FRATELLI 第4章ー2
第4章ー2
(和弥)
毎年、2月17日は絶対に仕事を入れない。
5人で揃って亜弥子の死んだあの場所に行き、そのあと国立に墓参りに行く。
なのに今年は、俺が無理そうだ。
2月の間、映画の撮影でアメリカで過ごす事が決まっていた。
その時だけ帰れないかと策を練ったけど、虚しく俺のアイデアは打ち砕かれた。
「そんな時もあるよ。大事な時期だし、名誉な仕事なんだから、無理に帰ろうとしなくてもいいよ」
奨弥が言う。
「そーだよ。亜弥の事は俺たちにお任せ~」
理弥がまた首に絡みついてくる。
それをよけながら「ホント悪い」と皆に謝った。
「アメリカに行く前に、俺、一人で行ってくるわ」
「あ、じゃあ僕も行くよ」
そう言ったのは智弥だった。
「え、マジで?それは嬉しいけど」
一人であの長旅は結構しんどそうだから。
「じゃぁ、俺も行くゥ!」
理弥だ。
「おめーはいいよ!ついてくんなよ!」
「なんでだよぉ!!一緒に小旅行しようよぉ!」
「うるさいからいいってば!来なくてぇ」
「こいつ酷いよ!智クン、なんとか言ってやって!」
俺らのやり取りに我関せずの智弥が、突然名前を呼ばれて顔を上げた。
「え?何?」
「だからぁ!僕も一緒に行くって言ってるのに、和クンが来るなって言うの!」
「だって、こいつうるさいんだものぉ」
「うん。確かに理はうるさい」
智弥の言葉に理弥は崩れ落ちる。
「一緒に行きたいよぉ」
「まぁまぁまぁまぁ」
奨弥が理弥の肩をトントン叩いた。
「人数が多くなるとスケジュール合わせるのも大変になるからさ、今回は我慢しろ」
的確な理由に理弥は項垂れた。
