うそつきいじわるだいきらい。の続きなものらしいっすよ?

( ´ ▽ ` )ノ

 

 

駄目駄目ヘタ蓮さん視点、はじめました。→ごめんねゆるしてあいしてる。

 

 

 

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「うそつき………好きなひとが、いる…くせに…って…」
 
 
 
敦賀さんのそばにいる時間は、優しくて安心するのにドキドキして……嬉しかった。
だから、坊の中で知った敦賀さんのあの想いを、聞かなかった事に知らなかった事にして、目を逸らしてしまおうと思ったのに。
いつか、敦賀さんが告げる優しい別れの時までは
だけど、敦賀さんが笑う、その笑顔を向けられる度にどうしようもなく、寂しくて……
 
 
 
 
 
優しい妖精が促すままに私の胸を刺す痛みの棘を唇から溢れ落とした、その途端
「…………なんでっ!」
唸るみたいな小さな低い声。
チリチリと震えるみたいな空気にうぶ毛が逆立つみたいで
「コーン……?」
苛立ったみたいなその雰囲気に名前を呼べば、肩に回されていた腕にぎゅぅっと力が篭る。
「キョーコちゃんの他に好きなひとがいるって、敦賀さんに?……どおして、そんな!?あんなにっ!!」
肩に刺さるような大きな手の指とらしくなく憤るような強い、切ない声。
急変したコーンを取り巻く空気が、どうしてなのか解らずに困惑のまま溢してしまった。
「だって……聞いたのっ。敦賀さん……言ってたんだもん!!」
 
 
 
 
 
あの日、敦賀さんが専属ブランドのコレクションで撮影に出る前、暫く会えなくなるからその前に、少しでも、顔を見るだけでも出来るかなって……社さんに教えてもらった敦賀さんのスケジュールと照らし合わせて、こっそりと待っていたスタジオの駐車場。
車の影で、少しくらい喜んでくれたりするかもなんて考えていた私に聞こえてきた足音と声は、ふたつだった。
「今日で撮影が終わりで、敦賀さんに会えなくなるなんて……」
そう、敦賀さんを追いかけて来た人は言っていた。
今、敦賀さんが主演しているドラマの相手役の女優さん。
「私、敦賀さんの……恋人になりたいな」
聞いてしまった告白に、両手で口を塞ぎ息を殺す。
頭の中に、蓮は惚れさせる役なら本気で惚れさせるよと……前に社さんが言っていた事が浮かぶ。
しんっと、薄暗い駐車場に落ちた沈黙の後に
「……ごめん、その気持ちには応えられない。」
悲しみに突き落す拒絶の返答なのに、嫌になるくらい気遣うような優しい低い声。小さく漏れ聞こえる震える嗚咽に、返さなくていいからとハンカチを渡してるんだろう言葉。
「…大丈夫……あのっ!これで、最後に……ちゃんと諦めてみせるから……思い出に、もう一度だけ…………キスしてもらえませんか?」
敦賀さんとその女優が主演するドラマは……なんの変哲もない日常の片隅を背景にした泣きたくなる程切ない、キスシーンからはじまるものだった。 
お互いに強く惹かれ合っていることを知りながら、それでも互いの為に別れを決めたふたりの最初で最後の胸を刺すみたいに切ないそのキスは『ドラマ史上、最も美しいキスシーン』と呼ばれ、世間の話題と注目を掻っ攫っていた。
すらりと伸びた身長と優美で豊かな曲線美を描く身体、華やかな美貌と洗練された大人のもの腰。敦賀さんの隣でも色褪せることなく並び立つ、そんな……とても絵になる二人。
その彼女に対する敦賀さんの答えを……聞いてしまった。
 
 
 
 
 
 
 
「言ってたの……もう…演技以外では……あのこにしか……キスしたいなんて、思えないんだって…」
 
 
 
 
駐車場の片隅で見つからないように、唇を噛んで息を殺して…………
気が付くと、誰もいなくなっていた。
冷たくて硬いコンクリートの上に、ぽたりと落ちた雫。
するりと胸に入り込むように、ふに落ちてしまった。
もう……って言ってらしたから、もしかしたら敦賀さんはあの、一途に想っていた『きょーこちゃん』と……キス、したのかもしれない。
でも、今、敦賀さんの隣には『きょーこちゃん』はいなくって。
私を、あんなに嬉しそうに『彼女』だなんて呼んでみせたって……
ただの後輩からのワインゼリーのお礼に頬チューだってする遊び人のくせに
 
 
 
あぁ、なんだ、やっぱり……うそつき。
 
 
 
 
 
 
 
「敦賀さんは…………私に、キス…なんて…しない…」
 
 
 
 
瞼を覆う大きな手のひらを濡らして頬に涙が伝う。
胸に抱えて込んだ小箱の中で、恋心がジクジクと痛む。
その痛みと苦しさを、呼吸にさえヒクつく喉から吐き出した。
その次の瞬間、両目を覆う手と肩の腕の強い力に、身体を捻るようにふり仰がされて





私の思考と呼吸は……
覆いかぶさるような熱に奪われた。
 
 
 
 
 
 
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なぁーに、やってくれやがったんでしょうね!?あの妖精詐欺師さんは。
(^▽^;)
 
 
うひゅーい、おかしいぞ。そろそろ終わる予定の筈だったのになぁ……
もうちょいと続けて大丈夫でしょうかね?
 

↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

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