結構な度合いで期待していた映画です。
打ち上げ花火、
下から見るか?
横から見るか?
を観てきました。
公式サイト:http://www.uchiagehanabi.jp/index.html
元のTVドラマ、映画は観鑑賞状態でぶつかって参りました。
観てきた感想をざっくり一言で言うと
なんぞこれ・・・・・・
という、映画の感想よりもこれが300館規模で上映されたことに恐怖してしまうような、複雑な気持ちがこみ上げてくる映画でした。
もうちょっと詳しい感想を書いていきます。
●不可解!?不穏な登場人物のアクション
まず根本的に登場人物の言動にすっごく違和感を感じました。
典道くんはまだしも、祐介くんやなずなちゃんの思ってることややってることが一貫しておらず、掴み取りづらかったです。後々知ったのですが、典道やなずなは元の原作では小学生だったのですね。どおりで祐介くんがまだ「うんこ」を卒業できていないわけです。キャラクターがビジュアルでは大人びて描かれている分、うっかり高校生ぐらいの感覚で観ていました。
まさか半年前までランドセルを背負っていた年齢設定とは思うまい・・・。
「もしも」の世界に突入してただでさえ少しおかしな世界を描いているのに、登場人物の言動の幼稚さが別の次元で変なので、結局、“どう変なのか”がわかりづらい映画になっちゃっておりました。どこからどこまでが事実なのか。何が本心なのか。もっと分かりやすく描いた方が良かったような気もします。
●恋愛映画でもない不思議なライン
また、好物であるはずの恋愛映画と思って観に来たのですが、そうでもなかったですね。
二人の人物が居て、
二人の関係になんらかの変化が生じる事件が描かれ
最終的に二人は恋愛的な意味で何らかの着地を迎える。
(別れる・元の関係に戻る等含む)
この構造さえ踏襲していれば、恋愛映画と言えると思っているのですが、「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」はこの構造に当てはまるかどうか正直疑問です。
なずなが本当に見据えている相手は典道なのか?ってところや、なずなの行動は恋愛的な感情で動いているのか?ってところ。極めつけはあの衝撃のラスト。このラストシーンに色んな解釈の余地があって、前述の恋愛映画の構造にビシッとあてはまると断定し難い映画でした。
乙女心はわかんないものと言いますが、それにしてはなずなちゃんって結構サイコじゃないか?
二人の恋愛劇というよりも、恋愛という世界に目覚める“前”の物語を描いているようでして、恋愛映画に足を踏み入れてるかどうか際どいんじゃないかと思う次第です。少なくとも「君の名は。」「たまこラブストーリー」「聲の形」などの分かりやすい恋愛映画でないのは確か。そこを読み誤ると余計ワケのわかんない映画になっちゃうとは思います。
●なんでだよ!ってツッコミポイント
そんな感じで恋愛映画一歩手前の様な青い味わいがこの映画の魅力なのは間違いないんですが、随所の違和感が悪い意味でひっかかりすぎてトータルでやっぱりおかしい映画になっちゃってるのは否めません。
具体的に違和感の個所を挙げていくと
・性的に描かれる一方、歌唱シーンでは幼稚なイメージが登場するなずなの描き方の極端さ。
・男子陣が一緒に登校するシーンで、私の苦手なパキパキ3DCG人間が出てくるところ。
・終盤、あるキーアイテムがすごい強引な結末を迎えるところ。
・典道と祐介がプールサイドで並んで歩くシーンなど、サブリミナル的に変なカットが入るところ。
・・・などなど全体的に映画が情緒不安定です。
ちょっと味として見過ごせない域に踏み込んでいます。これだとトータルでポジティブには見られないかなぁ、というのが正直なところです。
この玉の衝撃な結末にはビックリです。これに関してはもうギャグなんじゃねーかな。
レビュー欄などでは際立った低評価を受けているようですが、さすがにそこまでケチが付くような作品とは思っていません。ただ、変わり種であり、難解作品寄りのものであるのは間違いない映画でした。
やっぱり改めて考えても、この映画を300館規模で上映したのは正気の沙汰とは思えません。もしかしたら、我々が居る世界は誰かが「もしこの映画を大規模公開したら・・・」と願ったちょっとおかしい世界なのかもしれません。
でも主題歌は最高です。今夏イチ押しです。
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