十月のハロウィンのイベントが終わった途端にXmasムードで十二月まで引っ張るのは少々ウンザリする
第3四半期すべてが異国の宗教的なイベント商戦という雰囲気にはだんだん耐え難くなってくる、ここ数年は特にそう感じる
しかし以前は年中通して大陸文化のみだった、ハロウィンという大人のコスプレ祭りがここまで流行る少子化前のこの季節は
日本古来からの通過儀礼の七五三の季節で千歳飴を持った子どもたちの景色で溢れていた
現代も七五三の行事はあるもののハロウィンとXmasの大人の遊びの行事が繋がり十一月はウンザリの雰囲気に満たされてしまった
日本の奇数月には節句がある、それを大切にしてきた習慣があった
明治からの西洋文化や戦後のアメリカ文化は偶数月に入ってくるのをかろうじて容認してきた
その代表がXmasとバレンタインだという、いずれも年末年始の経済活動を奮起する商戦でもあるが
飽きっぽく忘れっぽい日本人には複数月も同じ雰囲気は適していないようで、前後の和風の空気を一新できた
日本は古来から一神教ではなく渡来外来の文化を受け入れ続けてきた、それが奇数月にある節句の伝統行事
丸の内から銀座
これらを含めて日本らしい文化習慣、古代から大陸の文化を受け入れてきた、しかし近年逆現象が起こった
偶数月の二月に奇妙な平成文化がコンビニから全国に広まった、節分は受け入れても恵方巻にはウンザリする
正月ムードに飽きた頃におせちもいいけどカレーもね!と新しい風が吹いていたのにまた和風かよ~の恵方巻
バレンタインとカレーと恵方巻ではお腹一杯、翌月のホワイトデーもかげりがある、なぜなら桃の節句のひな祭と春のお彼岸がある
では翌偶数月の四月は再び異国文化のイベントか?
四月は異文化が入り込む余地はない、それは桜と新学期の入学式・新年度という日本に深く強烈に定着した文化があり他習慣を受け入れない
春という四季がスタートする季節だから、翌五月は奇数月で端午の節句かつゴールデンウィークの大型連休で帰省という日本民族大移動の文化が根付いた
帰省しない核家族化で一人世帯や他国籍世帯も増えてきた、ゴールデンウィークには海外旅行という習慣も定着した
新年度の新生活に慣れず五月病になる頃、五月晴れから梅雨というじっとりした憂鬱な季節に移り変わる
有楽町から丸の内
偶数月六月の異国文化商戦がジューンブライドだった、梅雨のない海外で特にハワイブームを仕掛け昭和の後半はブームにもなった
七月は七夕、八月は日本固有のお盆休みがあり、九月が秋のお彼岸、春夏秋と季節がめぐる
そして十月は特別な文化行事はなかった、東京オリンピックが成功し体育行事が増え、体育の日がスポーツの日になるまでになった
少子化で秋の体育行事やスポーツ活動が停滞する中、かつてその子供たちだった層をターゲットに異文化商戦のハロウィンが参入してきた、ということなのだろう
十二月は二十六日の朝にはガラッと一斉に正月ムードに切り替わる、近世まで二年詣りという習慣はなかったという、お寺の除夜の鐘を聴きそのまま神社でお詣りという流れにしたという
落語の噺を聴く限り初詣りの初天神は旧暦の一月下旬ころ、和洋を切り替えないと日本人は飽きっぽく長続きしないようだ、一神教の民族ではないから
神道と仏教とキリスト教の八百万の神々をバランス良く散りばめないと多民族混合の日本人は満足しないのだろう
一神教の欧米人には多神教崇拝は理解できないという、日本は異文化をたくさん受け入れてきた長い歴史がある
四季と節句や歳時記があり六曜・八卦・干支や年度・学期・シーズンなどの時間と空間の概念を取り入れた、容易に短期間しか通用しない世界標準は通じない
汐留から東京駅
大陸文化にも欧米文化にも一時的にはなびいてかぶれても揺れ戻しで強烈な国風文化が根付いてきた
日本のフレンチやイタリアンや中華は本場には存在しない、精進料理や天ぷらは和食であって、今さらインドや南蛮の料理だとは誰も難癖つけない
日本は現在のグローバルスタンダードになびくふりをして揺れ戻しが必ずくる、大陸の元寇もペリーの黒船も以来、第二第三の経済的黒船が来る度にかわしてきた
信任状捧呈式
結果的に国内への大打撃は無かった、むしろより強烈な国風回帰でガラパゴス化が進んだ
洋の東西のあらゆる文化をもってしても不動だった要はサクラ、日本にサクラが咲く限り日本にグローバルスタンダードは馴染まない
桜は日本の南端から北端まで毎年、同じ時期の同じ場所に二千年以上も咲き続けているという
日本のXmasは本家のカトリックやプロテスタントの風習にもない日本らしいXmasになっている