アイドル系アニメも多すぎてよくわかんない昨今。
「ラブライブ」や「キンプリ」なんかを日本帰国で見てきましたが、いずれも初めて劇場版で体験したアイドル物でしたが、その中では今作が一番“好き”でした。
プリパラ
み~んなのあこがれレッツゴープリパリ
を見てきました。
タカラトミーさんのカード連動ゲーム「プリティーリズム」の系譜を受けた「プリパラ」というゲームのTVアニメシリーズの・・・劇場版第3弾。
完成がかなりギリギリだったようで、完成披露試写会が未完成披露試写会になってしまったなんてエピソードも持っている映画でございます。
あとゲスト声優がデヴィ夫人。
今作を見てきた感想をざっくり言わせてもらえば
クッソ面白かった
です。
かなり笑いながら見ました。
例のごとく、詳しい感想を書いていきます。
●まったく、フザケた映画だよ!(褒めてます)
「キンプリ」が結構狂気な映画でしたが、その狂気はそのままに年齢層をぐっと下げた作品がまさにこれ。
頭から最後までフザケてる!!
・・・で、それが思いの外私にハマってしまいました。
面白かったです。
真面目そうな物語の導入から一点・・・世界観の説明をさらっと綺麗に始めて、しっかり一見さんも楽しめる作りにできているので非常に好印象なスタートを切ったこの映画なんですが、そっからまもなくしてすぐに事件が。
プリパリ(っていうかパリ)に急いで行かなきゃまずい!という事態になるのですが、登場キャラクター達がチキチキマシンよろしく、愉快なレースをはじめるんだからビックリ。
あ、この映画頭おかしいやつだ!
とその瞬間に理解。
急がなきゃいけないはずなのに、なぜかオオサカプ(っていうか大阪)とかペジプト(っていうかエジプト)など世界各地でライブをさせられたりと、ご都合主義の極みなんですが、もうそこも含めてテンションが理解できたので、存分に楽しむことができました。
「キンプリ」も狂気の点では近い作品かもしれないのですが、この映画は根本的にしっかりとギャグアニメの体になっているので、すんなりと一見さんの私も馴染めたような気がします。
「キンプリ」はどうもツッコミ待ちみたいな空気が苦手だったのかもしれません。それよりは「プリパラ」のボケの乱れ打ちの方が性に合っていただけ・・・と一応フォローを入れておきます。
(好みの問題です的回避)
●狂気を増すかつてないクライマックス!
そして、無事各地でライブを終えて目的地のプリパリについてこそビックリ・・・
この映画のきっかけとなる大事件の理由が、映画史上かつてないどーでもいい原因で発生していることが判明します。
映画というスケールの作品でこれはない!!
・・・と言いたい所だけど、
前半の流れから言って想像以上にしっくりくる正解!!
こういうネタを素直に面白いと受け止められるか、薄ら寒く感じるかは、全体の雰囲気や観客のもてなし方が重要だと思ってまして、今作は思いっきり私にドハマりしちゃいましたね。
しかもその原因を担うキャラクターのゲスト声優こそがデヴィ夫人!
ゲスト声優のチョイスもおかしいんだけど、作品の展開が展開だけに、そこもなお正解に思えてくるから怖いです。台詞自体もデヴィ夫人になんてこと喋らせるんだよ!っていう間違いすぎてて全部正しい的使用法で、決してデヴィ夫人のアフレコがうまくはないんだけど、違和感がないような使い方がされていて、実はエンディングまでデヴィ夫人が声をあてていることに気が付きませんでした。
ある意味今作を超えるクライマックスは今年出てこないんじゃないかってぐらい酷い(褒めてます)クライマックスは必見。とことんどうでもいい中身のはずなんだけど、しっかり楽しめるのだから不思議です。
●ちょっぴり怖いバージョン違いという試み!!
そして映画を終えて、思ったことがありまして、キャラクターの出番配分が不思議なバランスだったなぁと思っていたら、今作まさかのバージョン違い上映をやっておりました。
全3パターンあるようで、私はちゃん子・定子バージョンを見ました。
(ライブシーンがこれまた秀逸!)
上映回によって映像が違う作品といえば、
「キンプリ」なんかは本編前に流れる映像が変わったり、「ゲゲゲの鬼太郎」では地方によってほんの短時間ですが流れる映像がご当地物になっていたり、「ポケモン」では2作品公開して、中身はほぼ一緒だけどポケモンが色違いだったり、敵と味方が反対だったり・・・ということはありましたが、1作品公開として本編中の映像が、結構な尺でバージョン違いになるというのは、実は初めての体験で驚きました。
昨今のアニメ映画では特に、週替りで特典を変えるという戦法が多くなってきていますが、ついに週替り戦法もここまで来たのか!!という驚きと、この戦法ってかなり金になりそうなやり方なので、今後主流になってくるんじゃないかという懸念があります。
この「プリパラ」みたいにキャラクターが多い作品だったら、作品の5~10分ぐらいを一部キャラクターに特化したパートにしちゃって、複数週に公開させちゃえば、リピーターも増やせるし、ディスク販売の需要も増えるので、かなり良い商売になりそうな気がします。
もちろん、代替できるパートならまだ良いけど、もしかしたら今後、「数週間に渡って何回も劇場に足を運ばないとすべての謎が解けない映画」なんてマーケティングが出てくるんじゃないかと思うと、ちょっと怖いですよね。今後のオタク向けアニメ映画が変な集金方法に出てこないか、心配にも思います。
あと、シュールなエンディングパートも面白かったです。
SKE48の曲も良かったと思います。せっかくのアイドルキャラの子供向けアニメなのに、「そこでは歌わないんだ」ってツッコミはあるでしょうが。
トータルで「プリパラ」という作品と良い出会い方が出来た映画体験でした。
キャラクター的には天使と悪魔コンビが、古きよきアニメを見ている気分でお気に入りでした。しっかりライブパートもあったし、親指がビシッと立ちましたよ。
プリパラを全然知らないって人こそ、ビックリする映画だと思いますので、映画館でビックリしたい人におすすめです。
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