


人前に出るのが苦手。


芸術家肌。


そういう意味では、ゆうさんと気が合うのも分かる気がする。


周りからは、だめな長男的に見られているけれど、僕らの中ではやっぱり智弥は長男で、僕たちの揺るぎない基礎なのだ。


心の支えとなっているのはやっぱり智弥。


そんな智弥も、古代の壁画を特集するドキュメンタリー番組に一人で出演するようになり、僕たち5人揃っての仕事は少しずつ減っていった。





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