妄想恋愛シミュレーション -14ページ目

セイジャク。⑤

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(和弥)


≪今日、行けなくなりました。ごめんなさい。また連絡します。≫


メールが届いた。


こんな事初めてだった。


職場のスタッフが急に欠勤でもして、代わりを頼まれたんだろう。


前に、そんな事も時々あるって聞いたことがあるから。


でも、かなりガッカリした。


2週間ぶりだったのに。


仕方ないけど、仕方なくない気もして、ちょっとイラッとした。


顔だけ見に行こう。


そしたら気持ちがおさまる。


終わりの時間を聞いて家まで送るだけでもしよう。


会いたい気持ちが募るって歌の歌詞では良くあるけど


ホントにそんな感情ってあるんだな。


今日はどうしても君の笑顔が見たい。





スカイラウンジの昼の繁忙時間も終わる頃を狙った。


入り口で迎えてくれたのは支配人。


多分、この人は気付いてる。


俺たちの関係。


何も言わないし、何も聞かないけど


何となく見守ってくれてる感じがする。


笑顔が胡散臭いけど


長年の接客業でしみ込んじゃったんだろ。


「お客様、大変申し訳ございません。ランチの時間が終了してしまいまして、ティタイムとなっておありますが、よろしかったでしょうか?」


オレは店内に彼女の姿を探しながら「はい」と答えた。


そんなオレの様子に支配人は声をひそめて言った。


「西谷でしょうか?」


「ええ。今日は入ってますよね?」


支配人の眉間にしわが寄る。


「お聞きになっておられませんか?西谷ですが、昨日勤務中に倒れまして・・・」


「え!?」


オレの頭の先から出たような声が、静かな店内に響いた。


「救急車で運ばれまして、今日はそのまま検査入院しているようです。ただ、明後日はもう出勤できると本人から連絡をもらってますので、大事には至っていないようですが」


「どこの病院ですか!」





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