FRATELLI 第5章ー15
第5章ー15
(理弥)
なんとなく。
ホントに、理由とかあるわけじゃなくて、なんとなく。
ゆうさんの事を考えてる時間が多くなった。
ゆうさんの事を考えてると、不思議と優しいものが目に入ってくる。
ロケ先で咲いてた花とか。
楽屋に差し入れられたおやつの包み紙の柄とか。
マンションの前に居座ってるノラ猫のあくびとか。
わたあめみたいな雲とか。
今まで、気にしたことがなかったような、些細な、でもとても感動的な瞬間。
僕はそれを携帯のカメラで切り取る。
切り取った瞬間を、題名も本文も入れずに、メールでゆうさんに送る。
返信はない。
こんなの、迷惑かな。
でも、送らずにはいられない。
だって・・・
あなたを思って、あなたに見てほしくて、あなたに送りたくて、撮った写真だから。