FRATELLI 第5章ーB
第5章ーB
(理弥)
ゆうさんの新しい携帯アドレスを尋クンがゲットしてくれて、それからまた僕は毎日、写真を送り続けた。
もちろん返事はない。
それでもまた、繋がる事が出来て嬉しかった。
携帯が解約されたと知ってからも、僕は写真を撮り続けていた。
ゆうさんを想いながら。
だから、返事なんていらない。
撮った写真を見てもらえるだけで、僕は満足なんだ。
久々に「ジュ・ルーテ」の広告用の撮影で内山さんに会い、相変わらずゆうさんの様子がわからなくて心配してると聞いた。
僕はその撮影終了後、ゆうさんに写真抜きでメールをした。
≪どうしてる?顔を見たら安心できそうなんだけど。チラッとでもいいから≫
暫くして、ポケットの中の携帯が振動した。
返信だ!
≪大丈夫。次のステップに進んでるから。あなたの写真に癒してもらってる。ありがとう≫
≪次のステップ?何かお手伝いしたい出来る事ない?なんでもする。雑用とかでもいいよ≫
≪あなたに雑用なんてさせられないわよ。気持ちだけ、有難く受け取っておくね≫
≪ね、お願い。一度会ってほしい≫
プツリと返信が途絶える。
焦る気持ちを必死で押さえて、30分待った。
これ以上待てない。
また携帯を開く。
≪今週の木曜日、1日オフなの。何時でもいい。1分でもいい。予定を入れずに待ってるから、会って下さい≫
これはもはや、泣き落とし状態だよ。
でも、ホントに会いたかった。
会って、声を聞けたら、胸の中のウズウズした痛みが無くなるような気がした。
携帯を両手に握って、返信を待つ。
何分経ったかな。
突然振動した携帯に、僕は「わ!」と驚いた。
≪もし、1日付き合っていただけるなら、一緒に行って欲しいところがあるんですが≫
言うまでもなく、僕は心を躍らせながら返信を打った。
