恋は二度目のアネモネ -25ページ目


あなたのことは、あなたより知ってる。
主に、血流やリンパの流れについて。
なんてね。


お金なんてなくたって、
贅沢で豊かな生活はできる。
真昼のバスルームで、
いささか熱い湯に浸かりながら、
洗濯機の水音を聴く日曜日。
どこへ出かけよう。
何を食べよう。
わたしには、
憂鬱な月曜日なんてない。
あるのはいつも、
軽薄で幸福な今日だけなのだ。


心を閉ざすと、
世界もどんどん閉じていく。
わたしにとっての、
不機嫌と不幸のはじまりがそれだ。
反対に、言葉はどんどん生まれていく。
閉じれば閉じるほど、
わたしの細胞は文字を吐き出す。
わたしの世界と反比例して、
言葉はどんどん開いて輝く。

嬉しい、楽しい
なんて言葉には、何の力もない。
感情だけですでに昇華したものに、
言葉をあてはめる意味なんてない。
わたしにとっては。
この世のあらゆることは相対的。
だからあなたにとってはどうなのか、
教えてほしいの。


登場人物がたったひとり変わるだけで、
がらりと違った様相をみせる。
世界。
世界は心を反映してる。
今わたしの世界はやや開いていて、
だから言葉に説得力がないけれど、
雲のように過ぎる時間に、
追われる筋合いなどはないのだ。


ゆるく混ざり合う模様のまま、
2つであり、1つになろう。







気ままで楽しい宴を繰り広げて、
優しい人と衝動的に眠る。
そして朝早く目覚めて、おしゃべりして大笑いする。
なんて正しい生き方 !
意地悪しか能のない変質者に絡まれたりはするけれど、
おかげさまで愛おしい人生なのだ。

元気で長生きしてね、と思う。


言葉あそびは、何より面白い。
語彙もそうだけど、
笑うためには、
テンポと間合いが大切だ。
1日に何度かは、
わははと笑って暮らしていて
実に健康的だと思う。
風邪をひきたいときは仮病があるし、
休みたいときは休む。
ああ。
なんて正しい生き方!
ゆとり世代よりゆとりがありそうだ。



マジックが
きらきら溶けて、
目が覚めたあともまだ夢のように美しい。
わたしは
もっともっと強力な魔法にかかっていて、
それは
おそらく死ぬまでとけないだろうと思う。
こんなすてきなことってない!
これこそまさに
永遠延長戦のラブアンドピースではないか。
それはそうと、もう4時だし、もう2月だ。
そして金曜日。
めまぐるしい。

今日はどんな宴にしよう。







目覚める朝が、
まだ水曜日だなんて信じられない。
昨日傷つけた人差し指が痛い。

バスルームに、
月面の旋律を満たす夜。
きみと過ごした美しい真夜中が、
もう遥か昔のことのように思える。
歴史に残る、すてきな真夜中。
そんな夜が、あと何回わたしに訪れるだろうか。


エイリアンズを歌いながら、
人通りのない夜道を歩いていると、
街灯がぽつぽつと灯っていくようだ。

ああ、
あなたは。
わたしの浮腫みに気づきながら、
それでも果敢に言葉を投げる。
わたしを諦めないから、
こうやってここにいるんだよ。


ピザの箱を片付ける。

夜。










のびすぎた前髪をカットしていたら、
誤って人差し指までチョキンと切ってしまってアワワ。

朝のあなたと
夜のあなたと、
ともに生きていられるなんて、
なんてわたしは幸福者だ。

仕事に行き、
病院に行き、
スーパーに行き、
料理をし、
洗濯をして、
バスルームで本を読む。
自堕落な小休止からぬけだして、
日常の取っ手をまわす。
くるくるくるくる。
まわる。
まわるわ。

時折、
別の頁になびいてみたりするけれど。

8月の
あの美しい日に、
もう一度会いたい。
ああ。
だけど。
イメージの中でしか生きられないものがあるのだ。









どうしても、
どうしても気分が乗らず
サボタージュした。

暖かい部屋の中で
内田百閒の件を読んで、
わたしの感受性など
安いドーナツの上でべちゃべちゃ溶ける砂糖のようなものだと思う。

動画を見たりお昼寝をしたりして、
気ままに過ごした。
1人となにも変わらない2人で。


要求を無視されると、
次第に求めなくなる。
関心がなくなって、
どうでもよくなる。

石になりそうだー
お地蔵さまと、お呼びください。
否、ぜったいに呼ばないで。
わたしを生身の女でいさせて。

嫌いになるほうがまだましだ。
好きじゃなくなるのは、
もっとも取り返しがつかない。


 今日がもうすぐおわる。
好きな人たちがみんな、
幸せな気持ちだといいなあと思う。