シネマイーラさんに滑り込みで行って参りました。
ちなみに「鋼鉄ジーグ」はスパロボに出演していたので、私は存在だけは知っている程度です。
皆はこう呼んだ、
鋼鉄ジーグ
を観てきました。
公式サイト:http://www.zaziefilms.com/jeegmovie/
永井豪先生と安田達矢先生によって制作されたロボットアニメ「鋼鉄ジーグ」。本作はそれを原作という形ではなくキーアイテムの様な形でフィーチャーしたヒーロ―映画です。
主人公の中年男性・エンツォはひょんなことから、川の底に廃棄されたドラム缶に足がはまってしまい、その中の液体を浴びることで、頑丈な身体、強靭なパワー、圧倒的な回復力を得るところから物語がはじまります。
本作を観てきた感想をざっくり一言でいえば
すっげー良い
という感じのお気に入り映画でした。
もう少し詳しい感想を書いていきます。
●イタリア映画meetsヒーロー映画
「鋼鉄ジーグ」をフィーチャーしていながら、全体的にはMCU作品などの昨今のヒーロー映画を思わせるような作品でした。ちっちゃな悪さで食い扶持を稼いでいるようなエンツォが、未知のパワーを手に入れる。→最初はその力を自分の私利私欲に使っていくものの、出会いや事件を経ていくことで、心境に大きな変化が生まれていく。そんな、ある意味王道の『ヒーロー誕生物語』でした。
プチンダノン(みたいな)ヨーグルトが主食のおっさん。全体的に登場人物の人間感薄いよね。
ただ、アメリカのヒーロー映画と違うのは、大金がかかっているようなビックバジェットではない、影を落とした全体のトーン。
エンツォはAVが散乱しているような家に住む冴えない中年男性だし、ヒロインは「鋼鉄ジーグ」好きすぎる情緒不安定な人だし、派手なCGエフェクトもかかってなければ、人の死に様も固いもので殴られたりした地味なものばかりでした。どちらかというと「キックアス」や「スーパー!」的です。
「スーパー!」は「スーパー!」で大好き。
さらなる違いは、エンツォには全然ヒーロー意識がないところ。
ATM泥棒とかやっている人間がどうやって意識が変わっていくのか・・・そこを突き詰めるところが「キックアス」や「スーパー!」よりも素朴で、親しみのわく作品でした。
諸々の物語が終わった最終カット。
物語の当初を思うとすごく気持ちの良い映画でしたね。
●特殊すぎるヒロイン・アレッシア
この映画のもう一つの異様な味付けともなっているヒロインのアレッシアも象徴的。
アレッシアは「鋼鉄ジーグ」が好きすぎて、現実と妄想が混在していて、完全に頭おかしいんですが、そんな非実在感が逆に恋愛映画の色を打ち消していて、むしろ、エンツォの意識を変えていくための内面的な存在にも見えてくるから面白いです。
数少ない「鋼鉄ジーグ」登場シーンでもあるヒロインパニックシーン。
ATM泥棒をしていることを観てそれほど怒ることはなく、それよりも無条件に人を救うことを頑なに勧めてくる。そのくせ性行為に関しては、人一倍拒絶的。
そういった線引きが偶然なのか故意なのかは分からないですが、この映画の『ヒーローとはなんぞや』を示すようで面白かったです。
●重厚感あるアクションが素敵!
そして、極めつけの褒めポイントはアクション。
アメリカヒーロー的な『軽快なアクション』とは対照的に、ドスン・ボスンと鈍い音で繰り出される重厚感のあるアクションがすごく良い!
バキンッといかずにメキメキメキ・・・って感じがいいの。
「鋼鉄ジーグ」そのものこそ僅かしか出てこないのですが、エンツォが怪力で投石して車を止めたり、高い所から豪快な着地をしたりする様はまさに重量級ロボットのアクション。巨大ロボットのアクションを人間サイズで見せつけられているようで、トキメキを感じました。
私、「ガンダム」や「エヴァ」のようなスピーディーなアクションマシンよりも「ビッグ・オー」みたいな重いパンチを放ってくれる鈍めのロボット系の方が好きなのでまさにドンピシャでした。
大好き「ビッグ・オー」。ロボットは重量感派。
そんな感じで「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」、かなりのお気に入り映画でした。
パンフレットも購入したのですが、“実は「鋼鉄ジーグ」じゃなくて「グレンダイザー」を題材にしようとしていた”、とか“「鋼鉄ジーグ」は主人公の司馬宙がロボットの頭部に変身する作品”だとか、学びのある内容で良かったです。
すっかり夢中になりまして、「鋼鉄ジーグ」も追って観てみたくなりました。
私の中にも何かが芽生えてくれるかもしれないです。
スーパーロボット超合金 鋼鉄ジーグ 約130mm ABS&PVC&ダイキャスト製 塗装済み可動フィギュア
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