渡りと景 | 久蔵

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落語と歴史のブログ

渡り六分・景四分「用の美」

 


実際に役に立つと同時に美しくなければならない、と言う美学が茶道にあり千利休が提唱した

 

日本家屋の元祖、書院造の慈照寺銀閣

 

趣のある庵

 

茶室が六分・庭が四分
茶碗が六分・柄が四分
実益が六分・遊び四分
という理屈

 

数寄屋造

 

信長が政治にもそれを応用した、秀吉は織部に倣い遊びを六分まで拡大し黄金の茶室を利休に造らせた


 

家康には全く響かなかったらしい、合理的質素倹約を旨とし実益十分を目指したという、元禄年間にようやく懐古し美的センスが蘇った

 

 

お城を観れば一目瞭然、江戸城は機能的かも知れないが天守もなく灰色でつまらない建築構造物

 

西に行けば行くほど美的センスが輝く、名古屋城⇒伏見城⇒大阪城⇒姫路城

 

 

そして、外様の加藤清正が改造した熊本城の石垣は何処にもない素晴らしいモノだった、日本の財産として再び修復してほしい

 

 

現在、渡り六分・景四分の理念は建築基準法の建蔽率に適用され最大40%、第一種低層住専は庭に六割も使え住環境を守っている

 

 

景だけのほとんど実社会に役立たない贅沢ブランド志向が増えてきたがいつからだろうか、そういう美学は誰が提唱したのだろうか?

 

 

その逆が、実際に大いに役立ち実益があるがあまり美しくない、面白くない・遊びや癒しがない

 

 

都心の建蔽率100%の商業施設や高層ビル・タワーマンションは家康好みということになる、それを好む現代人の趣向は理解し難い