歌舞伎 | 久蔵

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落語と歴史のブログ

日本の歴史上の人物の物語で日本語で演じているのによく分からない、しかしきらびやかな衣装と声や義太夫節や三味線の音でじゅうぶん楽しめる

 

 

落語の世界と話す言葉や単語がほとんど同じ、落語と違うのはたくさんの演者さんが同時に舞台にいる

 

小道具がたくさんある、たまに効果音の拍子木を叩くためだけに出てくる演者さんもいる

 

室町時代後期の応仁の乱から戦国の世に発祥し、平和な元禄時代に男性役者のみとなり現在に至る

 

 

出雲大社巫女の出雲阿国

京かぶき踊り⇒遊女かぶき⇒若衆かぶき⇒野郎かぶき

 

女子アイドルグループのような形式でスタートしイケメンジャニーズ系のような時代もあり風紀が乱れ禁止された、という歴史があり

最終的には女人禁制の野郎だけになったという、よって女形(おやま)が注目されることになる

 

国立劇場

 

宝塚歌劇団の逆バージョンのようなステージが上方と江戸に別れ、元禄時代の町人の娯楽になった

 

現代の芸能も同じようなことを上塗りしているようだ

 

上方は和事の坂田藤十郎、江戸は荒事の市川團十郎という名優が同時期に出現したという

 

 

上方は綿々と続いている文化都市で「和事」が好まれ、一見弱々しいような主人公が多いという

 

江戸は新興の開拓地、地方から流れ込んできた男が多かったようでがさつで気の荒い気質の人が多い、そこで好まれたのが「荒事」なのだという

 

元禄時代には各分野に優秀な才能の芸術家が頭角を現したという

 

歌舞伎座

 

作者:近松門左衛門、竹田出雲ら
演目:曽根崎心中、仮名手本忠臣蔵、義経千本桜、菅原伝授手習鑑等々
音楽:竹本義太夫ら(浄瑠璃)

 

歌舞伎役者が特に際だった見得の所作をすることを、大見得を切ると言うが転じて強調するために大げさな言動をとったり

 

出来もしないことを出来るように言うことを、見栄を張るとかかぶくと言う、そういう人をかぶき者と言ったりそうなることをかぶれると言う

 

 

明治の文明開化では欧化主義にかぶれ、日本人の変容には欧米からのみならず国内からも滑稽に映ったという

 

丸の内のお洒落な煉瓦街では洋装の男女が増え着物姿で歩くと、フランスの捕虜にでもなったのかと想うほどだったという

 

戦後はソビエトや中国にもかぶれた、アメリカに最もかぶれ現在も米露中のかぶき者が多いよう

 

阿国歌舞伎から明治の演劇へ

 

日本人同士でも閉鎖的なムラ社会の中で、無理して見栄っ張りなかぶき者は絶えない、現代は歌舞伎ではなくテレビの影響か

 

歌舞伎は町人の数少ない娯楽として大流行し、歌舞伎役者を真似て興じ戯れる人が増えた

改易等で浪人となった武士や豪商の若旦那らは度を越えて流行りの派手な格好をしたり

 

 

強がって悪ふざけしたり、徒党を組んでケンカしたりしたという、元禄時代にはあった火消しいろは組とはまた違う反体制活動にまで及んだという

歌舞伎の内容はカッコいいヒーローから泥棒や悪人が主役の演目に変わり社会に影響を及ぼした、これらは鼠小僧など白波物と呼ばれている

 

化政時代から幕末にかけては風紀を乱す出版や歌舞伎の演目は厳しく規制されたという

 

 

浪人や僧侶や町人による反社会的集団や新たな宗教団体も興り、武力を持った団体は幕府の脅威になったという

 

この時期は現代平成の世相に酷似していると言われている、次は黒船の外圧、ということを近現代史は何回も経験し乗り越えてきた