うそつきいじわるだいきらい。1011続きな成れの果てにてございまする。

(*θнθ)ノ

 

 

駄目駄目ヘタ蓮さん視点、はじめました。→ごめんねゆるしてあいしてる。

 



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「うそ……うそつき。だって……」



火に触れてしまった手を離す条件反射のように、その言葉の意味を飲み込んで理解する前に留めることも出来ずに……するりと私の口からこぼれていってしまっていたつぶやき。
「だって、つるがさんには……敦賀さんのきょーこちゃんがっ」
身勝手に詰るような響き声。ツンと鼻の奥が痛む。左右に首を振り、胸を押して敦賀さんの腕の中から出来る限りに遠ざかる。
「……キョーコちゃん?」
低い声が不思議そうに音にしたのは、私の名前と同じ響きの名前。
そう。だって、君に恋をしてるだなんて彼は言うけど……そんなのはどうしたって嘘だもの。
「ちがうっ……だって、敦賀さん呼んだの。代マネをしてた時の夜に…………きょーこちゃん、ありがとうって……」
もうどうにでもなれって自暴自棄気味な気持ちでそう吐き出した。
あんなに優しく、まるで口にする音さえ大切な宝物みたいに愛しげに呼ばれていた、敦賀さんの想いびとの名前。
敦賀さんの視線から逃れるみたいに頬を包む手から無理やりに顔をうつむかせかせて涙を隠す。だって、泣くと……困らせてしまうから。
なのに……
ずしっ!っと鼻の頭を押す指さき。グジュっと鼻の鳴る音。
端くれとはいえ女優の、仮にも乙女の顔に何をなさりやがるのかこのお方は!と……腹が立った。
「キョーコちゃん」
そう呼ぶ声に、だから、私じゃなくってとそう私を指さすこの恋愛唐変木な先輩へとせめて一言だけでも一矢報いようと、睨み付けて文句のひとつも付けてやろうとした私の眼に映ったのは……
「あの時、キョーコちゃんの夢を見てたんだ。昔、熱あたりで倒れた俺のおでこに心配そうに泣きそうな顔で冷やしたハンカチを乗せてくれた時の夢を。でも……自覚する前に、まさか本人に気持ちがバレてたなんて……なんだか」
ごにょごにょと、口もとを手で隠して言葉を濁して視線をそらせた敦賀さんの……頬が赤い。
少しだけ眉を落とした困り顔で頬を赤らめる敦賀蓮。そんなどうしてくれよう?なかわいらしさの超レアものな敦賀さんに目を奪われてしまっていると、コホンと小さく芝居くさい咳なんてついてみせた敦賀さんが私の名を呼ぶ。
「俺のキョーコちゃん」
と、敦賀さんが熱を出したあの夜と同じ笑顔と愛しげな低い優しい声で。





「どんどん綺麗に磨かれていく癖に無防備な君が他の男に攫われるのが許せなくて、強引に丸め込んで彼女になってもらったのに、今度は嫌われるのが恐くてキスも出来なくなるくらいに……最上キョーコさん、君に恋をしています。」




私だけを映す切れ長の綺麗な黒の瞳。
嘘のないまっすぐな、懇願するような不安の色さえ少し浮かんだその瞳。
敦賀さんの言葉の意味が、ストンと胸に落ちたみたいに胸へ熱が灯る。




「だから、お願い。別れるなんて言わないで。お嫁さんになってもらうまでは、俺の恋人でいてください。」





するりと、いつの間にか左の手が敦賀さんの大きな手に取られて……
私の左の手首にキラキラと煌めく石のあのお姫様のティアラみたいなバングルが。
別れを告げた昨日の晩に、カードキーと一緒に敦賀さんのお家に置いて来た筈の彼からの贈り物。







それを目にした瞬間に、ぷつりと張り詰めた糸が切れてしまったみたいに……もう、耐える事が出来なくなってしまったの。






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うちのキョコさんの恋愛回路は盛大に拗れておりますのでコーンバレくらいじゃ、即座にもしかして……なんて思考には至りませんとも。
( ´艸`)


次で終われると良いのですが、はてさてどうなることやら?



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


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